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人材開発支援助成金の制度の全体像|コースの違いと選ぶ順番

人材開発支援助成金の制度の全体像|コースの違いと選ぶ順番

社内で研修費に助成金を使う案を出す前に人材開発支援助成金の制度をつかみたいなら、7つのコースを1つずつ読む前に、どのコースにも共通する前提と手続きの流れを先に押さえると、資料の読み違いが減ります。

コースごとに違うのは主に対象になる訓練の目的と、訓練メニュー・率・上限です。会社が業務として受けさせる訓練なら、訓練の前に計画届を出し、訓練のあとに支給申請をして審査を受けるという骨格は、コースが違っても同じです。

この記事の要点は3つ

  1. 人材開発支援助成金の制度は、厚生労働省の一覧で7つのコースに分かれ、社員研修に使う主なコースは、その中がさらに訓練メニューに分かれています。本記事では、コース・訓練メニュー・助成の形の3層に分けて読みます
  2. 主なコースに共通する土台は、職業能力開発推進者と事業内職業能力開発計画の前提、計画届から支給申請までの流れ、支給しない場合の決まりの3つです。審査は支給申請のあとに一括で行われ、計画届を出しただけでは支給は決まりません
  3. コースは研修の目的で選び、受講者と受け方で訓練メニューを決め、率と上限はそのあとに当てはめると、要件を満たした場合の助成額を読み違えにくくなります。令和8年度は、4月8日の中高年齢者実習型訓練の新設に加え、5月14日・8月3日にも改正が入っています

コースの見当がついた段階で、企業規模と人数から助成が通った場合の負担の目安を見ておきたい方は、料金試算(助成金対応)からご確認いただけます。

料金を試算する(助成金対応) ▶

AI研修で主に事業展開等リスキリング支援コースを案内している研修会社の側から、制度の骨組みを厚生労働省の令和8年度の資料で確かめた範囲で書きます。各コースの細かな要件と、申請書類の書き方は扱いません。

AI研修でどのコースに当たるかを判定表で引く手順は、人材開発支援助成金とは|AI研修で使えるコースの選び方で扱っています。この記事は、コースの手前にある制度の組み立てを地図にし、コースを選ぶ順番を示します。

この記事でわかること

  • 人材開発支援助成金の制度の定義と、財源から決まる受給の前提
  • 7つのコースが、一覧ページ・パンフレット・助成額の表でどう見え方を変えるか
  • 主なコースに共通する前提・手続きの流れ・支給しない場合の決まり
  • 経費助成・賃金助成・定額の助成が、コースとメニューでどう組み合わさるか
  • 令和8年度の改正が、制度のどの層に入ったか
  • 制度の層を上から降りて、コースを選ぶ順番

人材開発支援助成金の制度とは|コース・訓練メニュー・助成の形の3層でできている

人材開発支援助成金は、厚生労働省が所管する雇用関係の助成金です。詳細版パンフレットは、事業主等が雇用する労働者に、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度と説明しています(人材育成支援コース詳細版 p.2)。

この定義のうち、制度の性格を決めているのは「計画に沿って」の部分です。研修を受けたあとに領収書を出して戻る仕組みではなく、訓練の前に出した計画と、実際に行った訓練が突き合わされます。

雇用保険料で運営されているから、受給の前提が決まっている

同じパンフレットは、本助成金が雇用保険料で運営されているため、受給資格が定められていると書いています(同 p.7)。申請する会社が雇用保険適用事業所の事業主であること、受講する人がその事業所の雇用保険被保険者であることが、どのコースでも前提に置かれているのはこのためです(同 p.3)。

パンフレットは、国の助成金制度なので受給した事業主は国の会計検査の対象となることがあると書いており、関係書類は支給決定後5年間保管する必要があります(同 p.8)。パンフレットは、この助成金が予算の範囲内で支給されるものであること、年度の途中で制度が変わる場合があることも注意書きに入れています(同 p.10)。

ファクトボックス|人材開発支援助成金の制度(令和8年度)

項目

内容

所管・窓口

厚生労働省。窓口は都道府県労働局・ハローワーク

コースの数

7コース(厚生労働省の一覧ページ)

