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助成金の対象は何で決まる?|会社・社員・研修の3つで判定する

助成金の対象は何で決まる?|会社・社員・研修の3つで判定する

研修の見積もりを前に助成金が使えるかを調べているなら、助成金の対象になるかは研修の名前ではなく、申請する会社・受講する社員・研修の中身の3つがそれぞれ要件を満たすかで決まります。3つは外れたときに支給から外れる範囲が違うため、確かめる順番を決めておくと、計画届を出したあとの手戻りが減ります。

この記事の要点は3つ

  1. 人材開発支援助成金では、会社・社員・研修の3つがそれぞれ要件を満たした分だけが、支給の候補になります。支給されるのは、審査で要件を満たしたと判断された場合です
  2. 本記事の整理では、外れたときに落ちる範囲は、会社なら申請の全体、社員ならその人の分、研修なら対象外の内容の時間です。対象外の時間を除いた実訓練時間数が10時間を割ると、その研修の全体が外れます
  3. AI研修で外れやすいのは研修の中身です。事業展開等リスキリング支援コースでは、令和8年8月3日以降に提出する計画から、DX・GX化に関する訓練であっても、職務に間接的に必要な訓練や、職業人に共通して必要な訓練は対象外です

3つの要素に当てはまりそうな人数が見えたら、企業規模と人数から助成が通った場合の負担の目安を料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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法人向けにAI研修を提供し、受講を検討する会社から「この研修は助成金の対象か」と聞かれる側から、対象かどうかを判定する順番に絞って書きます。助成額の計算と申請書類の書き方は扱いません。

AI研修でよく使われるコースの制度の全体は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れで扱っています。要件を確かめる部署ごとに整理した記事はリスキリング助成金の条件|会社・受講者・研修の3つで見る要件です。この記事は、外れたときに落ちる範囲から、確かめる順番を決めます。

この記事でわかること

  • 「助成金の対象」を、会社・社員・研修の3つに分けて見る理由
  • 会社が対象になる要件と、支給の対象にならない場合
  • 社員が対象になる3つの点と、研修が対象になる要件
  • AI研修で対象から外れやすい例と、外れる範囲
  • 対象かどうかを確かめる順番と、この記事で解けないこと

助成金の対象とは|会社・社員・研修の3つがそろった分だけ支給される

助成金の対象とは、人材開発支援助成金の場合、要件を満たす会社が、要件を満たす社員に、要件を満たす研修を受けさせた分のことです。3つのうち1つだけを確かめても、対象かどうかは決まりません。

この記事でいう助成金は、会社が社員に受けさせる研修の費用と、研修中の賃金の一部を助成する、厚生労働省の人材開発支援助成金です。補助金との違いはAI研修補助金はある?|補助金と助成金の違いと使える制度、東京都の制度との分け方はスキルアップ助成金は国と都道府県のどちら?|AI研修で使える制度の分け方で扱っています。

ファクトボックス|助成金の対象を判定する3つの要素

項目

内容

制度名

人材開発支援助成金(厚生労働省)

会社の要件の中心

雇用保険の適用事業所の事業主であること。職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定・周知を、計画届を出す日までに済ませること

社員の要件の中心

申請する会社の事業所で雇用保険の被保険者であり、訓練の期間中も被保険者であること

研修の要件の中心

職務に直接関連する訓練であること。訓練時間数が10時間以上であること

根拠資料

厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 p.3「Ⅰ-2 チェックリスト付きフローチャート」ほか

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf

参照日

2026年10月19日

免責

支給の可否は労働局の審査で決まります。要件は改正で変わるため、最新の内容は管轄の労働局でご確認ください

3つの要素は、コースをまたいで共通の骨格になっている

人材開発支援助成金には複数のコースがあり、要件の細部はコースごとに違います。それでも、詳細版のp.3にあるフローチャートは、会社が業務命令で社員に研修を受けさせる場合に、どのコースにも先立って確かめる点をチェックリストにしています。

チェックリストの項目を、本記事の整理で会社・社員・研修に振り分けると、次のようになります。フローチャートは、厚生労働省が「支給要件などを簡易的に示したもの」と断っており、詳しい要件はコースごとの詳細版で確かめます。

