社員の育成に使う助成金を「人材育成助成金」で探している会社は、制度の名前より先に、何の費用や取り組みに出る助成金かで3つに分けると選びやすくなります。

研修費は人材開発支援助成金、正社員化と処遇改善はキャリアアップ助成金、国の制度で拾えない短い研修は自治体の制度が受け持ち、どれも要件を満たし審査を経た場合に支給されます。AI研修の研修費なら、最初に見るのは事業展開等リスキリング支援コースです。

この記事の要点は3つ

  1. 人材育成助成金は、1つの制度の名前ではありません。 何に出る助成金かで3つに分かれ、研修費と研修中の賃金は人材開発支援助成金、正社員化と処遇改善はキャリアアップ助成金、国の要件に届かない短い研修などは自治体の制度です
  2. 研修と正社員化は、順番を組むと2つの国の制度がつながります。 人材開発支援助成金の対象の訓練を修了した有期雇用の社員を正社員にすると、キャリアアップ助成金の正社員化コースで重点支援対象者になり、要件を満たせば申請が2期に分かれます
  3. 自治体の制度は、国の助成と同じ研修に重ねません。 東京都のスキルアップ助成金は、国や自治体から助成を受ける研修を対象にしていないため、国の制度を使わない研修に当てます

AI研修に人材開発支援助成金を当てた場合の実質負担の目安を先に押さえたい方は、料金試算(助成金対応)で企業規模と人数から出せます。

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この記事は、自社のAI研修を国の助成金のうちDXを目的にしたコースで案内している研修会社の側から、人材育成に使える助成金を何に出るかで分けて整理したものです。研修費の制度の中のコース選びと、社員が自分で払う講座の給付金は、それぞれの記事に送ります。


目次

  1. 人材育成助成金とは|同じ名前の制度は無く、何に出るかで3つに分かれる
  2. ① 研修費と研修中の賃金|人材開発支援助成金は研修の目的でコースが分かれる
  3. ② 正社員化と処遇改善|キャリアアップ助成金は研修のあとの雇用の変化に出る
  4. ③ 自治体の制度|短い研修を拾い、国と同じ研修には重ねない
  5. 3つを組み合わせるとき|別の取り組みに出る制度はつながり、同じ研修には重ねない
  6. この記事で解けないこと|判定・ほかの助成金・自治体の網羅
  7. DAIJOBUの場合|研修費の側でAI研修の制度を案内している
  8. 人材育成助成金に関するよくある質問
  9. 人材育成助成金の3つの分け方|総括表
  10. あわせて読みたい
  11. まとめ|人材育成助成金とは、何に出るかで分ける3つの制度

人材育成助成金とは|同じ名前の制度は無く、何に出るかで3つに分かれる

人材育成助成金は、会社が社員の育成に使える助成金をまとめた呼び方で、同じ名前の制度はありません。どの制度を使うかは、助成金が何に対して出るかで決まります。

型A・全体像カード型。人材育成助成金を「何に出るか」で3枚のカードに分ける。各カードは上段「何に出るか」、中段「制度の名前」、下段「この記事で見る点」の3段。要素=①上段:研修費と研修中の賃金/中段:人材開発支援助成金/下段:コースは研修の目的と形で分かれる ②上段:非正規雇用の社員の正社員化と処遇改善/中段:キャリアアップ助成金/下段:訓練の修了者を正社員にすると2期に分かれる ③上段:国の要件に届かない短い研修など/中段:自治体の制度(東京都のスキルアップ助成金など)/下段:国の助成を受ける研修には使わない。3枚とも同じ濃さの青枠で、中段だけ淡い青で塗る。大きな番号は置かない。結論=人材育成助成金は、何に出る助成金かで、研修費・正社員化・自治体の3つに分かれます。