財源

雇用保険料で運営されていると、パンフレットに記載

共通の前提

雇用保険適用事業所の事業主・受講者が雇用保険被保険者・職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定と周知(推進者と計画は有期実習型訓練を除く)

手続きの骨格

計画届 → 訓練の実施 → 支給申請 → 支給・不支給の決定。審査は支給申請後に一括

期間限定のコース

人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度末までの時限措置

根拠資料

厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練が対象 ほか

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

参照日

2026年10月15日

免責

支給の可否は審査で決まります。要件と金額は年度の途中でも変わるため、最新の内容は管轄の労働局でご確認ください

制度は3つの層で読む

人材開発支援助成金の資料が読みにくいのは、名前の違う区分が入れ子になっているためです。本記事では、上から「コース」「訓練メニュー」「助成の形」の3層に分け、その下にどのコースでも変わらない土台がある、と整理して読みます。

型C・帯構造型。人材開発支援助成金の制度を、上から3段の帯と、いちばん下の土台の帯で示す。要素=1段目「コース」=何の目的の訓練に出るか。7つのコースがここに並ぶ/2段目「訓練メニュー」=誰が、どう受けるか。人材育成訓練・中高年齢者実習型訓練・定額制訓練などがここに並ぶ/3段目「助成の形」=何に、どれだけ出るか。経費助成・賃金助成・OJT実施助成・定額の助成・加算ほかがここに並ぶ/土台の帯「共通の土台」=前提・計画届から支給申請までの流れ・支給しない場合の決まり。各段の左に白抜きラベル、右に説明枠。1段目を青で強く、2〜3段目は淡い青、土台の帯は淡いグレー。大きな番号は置かない。結論=人材開発支援助成金の制度は、コース・訓練メニュー・助成の形の3層と、その下にある共通の土台で読むと、資料のどこを読んでいるかが分かります。

人材開発支援助成金の制度は、コース・訓練メニュー・助成の形の3層と、その下にある共通の土台で読むと、資料のどこを読んでいるかが分かります。

3層の分け方は本記事の整理で、厚生労働省の公式の分類ではありません。パンフレットの言葉では、2段目は「訓練」や「助成メニュー」、3段目は「助成額・助成率」の表の列にあたります。


人材開発支援助成金の7つのコース|一覧ページ・パンフレット・助成額の表で見える数が違う

人材開発支援助成金のコースの数は、どの資料を開くかで違って見えます。厚生労働省の一覧ページは「人材開発支援助成金には以下の7コースがあります」と書き、次の順でコースを並べています。

  1. 人材育成支援コース
  2. 教育訓練休暇等付与コース
  3. 人への投資促進コース
  4. 事業展開等リスキリング支援コース
  5. 建設労働者認定訓練コース
  6. 建設労働者技能実習コース
  7. 障害者職業能力開発コース

資料ごとに、載っているコースの範囲が違う

一覧ページの7コースのうち、人材育成支援コースの詳細版パンフレットの表紙には、障害者職業能力開発コースを除く6コースの欄があります。障害者職業能力開発コースは、令和6年4月から独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給業務を行う助成金へ移管すると、一覧ページで案内されています。

パンフレットの「助成メニュー」と「助成額・助成率」の表に載るのは、さらに絞られた4コースです(人材育成支援コース詳細版 p.2)。建設業向けの2コースは、一覧ページから別の案内へ送られる形になっています。

開く資料

載っているコース

読む場面

厚生労働省の一覧ページ

7コース

制度の全体の範囲を確かめる

詳細版パンフレットの表紙

障害者職業能力開発コースを除く6コース

手元の冊子がどのコースの冊子かを見分ける

パンフレットの助成額・助成率の表

人材育成支援・教育訓練休暇等付与・人への投資促進・事業展開等リスキリング支援の4コース

社員研修で使う主なコースの率と額を比べる

人材開発支援助成金のコースの数は、開く資料で7・6・4と変わります。 建設業でも障害者の能力開発施設の運営でもない会社なら、社員研修で読み比べるのは助成額・助成率の表に載る4コースで足ります。

