手元に社員研修の候補があり、人材開発の助成金で負担を下げたいとき、使うコースは研修で身につけること・受講者・受け方の3つで1つに絞れます。

人材開発支援助成金で研修費に主に使うコースは3つあり、率の高い順に探すと、受講者や受け方の要件で外れるコースを選びやすくなります。

この記事の要点は3つ

  1. 人材開発の助成金は主に人材開発支援助成金を指し、研修1本ごとにコースを1つ決めて計画届を出して使います。同じ訓練・経費・賃金に複数の助成制度を重ねると、併給できない場合があります
  2. コースは「研修で身につけること→受講者→受け方」の3つの質問で絞れます。新しい業務やDX化のための研修なら事業展開等リスキリング支援コース、今の職務を深める研修なら人材育成支援コースが候補で、後者は受講者が正社員かどうかで経費助成の割合が分かれます
  3. 受け方でも、経費助成の上限と賃金助成の有無が変わります。3つの質問は自社の候補を1つに絞る道具で、対象になるかは労働局の審査で決まります
型D・フロー型。人材開発の助成金のコースを、3つの質問で上から下へ絞る流れを示す。要素=最上段に入口の箱「業務命令で受けさせる10時間以上のOFF-JT」。①「研修で身につけることは、新しい業務のためか」→はい=右の行き先「事業展開等リスキリング支援コース(事業展開・DX等・3年以内に就く別の職務)」/いいえ=下へ「人材育成支援コース(人材育成訓練)」。②「受講者は誰か」→人材育成訓練の側で「正規雇用労働者等」と「有期契約労働者等」に分かれる。事業展開等の側には「研修で扱う業務の担当者を選ぶ」の注記。③「どう受けるか」→集合研修・同時双方向/eラーニング・通信制/定額制サービスの3つに分かれ、上限と賃金助成が変わる。定額制サービスの箱の下に小さな注記「人材育成訓練の側は人への投資促進コースへ」。①②③だけに大きな番号を置き、本文の質問1〜3と対応させる。行き先の箱は白地に青枠、①の分岐の矢印だけ青で強く。結論=人材開発の助成金のコースは、研修で身につけること・受講者・受け方の3つの質問を順に当てると1つに絞れます。

人材開発の助成金のコースは、研修で身につけること・受講者・受け方の3つの質問を順に当てると1つに絞れます。

コースの候補が決まったあと、企業規模と人数から実質負担の目安を出すなら、料金試算(助成金対応)が使えます。

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主に事業展開等リスキリング支援コースを案内し、受講者の要件で助成金の前提が崩れる相談も受けている研修運営の側から書きます。対象は計画届を出す前にコースを決めたい会社で、個別の研修が対象になるかの判定は扱いません。

事業展開等リスキリング支援コースの条件と2026年8月の改正の中身は、ピラー記事で扱っています。この記事は、そのコースを含む人材開発支援助成金の中から、研修1本の行き先を1つに決める手順に絞ります。


目次

  1. 人材開発の助成金とは|研修1本ごとにコースを1つ決める制度
  2. 質問1|研修で身につけることは、新しい業務のためか
  3. 質問2|受講者は誰か|担当業務と雇用形態で割合が分かれる
  4. 質問3|どう受けるか|集合研修か、動画か、定額制サービスか
  5. 架空のAI研修で試す|同じ内容でも候補のコースと上限は分かれる
  6. コースを決めたら変わる4つ|読む冊子・計画届の書類・上限・回数
  7. この記事で解けないこと|個別の判定・高度デジタル人材訓練・自治体の制度
  8. 人材開発の助成金のコース選びに関するよくある質問
  9. 人材開発の助成金のコース選び|総括表
  10. あわせて読みたい
  11. まとめ|人材開発の助成金はどのコースを使うのか

人材開発の助成金とは|研修1本ごとにコースを1つ決める制度

人材開発の助成金として調べて出てくるのは、主に厚生労働省の人材開発支援助成金です。厚生労働省は、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度と説明しています。