人材育成助成金は、何に出る助成金かで、研修費・正社員化・自治体の3つに分かれます。

最初の問いは、助成を研修費に当てたいのか、研修のあとの雇用の変化に当てたいのかです。 研修費なら、次に国の10時間に届くかで①と③に分かれます。 3つの分け方は本記事の整理で、公式の分類ではありません。

人材育成補助金で探しても、研修費の中心は助成金

「人材育成補助金」という言い方で探す会社もあります。当社が公募要領を確かめた国の中小企業向けの補助金2つは、どちらも設備やITツールへの投資を支える制度で、研修費を単独で対象にする経費の区分を持っていませんでした。

確かめた2つの補助金の名前と、補助金を見るべき場面は、補助金で人材育成はできる?|助成金との違いと会社が先に使う制度にまとめています。

古い資料のコース名に注意|2023年4月に統合された

「人材育成助成金」で検索すると、旧制度の時代に作られた労働局のリーフレットや、統合前のコース名で書かれた民間の解説が今も上位に出てきます(2026年10月4日の検索結果)。

厚生労働省のリーフレットによると、人材開発支援助成金の特定訓練コース・一般訓練コース・特別育成訓練コースは、2023年4月1日に1つのコースへ統合されました。特定訓練コース・一般訓練コースの名前で書かれた資料は、今の要件の確認には使えません。

ファクトボックス|人材育成助成金と呼ばれる制度の基本情報

項目

内容

「人材育成助成金」の実体

同じ名前の制度は無い。国の人材開発支援助成金・キャリアアップ助成金と、自治体の研修向けの制度をまとめた呼び方

研修費に出る国の制度

人材開発支援助成金(訓練経費と訓練期間中の賃金の一部)

雇用の変化に出る国の制度

キャリアアップ助成金(有期雇用労働者等の正社員化と処遇改善)

所管・窓口

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金は厚生労働省(窓口=都道府県労働局)。自治体の制度は各自治体と、その委託先の団体

自治体の例

東京しごと財団のスキルアップ支援事業(事業内・事業外・DXリスキリング・資格取得サポートの4つ)

重ねるときの線

同じ行為・経費を対象に複数の助成金を申請すると、一方しか支給されない場合がある(併給調整)

根拠資料

厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日以降の計画届が対象/「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」令和8年4月8日現在 ほか

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf ・ https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001687992.pdf ほか(末尾の出典・注記に資料ごとに掲載)

最終確認日

2026年10月5日

免責

どの制度も支給の可否は審査で決まります。要件と金額は年度の途中でも変わるため、最新の内容は管轄の労働局と各自治体の窓口でご確認ください


① 研修費と研修中の賃金|人材開発支援助成金は研修の目的でコースが分かれる

研修費に出る国の人材育成助成金は、厚生労働省の人材開発支援助成金です。パンフレットは、事業主等が雇用する労働者に職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させる職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度と説明しています(人材育成支援コース詳細版 p.2)。

コースは、会社が業務命令で受けさせる訓練か、社員の自発的な受講を会社が支えるかで分かれ、業務命令の訓練はさらに研修の目的と形で分かれます(同 p.3)。会社が受けさせる研修で候補になる主なコースは、職務に関連した10時間以上のOFF-JTに当てる人材育成支援コース、事業展開やDX等に伴う訓練に当てる事業展開等リスキリング支援コース、高度なデジタル人材を育てる訓練に当てる人への投資促進コースです。率と上限はコースごとに違い、事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースは令和8年度末までの時限措置です(同 p.2)。

コースごとの要件と、研修の形から行き先を引く判定表は、人材開発支援助成金とは|AI研修で使えるコースの選び方にまとめています。研修の内容から1つのコースに絞る質問は、人材開発の助成金はどのコース?|研修内容から1つに絞る3つの質問で扱っています。