社員研修で使う4コースが受け持つ訓練

4コースが何の訓練に出るかは、パンフレットの「助成メニュー」に1行ずつ書かれています(同 p.2)。

  • 人材育成支援コース:10時間以上のOFF-JTや、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練。有期契約労働者等の正社員転換や、中高年齢者の実践的なスキル習得のための訓練も含む
  • 教育訓練休暇等付与コース:有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上)を導入し、労働者が休暇を取って訓練を受けた場合
  • 人への投資促進コース:高度デジタル人材や大学院での訓練、IT分野未経験者の即戦力化、サブスクリプション型の研修サービス、労働者の自発的な訓練、長期教育訓練休暇等の制度
  • 事業展開等リスキリング支援コース:事業展開、DX・GX化、企業内の人事・人材育成の計画に基づき今後就く予定の職務に関するOFF-JT

同じ表には、人への投資促進コースが令和4年4月から、事業展開等リスキリング支援コースが令和4年12月からと記され、どちらにも令和8年度末までの時限措置という注が付いています(同 p.2)。

検索結果の側には、今の4コースになる前の名前が残っています。2026年10月3日に「人材開発支援助成金 制度」で取得した検索上位20件のうち、統合前の特定訓練コース・一般訓練コースの名前を見出しに使うページが4件、タイトルに2025年以前の年・年度か令和7年度以前の改正日を書いたページが6件ありました。コースの名前と年度は、検索で見つけたページではなく、厚生労働省の一覧ページで確かめます。


主なコースに共通する土台|前提・手続きの流れ・支給しない場合

人材開発支援助成金の制度で、コースが変わっても変わらない部分は、受給の前提・手続きの流れ・支給しない場合の決まりの3つです。この土台を先に押さえておくと、コースごとのパンフレットでは違う部分だけを読めば足ります。

前提|職業能力開発推進者と事業内職業能力開発計画

パンフレットのフローチャートは、どのコース・メニューを使う場合でも、冒頭に4つの前提を置いています(人材育成支援コース詳細版 p.3)。雇用保険の2つの前提に続く残りの2つが、職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の策定・周知です。4つを並べた全体の判定は人材開発支援助成金とは|AI研修で使えるコースの選び方で扱っているため、ここでは2つの性格だけを見ます。

推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定は、職業能力開発促進法で事業主の努力義務とされています。人材開発支援助成金は、選任と策定・周知をしている事業主を対象にしており、職業訓練実施計画届を出すまでに済ませる必要があります(同 p.4)。人材育成支援コースの有期実習型訓練は、この2つの要件の対象から除かれています。

推進者は事業所ごとに1名以上選びます。常時雇用する労働者が100人以下の事業所で適任者がいない場合などは、本社の推進者と兼ねられます(同 p.5)。

手続きの流れ|計画届から支給・不支給の決定まで

業務として受けさせる訓練の手続きは、どのメニューでも4つの段階で進みます(同 p.45)。段階ごとの期限と書類の一覧は、前の節で挙げた記事で扱っています。

型D・フロー型。業務として受けさせる訓練の手続きを、左から右へ4つの箱で示し、最初の期限を強調する。要素=左端の前段の帯「推進者の選任・事業内職業能力開発計画の策定と周知」→箱1「計画届の提出」(箱の下に大きめの文字で「訓練開始日の6か月前から1か月前まで」)→箱2「訓練の実施」(下に「費用は支給申請までに支払い終える」)→箱3「支給申請」(下に「訓練終了日の翌日から2か月以内」)→箱4「支給・不支給の決定」。箱1を青で強く、箱2〜4は白地に青枠、前段の帯は淡いグレー。大きな番号は置かない。結論=人材開発支援助成金の手続きの最初の期限は、計画届を出す訓練開始日の6か月前から1か月前までの間です。

人材開発支援助成金の手続きの最初の期限は、計画届を出す訓練開始日の6か月前から1か月前までの間です。

パンフレットは、令和7年度以降は書類の削減・整理・統合に伴って審査を支給申請後に一括して行い、計画届を提出したことをもって助成金が確実に支給されるものではないと書いています(同 p.45)。計画届は原則として訓練ごとに、雇用保険適用事業所が複数ある会社は事業所ごとに作ります(同 p.47)。