要素

p.3のチェックリストの項目

会社

雇用保険適用事業所の事業主であること/職業能力開発推進者の選任/事業内職業能力開発計画の策定・周知/訓練期間中も賃金を適正に支払うこと/支給申請日までに訓練経費を全額負担すること/訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を出すこと

社員

申請する会社が設置する雇用保険適用事業所の被保険者であること

研修

職務に直接関連する訓練であること/訓練時間数が10時間以上であること/OFF-JTか、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練であること

同じフローチャートは、社員が自発的に受ける訓練を会社が支える場合を別の枝に分けています。その枝では、労働協約か就業規則に定めた制度に基づいて受講することや、会社以外が主催した訓練であることが要件になり、業務命令で受けさせる研修とは確かめる点が変わります。この記事は、AI研修で多い業務命令の枝を前提にします。

外れる範囲が、3つで違う

3つの要素は、支給から外れる範囲が違います。会社が要件から外れれば、その申請の全体が支給の対象になりません。社員の1人が外れれば、その人の分が外れ、ほかの受講者の分は残ります。

研修は少し複雑です。カリキュラムの一部に対象外の内容があれば、その時間を実訓練時間数から除きます。除いたあとの時間が10時間以上残れば研修は対象のまま、10時間を割れば研修の全体が外れます(詳細版 p.28「対象とならないOFF-JT」)。

型C・帯構造型。上から「会社」「社員」「研修」の3段の帯を置き、各段の左に白抜きラベル、右に「外れたときに支給から落ちる範囲」を書く。右の白い箱の幅は落ちる範囲に合わせ、会社は全幅、社員と研修は短くする。要素=1段目「会社」=申請の全体が外れる/2段目「社員」=外れた人の分だけが外れ、ほかの受講者の分は残る/3段目「研修」=対象外の内容の時間が除かれる。除いたあとが10時間未満なら研修の全体が外れる。1段目を青で強く、2〜3段目は淡い青。大きな番号は置かない。結論=会社・社員・研修は外れたときに落ちる範囲が違うため、範囲の広い会社から順に確かめると手戻りが減ります。

会社・社員・研修は外れたときに落ちる範囲が違うため、範囲の広い会社から順に確かめると手戻りが減ります。

助成金の対象かどうかは、3つの要素のどれで外れたかによって、申請の全体が落ちるのか、1人分や数時間分が落ちるのかが変わります。


会社が対象になるか|雇用保険の適用事業所と、計画届までに整える2つ

会社が対象になるかは、雇用保険の適用事業所の事業主であることと、計画届を出す日までに社内の体制を2つ整えていることから確かめます。そのうえで、支給の対象にならない場合に当たらないかを見ます。

計画届を出す日までに、推進者と計画を用意する

詳細版のp.3は、職業能力開発推進者を選任していない場合も、事業内職業能力開発計画を策定・周知していない場合も、計画届を提出する日までに済ませるよう書いています。推進者には、研修や人事の担当課長などを選びます。

会社の要件で外れると、申請の全体が落ちます。支給対象事業主の7つの要件と、支給の対象にならない15の場合の項目の一覧は、リスキリング助成金の条件|会社・受講者・研修の3つで見る要件と人材開発支援助成金の制度の全体像|コースの違いと選ぶ順番で扱っています。

支給の対象にならない場合のうち、適用事業所であることを見る時点は、コースで違うことがあります。事業展開等リスキリング支援コースの詳細版 p.7 は訓練開始日・支給申請日・支給決定日の時点を挙げ、人材育成支援コースのご案内は、訓練開始日に括弧書きで「有期契約労働者等のみを対象とする場合を除く」と添えています(人材育成支援コースのご案内 p.7)。

企業規模は、対象かどうかより先に率と上限を分ける

中小企業か大企業かは、それだけで対象かどうかを決めるものではなく、大企業も対象に入ります。規模で変わるのは、主に助成率や1人あたりの上限額です。規模ごとの率と上限を使った計算は、人材開発支援助成金はいくらもらえる?|経費助成と賃金助成の計算方法で扱っています。

申請するのは会社で、手続きの代行は社労士の業務

助成金を申請するのは、研修を受けさせる会社です。詳細版のp.21は、助成金の申請手続き業務は社会保険労務士の独占業務で、社労士でない教育訓練機関などが報酬を得て申請書の作成や提出の代行を行うことは禁止されていると書いています。