中はコースに分かれていて、冊子もコースごとに別です。研修1本を助成の対象にするには、どのコースの要件で計画届を出すかを先に決める必要があります。

ファクトボックス|人材開発の助成金(人材開発支援助成金)の基本情報

項目

内容

制度名

人材開発支援助成金

所管

厚生労働省。窓口は都道府県労働局

研修費に使う主なコース

人材育成支援コース/人への投資促進コース/事業展開等リスキリング支援コース。後の2つは令和8年度末までの時限措置

共通の入口

申請するのは雇用保険適用事業所の事業主。受講者は雇用保険被保険者

業務命令で受けさせる訓練の要件

職務に直接関連・訓練時間数10時間以上・OFF-JTを行う(またはOJTと組み合わせる)・訓練期間中も賃金を払う・経費は支給申請日までに全額負担

計画届の期限

訓練開始日の6か月前から1か月前まで

重ねて使う場合

同一の訓練受講・経費・賃金等に係る助成制度を複数利用する場合、併給できない場合がある

根拠資料

厚生労働省「人材育成支援コースのご案内」「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」「人への投資促進コースのご案内」いずれも令和8年8月3日版

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

参照日

2026年10月4日

免責

支給には審査があります。要件と金額は制度改正で変わるため、最新の内容は管轄の労働局でご確認ください

研修費に主に使うコースは3つ|休暇制度と建設業向けは別

教育訓練休暇等付与コースは有給の教育訓練休暇制度の導入に対する助成で、建設業向けの2コースなどと同じく、会社が業務として受けさせる研修の費用を下げる目的とは別です。本記事は、研修費に主に使う3コースだけを相手にします。

7つのコースの全体地図は人材開発支援助成金とは|AI研修で使えるコースの選び方が扱い、本記事は手元の研修1本をどのコースに当てるかを扱います。

1つの訓練に2つのコースを重ねる前提は立たない

事業展開等リスキリング支援コースの冊子は、助成額の表の上に、同一の事由(同一の訓練受講、経費、賃金等)に係る助成制度を複数利用する場合、併給できない場合があると書いています。同じ研修を2つのコースで申請して両方から受け取る計画は、最初から組みません。

人材開発の助成金は、研修1本につきコースを1つ選び、そのコースの要件をすべて満たす形で使います。

選ぶ順番を3つの質問に分けます。1つ目は、研修で何を身につけさせるかです。


質問1|研修で身につけることは、新しい業務のためか

人材開発の助成金のコース選びで最初に当てる質問は、その研修で身につけることが新しい業務のためか、今の職務を深めるためかです。この答えで、事業展開等リスキリング支援コースと人材育成支援コースのどちらを読むかが分かれます。

  • 新しい業務のため=新しい分野への進出、DX化に伴う業務の変化、3年以内に就く予定の別の職務。事業展開等リスキリング支援コースが候補です
  • 今の職務を深めるため=担当している仕事の知識や技能を上げる研修。人材育成支援コースの人材育成訓練が候補です
型B・対比型。研修で身につけることの向きで、候補のコースが左右に分かれることを示す。要素=左「今の職務を深める研修」=例:担当業務の専門知識を上げる/職務に関連する10時間以上のOFF-JT → 行き先「人材育成支援コース(人材育成訓練)」。右「新しい業務のための研修」=3つの類型を縦に並べる(事業展開=新しい分野・提供方法の変更/DX・GX化=デジタル化に伴う業務/人事・人材育成の計画=3年以内に就く別の職務)→ 行き先「事業展開等リスキリング支援コース」。中央に分かれ目のラベル「研修で身につけることは、新しい業務のためか」。右側を青で強く、左は淡い塗り。大きな番号は置かない。結論=今の職務を深める研修は人材育成支援コース、新しい業務やDX化のための研修は事業展開等リスキリング支援コースが候補になります。

今の職務を深める研修は人材育成支援コース、新しい業務やDX化のための研修は事業展開等リスキリング支援コースが候補になります。

事業展開等リスキリング支援コースは、3つの類型のどれかに当たる研修

事業展開等リスキリング支援コースの対象は、OFF-JTで実訓練時間数10時間以上の訓練のうち、次の3つの類型のいずれかに当たるものです(詳細版 令和8年8月3日版 p.13)。