骨格は同じでも、前段に足す手続きはメニューで違います。認定実習併用職業訓練は、訓練開始日の30日前までに厚生労働大臣の認定の申請が要り、有期実習型訓練と中高年齢者実習型訓練は、キャリアコンサルタント等による面接で訓練への参加が必要と認められることが前提です(同 p.45〜46)。

休暇制度を導入する教育訓練休暇等付与コースは、職業訓練実施計画届ではなく「制度導入・適用計画届」を、制度導入・適用計画期間の初日の6か月前から1か月前までに出す流れです(教育訓練休暇等付与コース詳細版 p.11)。書類と期限の確認でつまずく点は、AI研修の助成金申請で対象外になる5つの原因|書類と期限の確認表にまとめています。

支給しない場合の決まり|不正受給・労働保険料・審査への協力

パンフレットは、コースの要件とは別に、支給の対象にならない事業主を15項目で挙げています(同 p.7)。主なものは次のとおりです。

  • 不正受給をしてから5年以内に支給申請をした事業主
  • 前年度より前の労働保険料を納めていない事業主(支給申請の翌日から2か月以内に納めた場合を除く)
  • 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を行った事業主
  • 労働局の補正の求めに応じない、審査に必要な書類を出さない、関係書類を整備・保管していない事業主

一度出した書類は、事業主の都合で差し替えや訂正ができません(同 p.8)。令和8年8月3日以降の支給申請には、不正が認められて自主申告をしていない事業主を、支給決定の前でも原則として公表の対象にする特例が当てはめられます。支給申請額の合計が100万円未満の場合などは除かれます(同 p.9)。

支給・不支給の決定や支給決定の取消しは、行政不服審査法上の不服申立ての対象になりません(同 p.10)。同じ経費・賃金・訓練の実施に別の助成金や補助金を申請すると、どちらか一方しか支給されない場合がある併給調整も、この土台の側の決まりです。

主なコースに共通する土台は、計画届の前にそろえる前提と、支給申請のあとに一括で受ける審査の2つで挟まれています。 コースを選ぶ前に、この2つに会社として対応できるかを確かめます。


助成の形|経費助成と賃金助成は、コースと訓練メニューで組み合わせが変わる

人材開発支援助成金の助成の形は、主に、訓練にかかった経費に出る経費助成、訓練を受けている時間の賃金に出る賃金助成、OJTや制度の導入に出る定額の助成に分かれます。ほかに、事業展開等リスキリング支援コースの設備投資加算と、人への投資促進コース(長期教育訓練休暇制度)の新規採用助成・職務代行助成があります(人材育成支援コース詳細版 p.2)。どの形が付くかは、コースと訓練メニューの組み合わせで決まります。

型A・全体像カード型。経費助成と賃金助成を2枚のカードで並べ、それぞれが何に対して出るかを示す。要素=カード「経費助成」=受講料など訓練にかかった経費に出る/経費に率を掛け、1人1訓練あたりの上限がある/eラーニング・通信制・定額制の訓練でも付く。カード「賃金助成」=所定労働時間内に受けた訓練の時間に出る/1人1時間あたりの額で出る/eラーニング・通信制・定額制・自発的な訓練では付かない。2枚とも同じ強さの青枠で、上部に共通の帯「どちらが付くかはコースと訓練メニューで決まる」。中央の区切りは置かない。大きな番号は置かない。結論=経費助成は訓練の経費に、賃金助成は所定労働時間内の受講時間に出るため、受け方を決めると付く助成の形も決まります。

経費助成は訓練の経費に、賃金助成は所定労働時間内の受講時間に出るため、受け方を決めると付く助成の形も決まります。

4コースで並べると、組み合わせの違いがはっきりします(人材育成支援コース詳細版 p.2)。人材育成支援コースは経費助成と賃金助成が基本で、OJTを組み合わせる訓練にはOJT実施助成の定額が加わります。教育訓練休暇等付与コースは、研修費ではなく休暇制度の導入に定額が出るコースです。

