資格取得の費用を助成金でまかなおうとしているなら、土台のお金が出るのは試験に合格したときではなく、資格に向けた講座や訓練を終えたときです。

個人は厚生労働大臣が指定した講座を修了して教育訓練給付金を、会社は職務に関連した訓練を計画どおり実施して人材開発支援助成金を申請し、受験料と合格後の扱いはこの2つの制度で分かれます。

この記事の要点は3つ

  1. 助成金や給付金が出るのは、資格そのものではなく、資格を目標にした訓練です。 個人は指定講座の修了で、会社は職務に関連した訓練の実施と審査で支給が決まり、資格試験だけを受けても、どちらの制度にも入りません
  2. 資格が効く場所は、入口・受験料・合格後の3段です。 受験料は個人の給付金には入らず、会社の助成金では事業展開等リスキリング支援コースなど一部のコースで、条件つきで対象経費に入ります
  3. 資格試験の合格で上乗せが出るのは、個人の給付金の特定一般と専門実践です。 会社の助成金の割増しは合格ではなく、全ての受講者への資格等手当か賃金の増額で決まり、土台の支給はどちらも合否で変わりません

社員に受けさせる研修の費用を、会社の助成金を使う前提で見積もりたい方は料金試算(助成金対応)で実質負担の目安を確かめられます。

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この記事は、会社が費用を払うAI研修を提供し、助成金の要件を研修の組み方の側から確かめている立場で書いたもので、資格ごとの合格対策や、市区町村の資格取得補助の網羅は扱いません。

この記事でわかること

  • 助成金で資格取得の費用をまかなうとき、お金が何に対して出るのか
  • 資格が効く3つの段と、個人の給付金と会社の助成金で扱いが分かれる点
  • 資格試験の受験料が、どの制度のどの条件で対象になるか
  • 資格試験の合格で個人の給付金に上乗せが出る条件と、会社の助成金の割増しの条件
  • G検定・E資格・基本情報技術者試験で見る、2つの制度の分かれ目
  • 会社が社員の資格取得を支えるときに、先に決めておく3つ

目次

  1. 助成金で資格取得はできるか|お金が出るのは資格を目標にした訓練
  2. 資格が効く3つの段|入口・受験料・合格後で扱いが分かれる
  3. 入口|資格試験だけを受けても、どちらの制度にも入らない
  4. 受験料|個人の給付金には入らず、会社の助成金はコースで分かれる
  5. 合格後|合格で上乗せが出るのは個人の給付金、会社は手当と賃金
  6. AI・ITの資格で見る|G検定・E資格・基本情報技術者試験
  7. 社員の資格取得を会社が支えるとき|先に決める3つ
  8. DAIJOBUの場合|当社の研修は、入口の段で判断される
  9. 助成金と資格取得に関するよくある質問
  10. 助成金で資格取得|総括表
  11. あわせて読みたい
  12. まとめ|助成金で資格取得はできる?

助成金で資格取得はできるか|お金が出るのは資格を目標にした訓練

助成金で資格取得の費用をまかなうとき、公的な制度が支えるのは資格を持つことではなく、資格に向けて学ぶことです。個人向けの教育訓練給付金について、厚生労働省は「厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるもの」と説明しています。

会社向けの人材開発支援助成金も、支給の単位は訓練です。事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレット(令和8年8月3日版)は、対象になるOFF-JT(通常の業務と区別して行う訓練)に「職務関連訓練であること」「訓練時間数が10時間以上であること」「計画に沿って訓練を実施すること」などを求めています。

どちらの制度も、資格の名前を支給の条件にしていません。

型A・全体像カード型。資格取得の費用にお金が出る2つの道を左右のカードで示す。要素=左カード「個人の道|教育訓練給付金」=本人が指定講座を選ぶ→講座を修了する→本人がハローワークへ申請。右カード「会社の道|人材開発支援助成金」=会社が職務に関連した訓練を計画する→計画どおりに実施する→会社が労働局へ申請し、審査を経て支給が決まる。2枚のカードの下に横長の帯「資格試験だけを受けても、どちらの道にも入らない」。右カードを青で強く、左カードを淡青に。結論=助成金や給付金が出るのは、資格そのものではなく、資格を目標にした訓練です。

助成金や給付金が出るのは、資格そのものではなく、資格を目標にした訓練です。

2つの制度の申請者の違いと、会社が払った研修費が本人の給付金に入らない理由は、リスキリング補助金の一覧|企業向けと個人向けの違いで扱っています。この記事では、資格が絡む部分だけを取り出します。

ファクトボックス|助成金と資格取得の基本情報

項目

内容

個人の制度

教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践の3種類)。受講した本人がハローワークに申請する

会社の制度

人材開発支援助成金。訓練を実施した事業主が労働局に申請する

支給の単位

個人は厚生労働大臣が指定した講座の修了。会社は職務関連訓練を計画に沿って実施したこと

資格試験だけの受験

会社の助成金では、講習を受けずに単独で受験できる資格試験は対象外の訓練に挙がっている

主な根拠資料

厚生労働省「教育訓練給付金」、一般・特定一般・専門実践教育訓練の手引(令和8年4月版)、人材開発支援助成金の各コースのパンフレット(令和8年8月3日版)