新人研修で押さえる2点|マナー講習の時間と、入社直後の期限

新人研修に人材開発支援助成金を当てるときに外しやすい点が2つあります。

1つ目は時間の数え方です。社内規則や自社製品の説明などは対象とならない実施目的に入り、その時間を除いたあとで10時間以上が必要です(同 p.38)。

接遇・マナー講習も同じ表に入っていますが、支給要領は、その時間がOFF-JTの実訓練時間数の半分未満の場合か、認定職業訓練の場合は支給の対象として扱うと定めています(人材育成支援コース支給要領 06016)。マナー講習は、OFF-JTの実訓練時間の半分以上を占めると対象外になり、半分未満か認定職業訓練なら対象です。

2つ目は計画届の期限です。原則は訓練開始日の6か月前から1か月前までですが、新たに雇い入れた労働者だけを対象にした訓練で、雇い入れ日から訓練開始日までが1か月以内なら、訓練開始日の前日までになります(人材育成支援コース詳細版 p.47)。職場の実習を半年以上組む認定実習併用職業訓練は、その前に厚生労働大臣の認定の申請を訓練開始日の30日前までに出す必要があります(同 p.46)。

AI研修に事業展開等リスキリング支援コースを当てた場合の実質負担の目安は、料金試算(助成金対応)で企業規模と人数から確かめられます。

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② 正社員化と処遇改善|キャリアアップ助成金は研修のあとの雇用の変化に出る

雇用の変化に出る国の人材育成助成金は、厚生労働省のキャリアアップ助成金です。有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促すため、正社員化と処遇改善に取り組んだ事業主に助成する制度で、研修費そのものには出ません。

コースは、正社員化を支える正社員化コース・障害者正社員化コースと、処遇改善を支える賃金規定等改定コース・賃金規定等共通化コース・賞与・退職金制度導入コース・短時間労働者労働時間延長支援コースに分かれています(厚生労働省「キャリアアップ助成金」のページ、キャリアアップ助成金のご案内 令和8年度版 p.6〜7)。

正社員化コースの額|有期か無期か、重点支援対象者かで分かれる

正社員化コースは、就業規則などに定めた制度に基づいて、有期雇用労働者等を正社員に転換した場合の助成です。1人あたりの額は次のとおりです(同 p.14)。

転換前の雇用形態

対象者

中小企業

大企業

有期雇用労働者

重点支援対象者

80万円(40万円×2期)

60万円(30万円×2期)

有期雇用労働者

上記以外

40万円(1期)

30万円(1期)

無期雇用労働者

重点支援対象者

40万円(20万円×2期)

30万円(15万円×2期)

無期雇用労働者

上記以外

20万円(1期)

15万円(1期)

(同 p.14。1年度1事業所あたりの支給申請上限人数は20名。正社員転換制度を新たに規定した場合などの加算が別にある。雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者は無期雇用労働者とみなす)

重点支援対象者は、雇い入れから3年以上の有期雇用労働者、過去の正社員経験が少ない有期雇用労働者、派遣労働者・母子家庭の母等・父子家庭の父、そして人材開発支援助成金の特定の訓練の修了者です(同 p.14)。

額は要件を満たし、審査を経た場合のものです。主な要件は次のとおりで、ほかにも要件があります。

  • 転換前に、正社員と賃金の額か計算方法が異なる雇用区分の就業規則等の適用を通算6か月以上受けている。有期実習型訓練の修了者には例外がある(同 p.17)
  • 事業所ごとにキャリアアップ管理者を置き、キャリアアップ計画を取り組みの前日までに出している(同 p.4・p.10)
  • 正社員に転換する制度を就業規則などに定め、その規定に基づいて転換している(同 p.19)
  • 転換後6か月の賃金を、転換前6か月の賃金より3%以上増やしている(同 p.19)
  • 転換先が「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正規雇用労働者である(同 p.18)
  • 正社員として雇う約束で、有期の契約から雇い入れた人ではない(同 p.17)

新卒で採用した人は、雇い入れから1年を経過するまで正社員化コースの対象外で、令和8年4月1日に雇用された新規学卒者は令和9年3月31日まで対象外です(同 p.15)。新卒の新人研修に使う人材育成助成金は、キャリアアップ助成金ではなく①の研修費の制度の側です。