同じページは、教育訓練機関が無償で申請手続きを行うと謳っていても、受講料に申請手続きの対価が含まれていると評価される場合には問題が生じると注意しています。当社の研修料金には申請代行の費用を含めておらず、申請の代行をどうするかは、受講する会社と社労士の取り決めで決まります。


社員が対象になるか|被保険者・名簿・受講の記録の3点

社員が対象になるかは、雇用保険の被保険者であること、計画届の名簿に載っていること、受講の記録が条件に届いていることの3点で決まります。3点の「すべて」を満たすことが、社員の側の要件です(事業展開等リスキリング支援コース詳細版 p.17「Ⅱ-3 対象となる労働者」)。

確かめる点

詳細版の要件

被保険者

申請する会社の事業所で被保険者であり、訓練実施期間中も被保険者であること

名簿

計画届のときに出した「対象労働者一覧」(様式第3-1号)に記載のある被保険者であること。定額制サービスによる訓練は様式第3-2号の一覧

受講の記録

通学制・同時双方向型の通信訓練は、受講時間数が実訓練時間数の8割以上。eラーニング・通信制は、訓練実施期間中に修了。定額制サービスは、修了した訓練の標準学習時間数が合計10時間以上

8割の要件には、特定の訓練機関が行う訓練を修了した場合か、その訓練機関を卒業した場合は満たしたものとみなす、という注があります。特定の訓練機関は公共の施設や大学・専修学校などで、民間の研修会社はふつう当たりません(p.20)。育児休業中の社員に受けさせる場合は、育児休業期間中に訓練を開始し、本人の自発的な申し出で受講することが必要です。

3点は、受講する社員1人ずつに当てる要件です。そのため、たとえば欠席が重なって8割に届かなかった場合に外れるのは、届かなかった人の分になります。

事業展開等リスキリング支援コースでは、受講の回数にも上限があります。同じ労働者につき1年度で3回までで、令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づくeラーニングによる訓練は、1年度で1回までです(厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について」)。この回数には、複数の実施方法を組み合わせた訓練も含み(同リーフレット※2)、8月2日以前に契約・申込みをした訓練は数えません(詳細版 p.39)。

役員やパート、有期契約の社員がどこまで対象者に入るか、名簿と受講の記録でどう外れるかは、人材開発支援助成金の対象者は?|受講できる社員と外れる5つのケースで扱っています。

社員が対象かどうかは、雇用の呼び名ではなく、被保険者の資格・計画届の名簿・受講の記録の3つで確かめます。


研修が対象になるか|職務との関連・時間・実施方法と、コースごとの線引き

研修が対象になるかは、受講する社員の職務に直接関連しているか、対象外の内容を除いて10時間以上あるか、OFF-JTなどの決められた方法で行うかで決まります。そのうえで、使うコースごとの線引きに当てはめます。

職務との関連は、受講する社員の職務で変わる

詳細版のp.18「Ⅱ-4 対象となる訓練等」は、対象になる訓練を、職務に関連した専門的な知識と技能を習得させるための訓練(職務関連訓練)としています。同じページは、その訓練を受ける労働者の職務によって対象になるかどうかが変わるため、申請ごとに判断すると書いています。

同じページの例には、会社の事業内容を問わず職務関連訓練と判断される例として、営業企画の職務の社員にWebマーケティングの手法を身につけさせる訓練が挙がっています。研修の題目が同じでも、受ける社員の職務が違えば判断が変わるということです。

時間と実施方法|10時間の数え方は、受け方で変わる

訓練時間数の下限は10時間です。ただし、数え方は受け方で変わります(事業展開等リスキリング支援コース詳細版 p.13「Ⅱ-1」の注)。

受け方

10時間の見方

通学制・同時双方向型の通信訓練

対象外の時間を除いた実訓練時間数が10時間以上

eラーニング・通信制

標準学習時間が10時間以上、または標準学習期間が1か月以上

定額制サービス

修了した訓練の時間数が、支給申請時に合計10時間以上の対象労働者だけが支給の対象。時間は実際の視聴時間でなく標準学習時間で数える

OFF-JTは、生産ラインや就労の場での通常の生産活動と区別して、業務の遂行の過程の外で行う訓練です。自社の事務所で行う場合は、受講中に生産ラインに従事していないか、会議室など就労の場以外で行われているかを、労働局が審査で確かめることがあります(詳細版 p.18)。