人への投資促進コースは、メニューによって経費助成・賃金助成・OJT実施助成・制度導入の定額が入れ替わり、定額制訓練と自発的職業能力開発訓練には賃金助成がありません。事業展開等リスキリング支援コースは経費助成と賃金助成に、令和8年4月8日から、中小企業で賃金要件等を満たすなどの要件にかなう事業主に、設備投資加算(導入費用の50%・上限あり)が加わりました(設備投資加算の改正リーフレット)。

多くの訓練メニューでは、訓練のあとに受講者の賃金を5%以上上げた場合などに、賃金要件等を満たすとして率や額が加算されます(同 p.2 注6)。企業規模は支給申請時のもので判定されます(同 p.10)。経費助成と賃金助成を別々に出して足す計算の手順は、人材開発支援助成金はいくらもらえる?|経費助成と賃金助成の計算方法で扱っています。

助成の形と率を当てはめたあとの、企業規模と受講人数ごとの負担の目安は、料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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令和8年度の人材開発支援助成金|改正は制度のどの層に入ったか

人材開発支援助成金の令和8年度の改正は、年度の初めに1回で終わったものではありません。厚生労働省の一覧ページのお知らせ欄には、令和8年4月8日・5月14日・8月3日の改正が並んでいます。

改正を3つの層と土台に振り分ける

主な改正を、本記事の3層と共通の土台に振り分けると、次のようになります。

層

主な改正

日付

コース

事業展開等リスキリング支援コースのDX化・GX化に関する訓練でも、職務に間接的に必要な内容や、職業人として共通して必要な内容の訓練が対象外に

令和8年8月3日

訓練メニュー

人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練を新設

令和8年4月8日

助成の形

事業展開等リスキリング支援コースのeラーニングと通信制による訓練の経費助成の上限を、中小企業15万円・大企業10万円に一律化(コース共通の改正リーフレット)。設備投資加算(同コース・中小企業)と、人への投資促進コース(長期教育訓練休暇制度)の新規採用助成・職務代行助成を追加

令和8年4月8日

共通の土台

受講料等の価格設定に関する疎明書の提出、不正受給の公表の特例

令和8年5月14日・8月3日

表の振り分けは本記事の整理で、改正の主なものだけを抜き出しています。改正ごとに、新旧どちらの決まりが当たるかを分ける日付が違うため、自社の研修に当たるかは人材開発支援助成金の令和8年度|前年度からの変更点と確認先で確かめてください。

中高年齢者実習型訓練|令和8年4月に加わった4つ目の訓練

人材育成支援コースは、令和8年4月8日の改正で、それまでの3つの訓練メニューに中高年齢者実習型訓練が加わり、4つの訓練になりました。訓練開始日に45歳以上の被保険者を対象に、OJTとOFF-JTを組み合わせて2か月以上行う訓練で、研修だけを数日受けさせる形とは違います(改正リーフレット、人材育成支援コース詳細版 p.23〜24)。4つの訓練の要件の違いは、人材育成支援コースとは|AI研修で使う条件と4つの訓練で扱っています。

時限措置の2コースと、令和9年度以降

人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度末までの時限措置です(人材育成支援コース詳細版 p.2 注7)。2026年10月15日時点で確かめた資料には、令和9年度以降にこの2コースがどうなるかは書かれていません。

型C・帯構造型。社員研修で使う4コースを上から4段の帯で並べ、始まった時期と時限措置の有無を示す。要素=1段目「人材育成支援コース」=時限措置の注なし/2段目「教育訓練休暇等付与コース」=時限措置の注なし/3段目「人への投資促進コース」=令和4年4月から。令和8年度末までの時限措置/4段目「事業展開等リスキリング支援コース」=令和4年12月から。令和8年度末までの時限措置。各段の左に白抜きラベル、右に説明枠。3段目と4段目を青で強く、1〜2段目は淡い青。右端の帯の終わりに小さく「令和9年度以降は資料に記載なし」。大きな番号は置かない。結論=社員研修で使う4コースのうち、人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースの2つは、令和8年度末までの時限措置です。