研修と組み合わせる|訓練の修了者を正社員にすると2期に分かれる

キャリアアップ助成金のパンフレットは、人材開発支援助成金の特定の訓練を修了したあとに正規雇用労働者へ転換した場合、その人を重点支援対象者とし、2期分の申請ができるとしています(同 p.16)。対象の訓練のコースは、人材開発支援助成金の人材育成支援コース・事業展開等リスキリング支援コース・人への投資促進コースです。

有期雇用の社員を育てて正社員にする訓練として、人材育成支援コースには有期実習型訓練があります。正社員経験の少ない有期契約労働者等を正社員に転換させるために、OFF-JTとOJTを組み合わせて2か月以上行う訓練で、訓練終了後、支給申請日までに正規雇用労働者等への転換などを行った場合に限り助成されます(人材育成支援コース詳細版 p.19)。受講者は、キャリアコンサルタント等による面談でこの訓練への参加が必要と認められ、ジョブ・カードを作った人に限られます(同 p.20)。

手続きにも接点があります。人材開発支援助成金の訓練の修了者を正社員にしてキャリアアップ助成金を申請する予定なら、訓練実施計画届の裏面の追加項目を書くことで、キャリアアップ計画とみなす扱いを受けられます(キャリアアップ助成金のご案内 p.23)。紙で計画届を出す場合に限り、訓練の修了者を転換する場合だけの扱いです。

型D・フロー型。研修と正社員化を組み合わせる順番を、左から右へ4つのボックスで並べる。要素=「有期契約で雇う」→「訓練の計画届を出し、訓練を修了する(例=有期実習型訓練)」→「就業規則の制度に基づいて正社員に転換する」→「正社員として6か月ごとに、2期に分けて申請する」。2つ目と4つ目のボックスの上に、それぞれ「人材開発支援助成金」「キャリアアップ助成金」の小さなラベルを置く。フローの上部に淡青の注記帯「前提=キャリアアップ管理者とキャリアアップ計画(訓練の計画届で代えられる場合あり)」。4つ目のボックスだけ青で塗り、ほかは白地に青枠。大きな番号は置かない。結論=研修と正社員化は、訓練を修了した有期雇用の社員を正社員にする順番で組むと、2つの国の制度がつながります。

研修と正社員化は、訓練を修了した有期雇用の社員を正社員にする順番で組むと、2つの国の制度がつながります。

キャリアアップ助成金の支給申請は、取り組みのあと6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です(キャリアアップ助成金のご案内 p.2)。重点支援対象者の第2期は、12か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です(同 p.22)。研修費の支給申請とは期限の起点が違うため、2つの制度の期限を別々に管理します。

処遇改善のコースは、研修の後の賃金の見直しに出る

正社員にしない場合でも、研修のあとに非正規雇用の社員の賃金を見直すなら、処遇改善のコースが候補になります。賃金規定等改定コースは、有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定して適用した場合の助成で、中小企業は1人あたり4万円から7万円です(同 p.6)。


③ 自治体の制度|短い研修を拾い、国と同じ研修には重ねない

自治体の人材育成助成金は、国の制度と同じ研修に重ねて使う前提では組めません。東京しごと財団のスキルアップ支援事業は、どの助成金も、その研修について国または地方公共団体から助成を受けておらず、今後受ける予定もないことを要件にしています。

その代わり、国の10時間の要件を下回る研修を拾う制度があります。令和8年度の東京都の例は次のとおりで、どれも都内に本社または主たる事業所がある中小企業等が対象です。

助成金(令和8年度)