類型

冊子の定義の要点

コース選びで確かめること

① 事業展開

新たな分野で必要となる専門的な知識・技能

事業展開が訓練開始日から3年以内の予定か、6か月前までに実施したものか

② DX・GX化

企業内のDX化・GX化に関連する業務に従事させるうえで必要な知識・技能

研修で扱う業務が、デジタル化で変わる業務につながっているか

③ 人事・人材育成の計画

計画に基づき、3年以内に従事する予定の職務に必要な知識・技能

受講者が今と別の職務に就く予定か

事業展開という言葉は、新しい事業の立ち上げだけを指すわけではありません。厚生労働省の事業主向けQ&A(令和6年10月版)は、事業や業種の転換のほか、既存事業の中で商品やサービスの提供方法を変える場合も事業展開に含めています。

DX化の類型も、これからDXを始める会社だけのものではありません。同じQ&Aは、既に社内でDXを進めている場合でも、さらに推進するためや維持するために必要な訓練と確認できれば、助成対象になると答えています。

類型③は「今と別の職務」が条件になる

3つ目の類型には、ほかの2つに無い条件があります。冊子は、訓練開始日の時点で受講者が従事している職務とは異なる職務に関する訓練であることを求め、異なるかどうかを令和4年改定の「厚生労働省編職業分類」の小分類で判断するとしています。

中小企業がこの類型を使う場合は、人事及び人材育成に関する計画について、認定経営革新等支援機関の確認を受ける手順も加わります。今の職務のまま新しい道具を覚える研修は、類型③ではなく、類型②か人材育成訓練のどちらかで考えます。

なお、どの類型でも、デジタル機器で文章や数値を入力する程度の初歩的な操作だけの訓練と、既存のアプリやシステムを買ってその操作方法を覚えるだけの訓練は対象になりません。

今の職務を深める研修は、人材育成支援コースの人材育成訓練へ

人材育成訓練は、職務に関連した知識・技能を習得させるための10時間以上のOFF-JTが対象です(人材育成支援コースのご案内 令和8年8月3日版 p.14・p.16)。新しい分野への進出やDX化との結びつき、別の職務への配置は求められません。

新しい業務のための研修でも3つの類型に当たらなければ、人材育成訓練が受け皿の候補になります。その代わり、経費助成の割合と上限は事業展開等リスキリング支援コースより低く設定されています。数字は次の質問2と質問3で、受講者と受け方の条件と一緒に並べます。

生成AIの研修は、職務との結びつきで線が引かれる

生成AIを扱う研修は、事業展開等リスキリング支援コースの2026年8月3日の改正で、対象の例と対象外の例の両方に挙がりました。分かれ目は生成AIかどうかではなく、特定の職務の業務にそのまま使える内容かどうかで、細かな読み方はピラー記事に整理しています。

「リスキリング助成金」という呼び名で調べ始めた場合も、どの正式な制度とコースを指しているかを先に確かめると、この質問1の答えが出しやすくなります。呼び名と正式な制度名の対応は、リスキリング助成金とは?|正式な制度名と対象か見分ける3点で扱っています。

質問1で迷ったときは、研修のあとで変わる業務を、自社の言葉で1文に書けるかを試します。書けた1文は、事業展開等リスキリング支援コースで出す事業展開等実施計画(様式第1-3号)の下書きにもなります。


質問2|受講者は誰か|担当業務と雇用形態で割合が分かれる

人材開発の助成金のコース選びで2つ目に当てる質問は、研修を誰が受けるかです。見るのは担当業務と雇用形態の2つで、雇用形態が経費助成の割合を分けるのは人材育成支援コースの側だけです。

人材育成訓練は、正社員かどうかで経費助成の割合が分かれる

人材育成支援コースの冊子(令和8年8月3日版 p.14)は、人材育成訓練の経費助成の割合を、受講者の雇用形態で2つに分けています。

受講者

経費助成の割合(中小企業/大企業)