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html ほか(末尾の出典・注記に資料ごとに掲載)

最終確認日

2026年9月25日

免責

どちらの制度も支給には要件の確認と審査があります。要件は改正で変わるため、最新の内容は所管の窓口でご確認ください


資格が効く3つの段|入口・受験料・合格後で扱いが分かれる

助成金と資格取得の関係は、資格取得にかかるお金と手続きを時系列で3つに分けると整理できます。講座や訓練を受ける前の入口、試験を受けるときの受験料、合格したあとの上乗せや割増しの3段です。

段

個人の給付金(教育訓練給付金)

会社の助成金(人材開発支援助成金)

入口

厚生労働大臣が指定した講座を修了すること。資格名ではなく、受ける講座が指定を受けているかで決まる

受講者の職務に関連した訓練を、計画どおり実施すること。資格試験を単独で受けるだけのものは対象外

受験料

教育訓練経費に入らない(一般・特定一般・専門実践の手引)

事業展開等リスキリング支援コースなど一部のコースで、条件つきで対象経費に入る。人材育成支援コースの対象経費には資格・試験の受験料の項目が無い(技能検定などの職業能力検定の経費は入る)

合格後

特定一般・専門実践で、講座が目標とする資格の取得などをし、修了後1年以内に雇用されるか在職のまま受講した場合に追加給付がある(特定一般は令和6年10月1日以降の受講開始)。一般は修了で決まり、上乗せは無い

人材育成支援コースで、資格等手当を規定して受講者全員に払い、賃金を3%以上上げると割増しを別途申請できる。合格は要件に入っていない

入口の段は試験だけでは入らない点が共通で、受験料と合格後の2段で個人と会社の扱いが分かれます。

資格名の一覧から制度を探すより、3段を順に確かめると、使える制度と対象にならない費用を先に分けられます。


入口|資格試験だけを受けても、どちらの制度にも入らない

資格取得の入口の段では、個人の給付金も会社の助成金も、講座や訓練を受けることを前提にしています。試験の申し込みだけでは、どちらの制度の対象にもなりません。

会社の助成金|試験だけは対象外、資格を取らせる訓練は職務しだい

事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットは、対象にならない訓練の表に「資格試験(講習を受講しなくても単独で受験して資格を得られるもの)、適性検査」を挙げています。人材育成支援コースのパンフレットにも、同じ項目があります。

一方で、同じ詳細版パンフレットは、職務関連訓練と判断される例として、土木施工管理技士の資格を取得させるための訓練や、測量士補の資格を取得させるための訓練を挙げています。ただし「その訓練を受ける労働者の職務により対象となるかどうかが変わります」とも書かれています。

会社の助成金では、資格を取らせるための訓練が対象になるかは、資格の名前ではなく受講者の職務との関係で変わり、申請ごとに判断されます。

個人の給付金|コード表の資格名より、講座の指定を確かめる

教育訓練給付金は、講座が厚生労働大臣の指定を受けているかで入口が決まります。厚生労働省は講座指定の申請用に「分野・資格コード表」を公表していますが、表には「この表に記載されている資格・試験を目標とする講座が全て指定されるわけではありません」と書かれています。

講座が指定を受けているかは、教育訓練講座検索システムで、学校名・講座名・分野・資格名から調べられます。同じシステムは、指定期間中に受講を始めた場合が給付の対象になるとして、受講開始日の時点で指定されているかをハローワークと受講予定の教育訓練施設に確かめるよう求めています。

入口の段で確かめることを、判断基準の表にまとめます。

基準

なぜ要るか

該当しない例

【会社】受講者の職務に関連した訓練か

会社の助成金は職務関連訓練を対象にしているため

職務と関係の薄い資格の講座を、希望者に一律で受けさせる

【会社】講習を受けて資格を目指す形か

単独で受験できる資格試験は対象外の訓練に挙がっているため

会社が試験の申し込みだけを手配し、講習は受けさせない

【個人】受ける講座が指定を受けているか

給付の対象は厚生労働大臣が指定した講座だけのため

資格名はコード表に載っているが、選んだ講座は指定されていない

【個人】受講開始日が指定期間の中か

指定期間中に受講を始めた場合が対象のため

講座の指定期間が始まる前に受講を始める

入口を通っても、試験を受ける段で費用の扱いがもう一度分かれます。次は受験料です。


受験料|個人の給付金には入らず、会社の助成金はコースで分かれる

資格試験の受験料は、個人の給付金と会社の助成金で扱いがはっきり分かれます。

個人の給付金|受験料は教育訓練経費に入らない

一般教育訓練の手引(令和8年4月版)は、給付の計算のもとになる教育訓練経費を、受講者が自分の名義で払った入学料と受講料(受講費・教科書代・教材費)と定めています。そのうえで「検定試験の受験料、受講に当たって必ずしも必要とされない補助教材費」や受講のための交通費などは「『教育訓練経費』とはならない」としています。