対象の研修

助成

事業内スキルアップ助成金

自社で計画した1研修3時間以上10時間未満の研修

受講者数×研修時間数×800円

事業外スキルアップ助成金

教育機関の公開研修で、1研修3時間以上10時間未満のもの

対象経費の2分の1(小規模企業者は3分の2)。上限は受講者1人1研修25,000円

(東京しごと財団の各助成金のページ・2026年10月4日参照。事業内と事業外は合わせて1申請企業150万円が上限。事業外は研修開始予定日の1か月前までに申請する)

国の10時間に届かない短い研修は、所在地の自治体に制度があれば、そちらで探します。 東京都にはこのほかDXリスキリング助成金と、建設・建築・運輸分野の資格取得サポート助成金があり、4つの助成金の違いと国の制度との線の引き方は、スキルアップ助成金は国と都道府県のどちら?|AI研修で使える制度の分け方にまとめています。

「リスキリング助成金」のように、通称で呼ばれている制度の正体を見分ける方法は、リスキリング助成金とは?|正式な制度名と対象か見分ける3点で扱っています。


3つを組み合わせるとき|別の取り組みに出る制度はつながり、同じ研修には重ねない

人材育成助成金を2つ以上使うときの線は、同じ行為や経費に2つを当てていないかで引きます。人材開発支援助成金もキャリアアップ助成金も、同じ行為・経費を対象に2つ以上の助成金を申請すると、一方しか支給されない場合があると案内しています(人材育成支援コース詳細版 p.10、キャリアアップ助成金のご案内 p.5)。

研修費に出る人材開発支援助成金と、正社員化に出るキャリアアップ助成金は、対象の取り組みが違います。キャリアアップ助成金のパンフレット自体が、訓練の修了者を正社員にする流れを2つの制度の組み合わせとして示しています(キャリアアップ助成金のご案内 p.16)。一方、東京都の制度は、国の助成を受ける研修を要件で外しています。

型B・対比型。人材育成助成金の組み合わせ方を左右に並べる。要素=左「つながる組み合わせ」=研修費に人材開発支援助成金→研修を修了した有期雇用の社員の正社員化にキャリアアップ助成金(対象の取り組みが別)。右「重ねない組み合わせ」=同じ研修の費用に、国の人材開発支援助成金と東京都のスキルアップ助成金(都の制度は国や自治体の助成を受ける研修を対象にしない)。中央に分かれ目のラベル「同じ研修・同じ経費に当てているか」。左を青で強く、右は淡い青。大きな番号は置かない。結論=人材育成助成金は、別の取り組みに出る制度どうしはつながり、同じ研修には重ねません。

人材育成助成金は、別の取り組みに出る制度どうしはつながり、同じ研修には重ねません。

自社で使う組み合わせは、次の基準で確かめます。

基準

なぜ要るか

該当しない例

助成金ごとに、何に出してほしいかを1行で書ける

研修費と雇用の変化では、制度も申請の期限も違うため

研修を受けた人の正社員化の費用まで、研修費の助成金で見込む

研修の計画届とキャリアアップ計画を、取り組みの前に出す段取りがある

どちらも取り組みの前に出す書類で、後から出せないため

正社員に転換してから、キャリアアップ計画を作る

同じ研修に、国と自治体の制度を両方当てていない

東京都の制度は、国や自治体の助成を受ける研修を対象にしていないため

国の助成金と都の助成金の両方を、同じ研修の費用に見込む

新卒の新人と、有期雇用の社員を分けて考えている

新卒の新人は、雇い入れから1年を経過するまで正社員化コースの対象外のため

4月入社の新人研修のあとに、正社員化コースを申請する

研修そのものの費用がどう決まるかは、Claude Code研修の費用相場|料金の決まり方・助成金・費用対効果までで扱っています。


この記事で解けないこと|判定・ほかの助成金・自治体の網羅

人材育成助成金の選び方で、この記事が扱わないことは次の3つです。

自社の取り組みが対象になるかの判定

対象になるかは、どの制度も支給申請を受けた審査で決まります。研修のカリキュラムと受講者の職務、正社員転換の規定と賃金の記録を持って、取り組みの前に管轄の労働局へ相談してください。