賃金要件等を満たした場合

正規雇用労働者等

45%/30%

それぞれ15%を加算

有期契約労働者等

70%(表では企業規模の別が書かれていない)

15%を加算

有期契約労働者等は、冊子の定義では、期間の定めのある契約の人と、期間の定めのない契約のうち正社員や勤務地・職務を限った正社員、短時間正社員に当たらない人を合わせた呼び方です。中小企業の通常分で比べると、同じ人材育成訓練でも、正規雇用労働者等の45%に対して有期契約労働者等は70%です。加算は訓練修了後に賃金が5%以上上がった場合などの条件で決まるため、申請前の時点では見込みとして扱い、割合を比べるときは通常分で見ておきます。

パートや契約社員が中心の研修を人材育成訓練で出すなら、正社員の割合ではなく有期契約労働者等の割合で見積もります。

有期契約の社員を正社員にする前提なら、有期実習型訓練も候補になる

受講する有期契約の社員を、研修のあとで正社員などに転換する計画があるなら、人材育成支援コースの有期実習型訓練も候補に入ります。経費助成は75%で、賃金要件等を満たすと100%になり、助成は正社員等へ転換した場合に出ます。

ただし有期実習型訓練は、OFF-JTと職場での実習(OJT)を組み合わせる訓練です。座学の研修1本だけでは当てはまらず、同じ労働者に使えるのは1回までです。

事業展開等リスキリング支援コースでは、担当業務で受講者を選ぶ

事業展開等リスキリング支援コースの助成額の表は、企業規模で中小企業75%・大企業60%に分けるだけで、雇用形態では分けていません(詳細版 令和8年8月3日版 p.38)。受講者の側で問われるのは、雇用保険被保険者であることと、研修の内容に沿って選んだ人であることです。

2026年8月3日の改正リーフレットは、判定の観点の1つに「訓練内容に沿って対象労働者を選定しているか」を挙げています。研修で扱う業務を担当していない人を枠埋めで加えると、その人の分は外れやすくなります。

役員は原則として雇用保険被保険者ではないため、役員が中心の研修は先に労働局か社会保険労務士に確かめます。

研修の目的そのものから、人材開発支援助成金以外の制度も含めて選び直したい場合は、人材育成助成金の選び方|研修の目的別に使う制度を3パターンで整理で整理しています。


質問3|どう受けるか|集合研修か、動画か、定額制サービスか

人材開発の助成金のコース選びで3つ目に当てる質問は、研修をどう受けるかです。同じコースの中でも、受け方で経費助成の上限と賃金助成の有無が変わります。

受け方ごとの上限と賃金助成|10時間以上100時間未満の区分

社員研修でよくある長さの区分(実訓練時間10時間以上100時間未満)で、2つのコースを並べます。金額は中小企業/大企業で、受講者ごと・訓練ごとに受け取る経費助成の額にかかる上限です。

受け方

事業展開等リスキリング支援コース

人材育成支援コース(人材育成訓練)

集合研修・同時双方向型のオンライン

上限30万円/20万円。賃金助成は1時間1,000円/500円

上限15万円/10万円。賃金助成は1時間800円/400円

eラーニング・通信制

上限15万円/10万円。経費助成のみ。eラーニングは1年度1回まで

標準学習時間の定めが無ければ上限15万円/10万円。経費助成のみ

定額制サービス

上限は1か月2万円。経費助成のみ。類型③では使えない

人材育成訓練には無い。人への投資促進コースの定額制訓練(60%/45%・上限は1か月2万円)で考える

出典は、事業展開等リスキリング支援コースの詳細版 p.38・p.39、人材育成支援コースのご案内 p.14・p.15、人への投資促進コースのご案内 p.6・p.20(いずれも令和8年8月3日版)です。上限は対象になる経費ではなく受け取る助成額にかかり、100時間以上の区分では額が上がります。表は計算の順番を見せるもので、受け取れる額を約束するものではありません。

受け方を組み合わせると、扱いが変わる

事業展開等リスキリング支援コースでは、受け方の組み合わせ方にも決まりがあります。冊子は、eラーニングの上限について、集合研修や同時双方向型の訓練と組み合わせて実施する場合も含むと書いています。