自社が企画して主催する事業内訓練には講師の要件が、教育訓練機関が企画して主催する事業外訓練には教育訓練機関の要件があります。部外の講師を呼んだり社外の会場を使ったりしても、自社が企画し主催したものは事業内訓練に当たります。

内容で外れるもの|対象とならない10の実施目的

内容の面では、詳細版のp.28が、対象とならないOFF-JTの実施目的を10に分けて挙げています。職務に間接的に必要な知識、職業人として共通して必要なもの、趣味教養、通常の事業活動として行うもの、法令で事業主に実施が義務付けられているもの、などです。

AI研修で当たりやすいのは、通常の事業活動として挙がる「自社の業務で用いる機器・端末等の操作説明」です。p.13にも、デジタル機器で文章や数値の入力、書式の変更程度の初歩的な操作を行う内容のみの訓練と、既存のアプリやシステムを購入してその操作方法を習得する場合は、対象にならないと注記されています。

カリキュラムの一部に対象外の内容が含まれる場合は、その時間を実訓練時間数から除きます。10の実施目的の全件と例は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れの対象外の章に表で載せています。

コースごとの線引き|事業展開等リスキリング支援コースのDX・GXの類型と改正

研修の要件は、使うコースで加わります。AI研修で使われることの多い事業展開等リスキリング支援コースでは、OFF-JTで実訓練時間数が10時間以上であることに加えて、3つの類型の「いずれか」に当てはまる必要があります(詳細版 p.13「Ⅱ-1」)。

このコースは、令和4年~8年度の期間限定の制度です。令和9年度以降の扱いを含むコースごとの時限措置は、人材開発支援助成金の制度の全体像|コースの違いと選ぶ順番で扱っています。

AI研修が当たるのは、多くの場合②のDX・GXの類型です。①事業展開と③人事及び人材育成に関する計画の定義と限りは、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れで扱っています。

類型

詳細版の定義の要旨

付いている限り

② DX・GX

企業内のDX化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合に、これに関連する業務に従事させるうえで必要となる専門的な知識と技能を習得させる訓練

令和8年8月3日以降に提出する計画では、DX・GX化に関する訓練でも、職務に間接的に必要な訓練や、職業人に共通して必要な訓練は対象外(p.28・改正リーフレット)

②の限りは、令和8年8月3日の改正で加わりました。改正のリーフレットは、生成AIを活用して商品提案書の構成案作成などを学ぶ営業担当者向けの訓練を対象の例に、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練を対象外の例に挙げています。

改正には経過措置があり、計画届の提出が8月3日以降でも、事業外訓練で教育訓練機関との契約の締結か申込みが8月2日以前に行われている場合や、事業内訓練で訓練の実施に関連する契約・申込・発注等のいずれか1つ以上が8月2日以前に行われている場合は、改正前の支給要領が適用されます(詳細版 p.39)。経過措置の条件と、改正の3つの観点の詳しい中身は、上で挙げた同じ記事で扱っています。

型B・対比型。対象とならない訓練の表で、2つのコースの書き方の違いを左右に並べる。要素=左「人材育成支援コースのご案内の表(p.38)」=①職務に間接的に必要となる知識・技能/②職業人として共通して必要となるもの。DX・GX化についての注は無い/右「事業展開等リスキリング支援コースの表(詳細版 p.28)」=同じ①②に「①②は、令和8年8月3日以降に提出する計画では、DX・GX化に関する訓練であっても対象外」の注が付く。右側を青で強く、左側は淡い青。中央の区切りやラベルは置かない。下部に淡いグレーの帯「人材育成支援コースでDX訓練が対象になるという意味ではない。コースごとの詳細版で確かめる」。大きな番号は置かない。結論=対象とならない訓練の項目名は2つのコースで同じでも、令和8年8月3日以降のDX・GX化の注は事業展開等リスキリング支援コースの表にだけ付いています。