人材育成に関わる、ほかの国の助成金

仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等に出る両立支援等助成金のように、育成と関わる場面のある制度はほかにもあります。この記事では、研修費と、研修のあとの正社員化・処遇改善に出る2つの国の制度までにとどめます。

自治体の制度の網羅

確かめた自治体の制度は東京都のスキルアップ支援事業だけです。他の道府県と市区町村の制度は、所在地の窓口で受付の有無と国の制度との関係を確かめてください。


DAIJOBUの場合|研修費の側でAI研修の制度を案内している

DAIJOBUは法人向けにClaude Code研修を提供し、3つのうち①の研修費の側で、主に事業展開等リスキリング支援コースを案内しています。商談でよく聞かれる助成金の要件は対象者・人数・手続きのリードタイムで、当社は受給を断定せず、社会保険労務士と連携する体制で答えています。


人材育成助成金に関するよくある質問

Q. 人材育成助成金という名前の制度はありますか

A. 人材育成助成金という名前の制度はありません。 会社が社員の育成に使える助成金をまとめた呼び方で、国の制度では研修費に出る人材開発支援助成金と、正社員化と処遇改善に出るキャリアアップ助成金が中心です。自治体にも研修向けの制度があります。

Q. キャリアアップ助成金で、研修した社員の正社員化に助成は出ますか

A. 研修した有期雇用の社員を正社員にした場合は、正社員化コースの対象の類型に入ります。 キャリアアップ助成金は研修費そのものには出ず、研修費は人材開発支援助成金の側で、人材開発支援助成金の特定の訓練の修了者を正社員にすると、重点支援対象者として第1期と第2期の申請ができます。どちらも要件を満たし審査を経た場合のもので、同じ行為・経費に2つを当てると一方しか支給されない場合があります。

Q. 新入社員研修に人材育成助成金は使えますか

A. 新人研修の費用は、人材開発支援助成金の側で考えます。 社内規則の説明などの時間を除いたあとに10時間以上が必要で、接遇・マナー講習は実訓練時間の半分未満か認定職業訓練なら対象です(支給要領 06016)。新卒の新人は、雇い入れから1年を経過するまでキャリアアップ助成金の正社員化コースの対象外です。


人材育成助成金の3つの分け方|総括表

論点

押さえるところ

呼び名の実体

同じ名前の制度は無い。助成の対象で3つに分かれる

① 研修費と研修中の賃金

人材開発支援助成金。コースは研修の目的と形で分かれる。新人研修はマナー講習の割合と入社直後の期限の例外を見る

② 正社員化と処遇改善

キャリアアップ助成金。研修費には出ない。正社員化コースは有期か無期か、重点支援対象者かで額が分かれる

①と②の組み合わせ

特定の訓練の修了者を正社員にすると重点支援対象者になり、第1期と第2期の申請ができる

③ 自治体の制度

10時間未満の短い研修などを拾う。東京都は国や自治体の助成を受ける研修を対象にしない

この記事の外

自社の取り組みの判定・ほかの国の助成金・東京都以外の自治体の制度


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まとめ|人材育成助成金とは、何に出るかで分ける3つの制度

人材育成助成金は、制度の名前から探すより、研修費に当てたいのか、研修のあとの正社員化や賃金の見直しに当てたいのかを先に決めたほうが早く絞れます。研修費は人材開発支援助成金、雇用の変化はキャリアアップ助成金、短い研修は自治体の制度が受け持ちます。

人事の担当と始められる一手を3つ挙げます。

  1. 今日:予定している研修と、そのあとに予定している正社員転換や賃金の見直しを1行ずつ書き出し、3つのどれに当たるかを書き添える
  2. 今週中:職業能力開発推進者と事業内職業能力開発計画、キャリアアップ管理者とキャリアアップ計画がそろっているかを確かめる
  3. 今週中:所在地の自治体の制度のページを開き、国の助成を受ける研修を外す要件があるかを読む