社員研修で使う4コースのうち、人への投資促進コースと事業展開等リスキリング支援コースの2つは、令和8年度末までの時限措置です。

当社も、研修の料金と助成金をまとめた社内資料を、助成金の制度改正を更新のきっかけの1つにして直しています。8月3日の改正のあとは、カリキュラムと営業資料の表記を見直す案を作り、対象になるかを「業務に直結する内容なら対象になり得る」という条件の形で書くことにしました。


人材開発支援助成金の制度でコースを選ぶ順番|層を上から降りる

人材開発支援助成金のコースは、率の高いものから探すより、制度の層を上から降りるほうが早く決まります。本記事では、共通の土台を確かめたうえで、研修の目的、受講者と受け方、率と上限の3つの順に決めます。研修の形から行き先を1行ずつ引く判定表は人材開発支援助成金とは|AI研修で使えるコースの選び方にあり、この記事はその表を引く前に、どの層をどの順で決めるかを示します。

型D・フロー型。人材開発支援助成金でコースを選ぶ順番を、上から下へ4段で示す。要素=最上段の帯「確かめる|共通の土台」=推進者・事業内職業能力開発計画・計画届の期限に間に合うか→1段目「決める|研修の目的」=事業展開やDX化に伴う訓練か、今の職務に関連する訓練か、高度デジタル人材・大学院・定額制の研修サービスか→行き先のコースが決まる→2段目「決める|受講者と受け方」=年齢・雇用形態、OFF-JTだけかOJTを組むか、集合かeラーニングか→訓練メニューと付く助成の形が決まる→3段目「最後に見る|率と上限」=企業規模・1人1訓練の上限・1事業所1年度の限度額→助成額の見込みが決まる。1段目を青で強く、2〜3段目は白地に青枠、最上段の帯は淡いグレー。大きな番号は置かない。結論=コースは研修の目的で決め、受講者と受け方でメニューを決め、率と上限は最後に見ます。

コースは研修の目的で決め、受講者と受け方でメニューを決め、率と上限は最後に見ます。

順番1|研修の目的でコースを決める

最初に決めるのは、その研修が何のための訓練かです。事業展開やDX化に伴って新しく必要になる知識・技能なら事業展開等リスキリング支援コース、今の職務に関連した知識・技能なら人材育成支援コースが候補になります。高度デジタル人材の育成、大学院での訓練、定額制(サブスクリプション型)の研修サービスなら、人への投資促進コースが候補です(同 p.3)。

会社が業務として受けさせる研修か、社員が自分で選んだ講座を会社が支えるかでも、行き先は分かれます。後者は、教育訓練休暇等付与コースや人への投資促進コースの自発的職業能力開発訓練の側です(同 p.3)。研修内容から1つのコースに絞る質問は、人材開発の助成金はどのコース?|研修内容から1つに絞る3つの質問で扱っています。

順番2|受講者と受け方で訓練メニューを決める

コースが決まったら、受講者と受け方で訓練メニューが決まります。人材育成支援コースなら、OFF-JTだけの研修は人材育成訓練、45歳以上の社員にOJTを2か月以上組み合わせるなら中高年齢者実習型訓練、というように分かれます。

受け方は、付く助成の形も決めます。人材育成支援コースでは、eラーニングと通信制による訓練は経費助成のみで、賃金助成は対象外です(人材育成支援コース詳細版 p.14)。受講者が雇用保険の被保険者に当たるか、パートや役員をどう扱うかは、人材開発支援助成金の対象者は?|受講できる社員と外れる5つのケースで確かめてください。

順番3|率と上限を当てはめる

率と上限は、コースとメニューが決まってから見ます。同じコースの中でも、率はメニューと企業規模で変わり、経費助成には1人1訓練あたりの上限と、1事業所1年度あたりの限度額があります。

率の高い行から読み始めると、入口の条件が自社の研修に合わないメニューを候補に残しがちです。率と上限を比べるのは、研修の目的と受講者でコースとメニューが決まったあとです。 要件を満たした場合の助成額は、その順で絞ってから計算します。