対象とならない訓練の項目名は2つのコースで同じでも、令和8年8月3日以降のDX・GX化の注は事業展開等リスキリング支援コースの表にだけ付いています。

この違いは、人材育成支援コースならDX関連の訓練が対象になる、という意味ではありません。コースの目的も、類型や訓練の区分も違うため、使うコースを決めてから、そのコースの詳細版と支給要領で研修を当てはめます。コースの選び方は、人材開発支援助成金の制度の全体像|コースの違いと選ぶ順番で扱っています。

研修が対象かどうかは、研修の題目ではなく、受講する社員の職務・除いたあとの時間・使うコースの線引きの3つを重ねて決まります。


AI研修で対象から外れやすい例|要素ごとに外れる範囲が違う

AI研修で対象から外れやすい例は、3つの要素のどれにも出てきます。ここでは、ここまでの要件から起こりうる例を、本記事の整理で要素ごとに並べ、外れる範囲を添えます。実際の可否は、申請ごとに労働局の審査で判断されます。

要素

外れやすい例

当たる要件

外れる範囲

会社

推進者の選任や事業内職業能力開発計画の周知を、計画届の後に回す

計画届を出す日までに済ませる(p.3)

申請の全体

会社

研修費の一部を受講する社員に負担させる

支給申請日までに訓練経費を全額負担する(p.3)

申請の全体

社員

研修の枠が空いたので、計画届の後に別の社員を足す

対象労働者一覧に記載のある被保険者(p.17)

足した人の分

社員

欠席が重なり、受講時間が実訓練時間数の8割に届かない

通学制・同時双方向型は8割以上(p.17)

届かなかった人の分

研修

冒頭にAIの概念や、自社で使うツールの画面操作の説明を厚く置く

機器・端末等の操作説明は対象外(p.28)。DXの概念を学ぶ訓練は、事業展開等リスキリング支援コースの改正リーフレットで対象外の例

その時間。除いて10時間を割れば研修の全体

研修

事業展開等リスキリング支援コースで、職務を問わない汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ

特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容として、改正リーフレットで対象外の例

その内容の時間

助成率と上限から、AI研修の負担がどう変わるかを逆算する手順は、AI研修に助成金を使うと負担はどう変わる?|助成率から逆算する手順で扱っています。

研修の中身は、受講者の顔ぶれと組み合わせて判断される

研修の例で見落とされやすいのは、同じカリキュラムでも、受講する社員の職務によって判断が変わる点です。職務関連訓練かどうかは、受ける労働者の職務で変わると詳細版のp.18が書いています。

事業展開等リスキリング支援コースの改正リーフレットも、同じ計算手順を学ぶ訓練が、その業務を担当する社員なら対象、人事や営業に従事する社員なら対象外になる例を挙げています。全社員に同じ研修を一律で受けさせる組み方は、研修の要素と社員の要素が重なる場所で外れやすくなります。

自社の題材は使ってよく、成果物を作ると時間ごと外れます(詳細版 p.28)。詳しくは事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れの対象外の章で扱っています。

AI研修で外れやすい例は研修の中身に集まりますが、範囲が広く落ちるのは会社の要件で外れた場合です。


対象になるかを確かめる手順|会社、社員、研修の順に回す

対象になるかを確かめるときは、外れたときの範囲が広い会社から、社員、研修の順に回します。研修の中身から入ると、カリキュラムを詰めたあとで会社の要件に気づき、計画届の段取りを組み直すことになるためです。

手順1|会社の要件を、計画届の日付から逆にたどる

最初に、研修を受けさせる事業所が雇用保険の適用事業所かを確かめます。次に、職業能力開発推進者を選任しているか、事業内職業能力開発計画を策定して社員に周知しているかを見ます。どちらも、計画届を出す日までに済ませる要件です。

あわせて、支給の対象にならない15の場合に当たらないかを、労働保険料の納付と、過去1年間の労働関係法令の違反から見ます。研修費を会社が全額負担する段取りも、この段階で決めておきます。

手順2|社員の名簿案を作り、1人ずつ3点を当てる

受講させる社員の名簿案を作り、1人ずつ、雇用保険の被保険者か、訓練の期間中も被保険者でいるかを確かめます。名簿は計画届の対象労働者一覧になるため、ここで載せなかった人は後から支給の対象に足せません。