最後に、社内で自分に問える1問を置きます。御社の次の研修は、助成を研修費に当てたいのか、そのあとの雇用の変化に当てたいのか、1行で言えますか。

  • 人材育成助成金は、1つの制度の名前ではありません。 何に出る助成金かで3つに分かれ、研修費と研修中の賃金は人材開発支援助成金、正社員化と処遇改善はキャリアアップ助成金、国の要件に届かない短い研修などは自治体の制度です
  • 研修と正社員化は、順番を組むと2つの国の制度がつながります。 人材開発支援助成金の対象の訓練を修了した有期雇用の社員を正社員にすると、キャリアアップ助成金の正社員化コースで重点支援対象者になり、要件を満たせば申請が2期に分かれます
  • 自治体の制度は、国の助成と同じ研修に重ねません。 東京都のスキルアップ助成金は、国や自治体から助成を受ける研修を対象にしていないため、国の制度を使わない研修に当てます

AI研修に人材開発支援助成金を当てた場合の実質負担の目安は、料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練が対象 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年10月4日参照)。制度の定義と助成率の一覧(p.2)、フローチャート(p.3)、併給調整(p.10)、有期実習型訓練の要件(p.19〜20)、助成対象とならない実施目的(p.38)、大臣認定の申請(p.46)、計画届の提出期間と新規雇い入れの例外(p.47)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)支給要領」令和8年8月3日 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001732734.pdf (2026年10月4日参照)。職業人として共通して必要となるものの特例的取扱い(06016)による
  • 厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」令和8年4月8日現在 https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001687992.pdf (2026年10月5日参照)。支給申請の期限(p.2)、対象事業主とキャリアアップ管理者(p.4)、併給調整と年度途中の変更(p.5)、各コースの概要と額(p.6〜7)、キャリアアップ計画(p.10)、正社員化コースの額・重点支援対象者・上限人数(p.14)、新規学卒者の扱い(p.15)、人材開発支援助成金の訓練修了者の扱い(p.16)、対象労働者(p.17)、正規雇用労働者の定義(p.18)、支給対象事業主と賃金3%以上の増額(p.19)、計画届の1本化(p.23)による
  • 厚生労働省「キャリアアップ助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html (2026年10月5日参照)。制度の趣旨とコースの一覧による
  • 厚生労働省 リーフレット「人材開発支援助成金を利用しやすくするため令和5年4月1日から制度の見直しを行いました」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001108550.pdf (2026年10月4日参照)。3コースの統合による
  • 厚生労働省「両立支援等助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html (2026年10月5日参照)
  • 東京しごと財団「スキルアップ支援事業」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skillup.html 、「令和8年度 事業内スキルアップ助成金」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R8jigyonai.html 、「令和8年度 事業外スキルアップ助成金」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R8jigyogai.html 、「令和8年度 資格取得サポート助成金」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R8shikaku.html (いずれも2026年10月4日参照)
  • 検索結果の観察は、2026年10月4日に「人材育成助成金」で検索した時点のものです
  • 何に出るかで3つに分ける整理と、組み合わせの判断基準の表は本記事の整理です。公式の分類ではありません
  • 主に案内している制度、商談でよく聞かれる助成金の要件の中身と答え方は、当社の自社情報です。個々の企業名は記載していません
  • 本記事は2026年10月5日時点の情報にもとづくもので、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局と各自治体の窓口でご確認ください

この記事について

DAIJOBUは、ソフトウェアテスト・品質保証と脆弱性診断を本業としながら、法人向けにClaude Code研修を提供している会社です。本記事は、人材育成助成金と呼ばれる制度を何に出るかで3つに分け、厚生労働省と東京しごと財団の一次資料で確かめられる事実と、当社の案内の仕方を分けて書いたものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月5日

最終更新日

2026年10月5日