事前学習の動画も、LMSなどで進捗を管理できるものはeラーニングによる訓練として扱われます。定額制サービスによる訓練は、集合研修など他の方法と組み合わせることができず、定額制サービスだけで実施します(詳細版 p.27 Q4・Q5)。

型C・帯構造型。事業展開等リスキリング支援コースで、受け方を組み合わせたときの扱いを上から3段の帯で示す。要素=1段目「集合研修・同時双方向型だけ」=経費助成の上限は実訓練時間の区分どおり。賃金助成あり/2段目「集合研修+LMSで進捗を管理する事前動画」=動画の部分はeラーニングの扱い。上限はeラーニングの額になり、1年度1回の枠を使う/3段目「定額制サービス」=ほかの受け方と組み合わせられず、定額制サービスだけで実施する。経費助成のみ。各段の左に白抜きラベル、右に説明枠。2段目の右端に淡青のチップで「上限が下がる」の札。黄マーカーは結論カード内の「上限がeラーニングの額」の1点だけ。1段目を青で強く、2〜3段目は淡い青。大きな番号は置かない。結論=事業展開等リスキリング支援コースでは、集合研修にeラーニングを組み合わせると上限がeラーニングの額になり、定額制サービスはほかの受け方と組み合わせられません。

事業展開等リスキリング支援コースでは、集合研修にeラーニングを組み合わせると上限がeラーニングの額になり、定額制サービスはほかの受け方と組み合わせられません。

受け方は、コースを決めたあとに変えると上限と回数の扱いまで変わるため、質問1・2と同じ段階で決めます。

受け方とコースの候補が決まったら、人数と企業規模で負担の目安を料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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架空のAI研修で試す|同じ内容でも候補のコースと上限は分かれる

人材開発の助成金の3つの質問を、架空のAI研修1本に当ててみます。研修は「生成AIで提案書や社内文書の下書きを作る手順を学ぶ、15時間の集合研修」とします。

例

質問1と質問2の答え

質問3の答え

候補になるコース

A

提案書づくりにAIを組み込む業務の変更に合わせ、提案書を作る営業担当の正社員が受ける

集合研修だけ

事業展開等リスキリング支援コース(DX・GX化の類型)

B

DX化の計画としては説明できず、総務の契約社員が今の文書作成の業務を深めるために受ける

集合研修だけ

人材育成支援コースの人材育成訓練(有期契約労働者等の割合)

C

Aと同じ受講者と目的

集合研修に、LMSで進捗を管理する事前動画を足す

事業展開等リスキリング支援コース。ただし上限はeラーニングの額で、1年度1回の枠を使う

D

Aと同じ受講者と目的

同じ内容を、動画見放題の定額制サービスで受ける

事業展開等リスキリング支援コースの定額制サービスによる訓練。質問1の答えがBの側なら、人への投資促進コースの定額制訓練

この表は3つの質問の当て方を見せるための架空の例で、どれも対象になると判定したものではありません。AとBは研修の中身が同じでも、研修のあとで変わる業務と受講者が違うため、読む冊子から変わります。

同じ内容の研修でも、変わる業務・受講者・受け方が違えば、候補のコースと上限は変わります。

当社が法人向けのClaude Code研修で主に案内している制度も事業展開等リスキリング支援コースですが、受講者が研修で扱う業務の担当でなければ質問2で外れることがあり、対象になるかを研修会社が保証することはできません。


コースを決めたら変わる4つ|読む冊子・計画届の書類・上限・回数

人材開発の助成金のコースを1つに決めると、そこから先の手続きと計算が決まります。変わるのは次の4つです。

  • 読む冊子:人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースは、それぞれ令和8年8月3日版の別の冊子です。要件・対象外の訓練・様式の読み方は、決めたコースの冊子で確かめます
  • 計画届の書類:事業展開等リスキリング支援コースでは、事業展開等実施計画(様式第1-3号)を作ります。類型③を中小企業が使う場合は、認定経営革新等支援機関の確認も要ります
  • 上限と割合:質問2と質問3の表のとおり、コースと受講者と受け方の組み合わせで決まります
  • 回数:1人が1年度に受けられる回数は、人材育成支援コースも事業展開等リスキリング支援コースも3回までです。事業展開等リスキリング支援コースのeラーニングは1年度1回まで、有期実習型訓練は同じ労働者に1回までです