通学制や同時双方向型の研修なら、研修の日程を名簿の社員の予定と重ね、実訓練時間数の8割以上に出られるかも見ます。

手順3|研修の時間割から、対象外の内容を除いて数える

研修会社のカリキュラムを時間割の単位で受け取り、AIの概念の説明や、自社で使うツールの操作説明に当たる時間を洗い出します。その時間を除いて、実訓練時間数が10時間以上残るかを数えます。

最後に、使うコースを決めて、そのコースの要件に研修を当てはめます。事業展開等リスキリング支援コースなら、3つの類型のどれに当たるか、受講する社員の職務と研修の内容が結びついているかを確かめます。

型A・全体像カード型。確かめる順番ごとに、手元に置く資料を2行2列の4枚のカードで示す。要素=カード「会社」=雇用保険の適用事業所であることが分かる書類・事業内職業能力開発計画・推進者の選任の記録/カード「社員」=受講させる社員の名簿案と雇用保険の加入状況・研修日程と社員の予定/カード「研修」=時間割の単位のカリキュラム・対象外の内容に当たる時間の一覧/カード「コース」=使うコースの詳細版と支給要領。「会社」のカードを青で強く、ほかの3枚は淡い青。大きな番号は置かない。結論=会社、社員、研修の順に、それぞれの資料を手元に置いて確かめると、外れる範囲の広いものから先につぶせます。

会社、社員、研修の順に、それぞれの資料を手元に置いて確かめると、外れる範囲の広いものから先につぶせます。

3つがそろったら、計画届を、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、管轄の労働局へ出します。申請前・訓練中・支給申請のときという時点ごとに、何を満たし続けるかの確かめ方は、人材開発支援助成金の要件チェック|申請前・訓練中・支給申請時の3段階で扱っています。

対象かどうかの確かめ方は、外れる範囲の広い会社から始め、社員の名簿、研修の時間割へと狭めていく順番です。

名簿案の人数と企業規模が決まったら、助成が通った場合の負担の目安を料金試算(助成金対応)で出せます。

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この記事で解けないこと|自社の可否・コースの当てはめ・審査の結果

この記事は、助成金の対象を判定する3つの要素と、確かめる順番までを扱います。次の3つは、この記事だけでは解けません。

自社が対象になるかの可否

自社の研修が対象になるかは、申請ごとに労働局の審査で判断されます。詳細版のp.18は、職務関連訓練かどうかを申請ごとに判断すると書いており、p.55は、この訓練を受ければ必ず助成金を受給できると厚生労働省や労働局が保証することもないと書いています。

自社の研修を、どのコースのどの区分に当てはめるか

この記事は、AI研修で使われることの多い事業展開等リスキリング支援コースを中心に、要件の骨格を書いています。人材育成支援コースや人への投資促進コースには、それぞれ別の区分と要件があり、当てはめは使うコースの詳細版と支給要領で確かめる必要があります。