AI研修の場合は、順番1で事業展開等リスキリング支援コースに当たるかを先に確かめます。このコースのDX化・GX化に関する訓練では、8月3日以降に提出する計画届から、生成AIの汎用的なプロンプトの作り方のように、特定の業務への具体的な適用を伴わない内容が対象外の例に挙がっています(経過措置あり。事業展開等リスキリング支援コース改正リーフレット)。


この記事で解けないこと|個別の判定・令和9年度以降・対象の限られる3コース

人材開発支援助成金の制度について、この記事で答えを出さないことは次の3つです。

自社の研修がどのコースに当たるかの判定

コースとメニューの当てはめは、研修のカリキュラムと受講者の職務で変わり、最終的には支給申請のあとの審査で決まります。カリキュラムと受講者の一覧を持って、計画届を出す前に管轄の労働局へ相談してください。

令和9年度以降の制度

時限措置の2コースが令和9年度以降にどうなるかは、2026年10月15日時点で確かめた資料に書かれていません。この記事では、翌年度以降の扱いを推測で書きません。

対象が建設業と障害者の能力開発施設に限られる3コース

建設労働者認定訓練コース・建設労働者技能実習コース・障害者職業能力開発コースは、一覧ページから別の案内へ送られる形で、この記事ではコースの名前と概要までにとどめます。建設事業主の方と、障害者の能力開発施設を運営する事業主の方は、それぞれの案内をご確認ください。


人材開発支援助成金の制度に関するよくある質問

Q. 人材開発支援助成金の制度は、何を財源に運営されていますか

A. 詳細版パンフレットは、本助成金が雇用保険料で運営されていると書いています。 そのため、申請する会社が雇用保険適用事業所の事業主であることと、受講者が雇用保険被保険者であることが、どのコースでも前提になります。予算の範囲内で支給されるものとも書かれています。

Q. コースの数が、資料によって7つだったり4つだったりするのはなぜですか

A. 資料ごとに、載せているコースの範囲が違うためです。 厚生労働省の一覧ページは7コース、人材育成支援コースの詳細版パンフレットの表紙は障害者職業能力開発コースを除く6コース、助成額・助成率の表は社員研修で使う主な4コースを載せています。

Q. 支給・不支給の決定に納得できないとき、不服申立てはできますか

A. パンフレットは、支給・不支給の決定や支給決定の取消しは、行政不服審査法上の不服申立ての対象にならないと書いています。 審査は支給申請のあとに一括で行われ、一度出した書類は事業主の都合で差し替えられません。計画届を出す前に、管轄の労働局に相談しておくと安全です。


人材開発支援助成金の制度|総括表

層・土台

決まること

押さえるところ

コース

何の目的の訓練に出るか

一覧ページは7コース。社員研修で使う主なものは4コース。2コースは令和8年度末までの時限措置

訓練メニュー

誰が、どう受けるか

人材育成支援コースは令和8年4月8日から4つの訓練。人への投資促進コースは訓練と制度のメニューに分かれる

助成の形

何に、どれだけ出るか

主に経費助成・賃金助成・OJT実施助成・定額の助成。ほかに設備投資加算・新規採用助成・職務代行助成。受け方で賃金助成の有無が変わる

共通の土台

コースが変わっても変わらない決まり

推進者と事業内職業能力開発計画(有期実習型訓練を除く)、計画届から支給申請までの流れ、支給しない場合の決まり。審査は支給申請後に一括

3層と共通の土台の分け方は本記事の整理で、厚生労働省の公式の分類ではありません。



まとめ|人材開発支援助成金の制度はどう組み立てられ、どの順でコースを選ぶか

人材開発支援助成金の制度は、コース・訓練メニュー・助成の形の3層と、その下にある共通の土台でできています。コースは研修の目的から、訓練メニューは受講者と受け方から決まり、助成額はそのあとに計算します。