変わらないのは、計画届を訓練開始日の6か月前から1か月前までに出す期限です。定額制サービスやeラーニングでは、契約期間(受講できる期間)の初日の1か月前までが期限になります。コースを決める作業は、この期限より前に終わらせておく必要があります。


この記事で解けないこと|個別の判定・高度デジタル人材訓練・自治体の制度

人材開発の助成金のコース選びで、この記事が答えを出さないのは次の3つです。

個別の研修が類型に入るかの判定

3つの質問は、本記事が整理した絞り込みの順番で、厚生労働省の判定の手順ではありません。研修が事業展開等リスキリング支援コースの類型に入るか、受講者の選び方が研修の内容に沿っているかは、計画届と支給申請の書類をもとに労働局が審査します。迷う研修は、計画届を出す前に管轄の労働局に相談します。

高度デジタル人材訓練と成長分野等人材訓練

人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練は、ITスキル標準などのレベルに当たる講座であることと、会社側の要件の両方を求めます。大学院での訓練は成長分野等人材訓練です。どちらも公的な講座区分や学校の種類で入口が決まるため、本記事の3つの質問には入れていません。

当てはめ方は人材開発支援助成金でAI研修|対象の3コースと申請の流れで扱っています。

自治体の助成金との重ね方

都道府県や市区町村にも研修費の助成制度があり、国の制度と同じ研修に重ねられるかの決まりは制度ごとに異なります。国・自治体・企業内の制度の並べ方は、リスキリング支援は何がある?|国・自治体・企業内の3層と会社が先に使うもので扱っています。


人材開発の助成金のコース選びに関するよくある質問

Q. 同じ研修を、2つのコースで申請できますか

A. 同じ研修を2つのコースで申請して両方から受け取る前提は、立てられません。 事業展開等リスキリング支援コースの冊子は、同一の訓練受講・経費・賃金等に係る助成制度を複数利用する場合、併給できない場合があると書いています。研修1本ごとにコースを1つ選び、計画届を出します。

Q. eラーニングの研修は、人材育成支援コースでも1年度1回までですか

A. 人材育成支援コースには、eラーニングを1年度1回に限る定めはありません。 この制限は事業展開等リスキリング支援コースの2026年8月3日の改正で加わったもので、人材育成支援コースの冊子が示す回数の上限は、1人の労働者につき1年度3回までで、有期実習型訓練だけが同じ労働者に1回までです。

Q. 研修会社が「このコースで出せます」と言えば、そのコースで決まりですか

A. コースを決めて申請するのは受講する会社で、対象になるかは労働局の審査で決まります。 研修会社に確かめられるのは、カリキュラムが質問1の類型にどう結びつくかと、受け方が集合研修・eラーニング・定額制サービスのどれに当たるかです。


人材開発の助成金のコース選び|総括表

論点

押さえるところ

制度

人材開発の助成金として研修費に使うのは、主に人材開発支援助成金の人材育成支援・人への投資促進・事業展開等リスキリング支援の3コース

1つに絞る理由

同一の訓練受講・経費・賃金等に複数の助成制度を使うと、併給できない場合がある

質問1|身につけること

新しい業務(事業展開・DX等・3年以内の別の職務)なら事業展開等リスキリング支援コース。今の職務を深めるなら人材育成訓練

質問2|受講者

人材育成訓練は正規雇用労働者等45%・有期契約労働者等70%(中小企業・通常分)。事業展開等は雇用形態で分けず、担当業務で選ぶ

質問3|受け方

集合研修は経費助成と賃金助成。eラーニング・定額制サービスは経費助成のみで上限が下がる。定額制は人材育成訓練に無い

決めたら変わる

読む冊子・計画届の書類・上限と割合・回数

判定

3つの質問は本記事の整理。対象になるかは労働局の審査で決まる


あわせて読みたい

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まとめ|人材開発の助成金はどのコースを使うのか

人材開発の助成金で使うコースは、率の高さではなく、手元の研修について3つの答えをそろえたときに決まります。研修のあとで変わる業務、受ける人の担当と雇用形態、受け方の3つです。