計画届を出したあとの審査の結果

詳細版のp.40は、計画届を提出したことをもって助成金が確実に支給されるものではない、と書いています。審査は、訓練を実施したあとの支給申請を受けて行われます。


助成金の対象に関するよくある質問

Q. 受講者の中に対象外の社員が1人いたら、研修の全体が対象外になりますか

A. 社員の要件は1人ずつに当てるため、外れるのはその社員の分です。 被保険者でない人や、対象労働者一覧に載っていない人、8割の受講に届かない人は、その人の分が支給の対象から外れます。会社や研修の要件で外れた場合とは、外れる範囲が違います。

Q. カリキュラムに対象外の内容が混ざっていたら、研修ごと対象外ですか

A. 対象外の内容の時間を実訓練時間数から除き、残りが10時間以上あれば、研修は対象のままです。 除いたあとに10時間を割ると、研修の全体が外れます。研修を選ぶ段階で、時間割の単位で対象外に当たる時間を確かめておきます。

Q. 会社の規模で、助成金の対象から外れることはありますか

A. 大企業も対象に入ります。 中小企業か大企業かで主に変わるのは、助成率と1人あたりの上限額です。中小企業かどうかは、主たる事業ごとに資本金の額か常時雇用する労働者の数のどちらかで判断し、支給申請時点の内容で決まります。

Q. 計画届が受け付けられたら、助成金の対象と認められたことになりますか

A. 計画届の受付は、支給の決定ではありません。 厚生労働省の詳細版は、計画届を提出したことをもって助成金が確実に支給されるものではないと書いています。支給されるのは、訓練後の支給申請の審査で要件を満たしたと判断された場合です。


助成金の対象を判定する3つの要素|総括表

要素

主な要件

外れたときに落ちる範囲

確かめる資料

会社

雇用保険の適用事業所の事業主。推進者の選任と事業内職業能力開発計画を計画届の日までに。支給の対象にならない15の場合に当たらない

申請の全体

詳細版 p.3・p.7・p.17

社員

被保険者で、訓練期間中も被保険者。対象労働者一覧に記載。受講の記録が受け方ごとの条件に届く

その社員の分

詳細版 p.17

研修

職務関連訓練。対象外の内容を除いて10時間以上(eラーニング等は別の数え方)。OFF-JTなど。コースごとの類型と線引き

対象外の内容の時間。除いて10時間を割れば研修の全体

詳細版 p.13・p.18・p.28

会社・社員・研修で外れる範囲の分け方は、詳細版の要件をもとにした本記事の整理です。支給の可否は審査で決まり、この表は対象かどうかを確かめる順番の目安です。



まとめ|助成金の対象は何で決まるのか

落ちる範囲の広い順に、会社・社員・研修を確かめれば、計画届の前に手戻りの元をつぶせます。

自社の研修が助成金の対象になるかを確かめるなら、次の3つから始められます。

  1. 今日:外れると申請の全体が落ちる3点として、事業所が雇用保険の適用事業所か、推進者を選任しているか、事業内職業能力開発計画を策定・周知しているかを確かめる
  2. 今週中:受講させる社員の名簿案を作り、外れたらその人の分が落ちる3点として、1人ずつ被保険者か、対象労働者一覧に載せるか、研修の日程に8割以上出られるかを当てる
  3. 今週中:研修会社の時間割から対象外の内容の時間を除き、10時間に対して何時間の余裕があるかを数える。10時間を割ると研修の全体が落ちる

御社の研修の名簿に載せる社員1人ずつについて、その人の職務と研修の内容がどう結びつくかを、1行で説明できますか。

  • 人材開発支援助成金では、会社・社員・研修の3つがそれぞれ要件を満たした分だけが、支給の候補になります。支給されるのは、審査で要件を満たしたと判断された場合です
  • 本記事の整理では、外れたときに落ちる範囲は、会社なら申請の全体、社員ならその人の分、研修なら対象外の内容の時間です。対象外の時間を除いた実訓練時間数が10時間を割ると、その研修の全体が外れます
  • AI研修で外れやすいのは研修の中身です。事業展開等リスキリング支援コースでは、令和8年8月3日以降に提出する計画から、DX・GX化に関する訓練であっても、職務に間接的に必要な訓練や、職業人に共通して必要な訓練は対象外です

名簿案の人数と企業規模から、助成が通った場合の負担の目安を出すなら、料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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研修の中身と進め方をまとめた研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読むもご利用いただけます。

研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読む


出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf (2026年10月19日参照)。チェックリスト付きフローチャート(p.3)、支給の対象とならない場合(p.7)、3つの類型と時間の注(p.13)、支給対象事業主と対象となる労働者(p.17)、職務関連訓練とOFF-JT(p.18)、申請手続き業務と社会保険労務士法(p.21)、対象とならないOFF-JT(p.28)、経過措置(p.39)、計画届と支給の関係(p.40)、受給の保証についての注意(p.55)による
  • 厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf (2026年10月19日参照)。生成AIの対象例・対象外例、対象労働者の選定の観点、受講回数の上限による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年10月19日参照)。支給の対象とならない場合の適用事業所の時点の括弧書き(p.7)、中小企業事業主の範囲(p.13)、対象とならないOFF-JTの表(p.38)による
  • 会社・社員・研修の3つの分け方、外れる範囲の整理、AI研修で外れやすい例は、本記事の整理です
  • 当社の研修料金に申請代行の費用を含めていないことは、当社の自社情報です
  • 要件は制度改正で変わります。本記事は2026年10月19日時点で確認した内容で、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局でご確認ください

この記事について

本記事は、法人向けにClaude Codeの研修を提供するDAIJOBUが、助成金の対象を判定する会社・社員・研修の3つの要素を、厚生労働省の一次資料に沿って整理したものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月23日

最終更新日

2026年10月23日

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