助成金を使う研修を社内で検討しているなら、次の3つから始められます。

  1. 今日:厚生労働省の一覧ページを開き、自社の研修で読むコースを、助成額・助成率の表に載る4コースから選ぶ
  2. 今週中:職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の策定・周知が済んでいるかを、人事の担当と確かめる
  3. 今週中:検討中の研修の開始日から6か月前と1か月前の日付を書き出し、計画届を出せる期間を確かめる

最後に、社内で自分に問える1問を置きます。御社の次の研修について、何のための訓練かを1行で書き、そこから行き先のコースを1つ挙げられますか。

  • 人材開発支援助成金の制度は、厚生労働省の一覧で7つのコースに分かれ、社員研修に使う主なコースは、その中がさらに訓練メニューに分かれています。本記事では、コース・訓練メニュー・助成の形の3層に分けて読みます
  • 主なコースに共通する土台は、職業能力開発推進者と事業内職業能力開発計画の前提、計画届から支給申請までの流れ、支給しない場合の決まりの3つです。審査は支給申請のあとに一括で行われ、計画届を出しただけでは支給は決まりません
  • コースは研修の目的で選び、受講者と受け方で訓練メニューを決め、率と上限はそのあとに当てはめると、要件を満たした場合の助成額を読み違えにくくなります。令和8年度は、4月8日の中高年齢者実習型訓練の新設に加え、5月14日・8月3日にも改正が入っています

行き先のコースが見えたら、企業規模と受講人数で負担の見込みを料金試算(助成金対応)から出してみてください。

料金を試算する(助成金対応) ▶

社内の検討材料として回すなら、研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読むもご利用いただけます。

研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読む


出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html (2026年10月15日参照)。7コースの一覧と並び順、建設業向けの2コースと障害者職業能力開発コースの案内先、障害者職業能力開発コースの支給業務の移管、お知らせ欄の改正の掲載日による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練が対象 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年10月15日参照)。表紙のコースの欄、制度の定義と助成メニュー・助成額・助成率の表と注(p.2)、フローチャートの前提と行き先(p.3)、職業能力開発推進者と事業内職業能力開発計画(p.4〜5)、支給の対象とならない事業主と雇用保険料による運営(p.7)、書類の差し替え・会計検査・書類の保管(p.8)、公表の特例(p.9)、予算の範囲内での支給・不服申立て・併給調整・企業規模の判定時点・年度途中の変更(p.10)、中高年齢者実習型訓練の要件(p.23〜24)、eラーニング・通信制による訓練は経費助成のみであること(p.14)、手続きの流れと審査の一括化(p.45〜46)、計画届の作成単位と提出方法(p.47)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース(長期教育訓練休暇等制度))のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731970.pdf (2026年10月15日参照)。制度導入・適用計画届の提出期間(p.11)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)改正 中高年齢者実習型訓練を新設しました」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001688194.pdf (2026年10月15日参照)。新設、対象労働者、要件、活用例による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正 設備投資加算を新設しました」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001687557.pdf (2026年10月15日参照)。設備投資加算の事業主の要件(中小企業・賃金要件等)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(コース共通)改正 令和8年4月8日からの変更点について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001687558.pdf (2026年10月15日参照)。eラーニングと通信制による訓練の経費助成の上限の見直しによる
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正 令和8年8月3日からの変更点について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf (2026年10月15日参照)。対象とならない訓練と、生成AIの訓練の対象外の例による
  • 検索結果の観察は、2026年10月3日に「人材開発支援助成金 制度」で取得した検索上位20件のものです
  • コース・訓練メニュー・助成の形の3層と共通の土台の分け方、改正の層への振り分け、コースを選ぶ順番は、本記事の整理です。公式の分類ではありません
  • 主に案内している制度、社内資料の更新のきっかけ、8月3日の改正後の表記の見直しは、当社の自社情報です
  • 本記事は2026年10月15日時点で確認した内容にもとづくもので、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局でご確認ください

この記事について

本記事は、法人向けにClaude Codeの研修を提供するDAIJOBUが、人材開発支援助成金の制度の組み立てと、コースを選ぶ順番を、厚生労働省の令和8年度の資料に沿って整理したものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月18日

最終更新日

2026年10月18日

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