候補の研修が1本あれば、次の3つから始められます。

  1. 今日:候補の研修1本について、研修で身につけること・受講者・受け方を1行ずつ書き出す
  2. 今週中:受講予定者の名簿で、担当業務・雇用形態・雇用保険の加入を確かめる
  3. 今週中:候補のコースの令和8年8月3日版の冊子を開き、訓練開始日の1か月前の日付をカレンダーに置く

最後に、社内で自分に問える1問を置きます。御社では、その研修のあとで変わる業務を、受講者の担当業務の言葉で1文に書けますか。

  • 人材開発の助成金は主に人材開発支援助成金を指し、研修1本ごとにコースを1つ決めて計画届を出して使います。同じ訓練・経費・賃金に複数の助成制度を重ねると、併給できない場合があります
  • コースは「研修で身につけること→受講者→受け方」の3つの質問で絞れます。新しい業務やDX化のための研修なら事業展開等リスキリング支援コース、今の職務を深める研修なら人材育成支援コースが候補で、後者は受講者が正社員かどうかで経費助成の割合が分かれます
  • 受け方でも、経費助成の上限と賃金助成の有無が変わります。3つの質問は自社の候補を1つに絞る道具で、対象になるかは労働局の審査で決まります

コースの候補が決まったら、企業規模と人数から実質負担の目安を料金試算(助成金対応)で出せます。

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研修の中身と進め方を社内で回して検討するなら、サービス資料(無料・PDF)をダウンロードするもご利用ください。

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出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html (2026年10月4日参照)。コースごとの冊子の一覧
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年10月4日参照)。制度の説明と助成メニュー・時限措置の注(p.2)、業務命令で受けさせる訓練の要件(p.3)、有期契約労働者等・無期契約労働者・正規雇用労働者等の定義(p.11〜12)、人材育成訓練と有期実習型訓練の経費助成の割合・賃金助成・経費助成の限度額(p.14)、支給申請回数(p.15)、人材育成訓練の要件(p.16)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf (2026年10月4日参照)。3つの類型・類型③の別の職務と職業分類・初歩的な操作や既存アプリの操作方法の除外(p.13)、認定経営革新等支援機関の確認(p.16)、事業展開等実施計画(p.17)、事前学習の動画と定額制サービスの組み合わせ(p.27)、併給調整・助成率・経費助成の限度額(p.38)、受講回数(p.39)による
  • 厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf (2026年10月4日参照)。対象とならない訓練の範囲、生成AIの例、対象労働者の選定の観点、eラーニングの受講回数による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人への投資促進コース)のご案内」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731974.pdf (2026年10月4日参照)。定額制訓練の限度額(p.6)、要件(p.19)、経費助成の割合(p.20)による
  • 厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コース 事業主向けQ&A」令和6年10月版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001312799.pdf (2026年10月4日参照)。事業展開に提供方法の変更を含むこと(A6)、既にDXを進めている場合の扱い(A10)による。令和8年8月3日版の冊子と食い違わない範囲で使っています
  • 3つの質問の順番、受け方の表の並べ方、4つの例は、本記事の整理です。厚生労働省の判定の手順ではありません。4つの例は説明のための架空の例です
  • 主に案内している制度は、当社の自社情報です。個々の企業名は記載していません
  • 助成率・上限・要件は制度改正で変わります。本記事は2026年10月4日時点で確認した内容で、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局でご確認ください

この記事について

本記事は、法人向けにClaude Codeの研修を提供するDAIJOBUが、人材開発の助成金で研修1本の行き先のコースを決める順番を、厚生労働省の令和8年8月3日版の冊子に沿って整理したものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月5日

最終更新日

2026年10月5日