資格の取得を目標にした講座でも、給付の計算に入るのは講座の費用までで、試験の費用は給付の計算の外に残ります。特定一般・専門実践の手引(令和8年4月版)も同じ扱いです。

会社の助成金|3類型の試験の受験料は条件つきで対象経費に入る

事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットは、「その他対象となる経費」に「資格・試験に関する受験料等」を入れています。対象になる資格・試験は次の3類型です。

  1. ITスキル標準(ITSS)・DX推進スキル標準(DSS-P)のレベル2・3・4の資格試験(スキル標準ユーザー協会のISVマップに載っているもの)
  2. 公的職業資格(国・地方公共団体や、国から委託を受けた機関が法令の規定に基づいて実施する資格・試験)
  3. 教育訓練給付指定講座分野・資格コード表(最新版)に載っている資格・試験

条件も4つ付いています。訓練終了日の翌日から6か月以内に、訓練カリキュラム等で取得目標とされている資格・試験を受けること、受験料の助成は1つの計画届につき1回までであること、受験料だけを単独で申請できないこと、受験料を含めて申請する場合は受験日の翌日から2か月以内に支給申請することです。

同じ人材開発支援助成金でも、コースによって受験料の扱いが違います。主なコースを並べます。

コース・訓練

受験料

対象になる資格・試験

事業展開等リスキリング支援コース

条件つきで対象経費に入る

上の3類型。ITSS・DSS-Pはレベル2〜4

人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練)

条件つきで対象経費に入る

ITSS・DSS-Pのレベル3か4の資格試験だけ

人への投資促進コース(成長分野等人材訓練)

条件つきで対象経費に入る

ITSS・DSS-Pのレベル3か4、公的職業資格、資格コード表の資格・試験

人材育成支援コース

資格・試験の受験料の項目が無い

対象経費に入るのは技能検定などの職業能力検定の経費

人への投資促進コースの案内は、情報技術分野認定実習併用職業訓練でも受験料が助成対象になるとしています。

型D・フロー型。会社の助成金で資格試験の受験料を申請するまでの順番を左から右へ5つの箱で示す。要素=①訓練カリキュラムに取得目標の資格・試験を書く→②訓練開始の前に計画届を出す→③計画どおりに訓練を実施する→④訓練終了日の翌日から6か月以内に受験する→⑤受験日の翌日から2か月以内に、訓練経費と合わせて支給申請する。①を青で塗り、⑤の下に「受験料だけの単独申請はできない」の注記。事業展開等リスキリング支援コースの場合の順番であることを図の上に小さく添える。結論=会社の助成金で受験料を申請するには、訓練カリキュラムに取得目標の資格を書くところから始まります。

会社の助成金で受験料を申請するには、訓練カリキュラムに取得目標の資格を書くところから始まります。

3類型の3つ目に入っている資格コード表は、もともと教育訓練給付の講座指定に使われる表です。個人の給付金の物差しが、会社の助成金で受験料が対象になる範囲の一部を決めています。

資格の取得を目標にしない研修も含めて、会社の助成金を使う場合の実質負担の目安は料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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合格後|合格で上乗せが出るのは個人の給付金、会社は手当と賃金

資格試験に合格したあとの段でも、個人の給付金と会社の助成金のどちらも、土台の支給は合否で変わりません。合格で動くのは個人の給付金の上乗せで、会社の助成金の割増しは合格とは別の条件で決まります。

個人の給付金|上乗せは特定一般と専門実践の目標資格だけ

一般教育訓練給付金は、指定講座を受講し修了した場合に、本人が払った教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給される制度です。修了は講座の実施者が決めた修了認定基準で判定され、手引はその基準を「出席率や修了試験の合格点など客観的な指標によって定める」としています。資格試験の合否は、一般教育訓練の給付の条件に入っていません。

特定一般教育訓練は、修了で教育訓練経費の40%(上限20万円)が支給されます。ハローワークの案内では、講座が目標としている資格の取得などをし、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合や、「雇用されたまま受講した特定一般教育訓練が目標としている資格取得などをした場合」に、50%(上限25万円)に上がります。

専門実践教育訓練も同じ形で、受講中の50%(年間上限40万円)が、目標の資格の取得などと就職・在職の条件で70%(年間上限56万円)になり、賃金の上昇でさらに上がります。特定一般の上乗せと、専門実践の賃金上昇による上乗せは、令和6年10月1日以降に受講を始めた人が対象です(ハローワークの案内)。

個人の給付金で資格試験の合格が効くのは、特定一般と専門実践の上乗せ分だけです。 在職したまま受講した人も、講座が目標とする資格を取ると上乗せの類型に入り、申請は資格取得か就職の遅いほうの日から1か月以内(特定一般)です。

会社の助成金|合格ではなく、資格等手当と賃金の増額で割増し

この記事で見たコースのパンフレットには、受講者が資格試験に合格したこと自体で助成が増える定めは見当たりません。人材育成支援コースのパンフレットが定める「資格等手当要件」は、資格等手当の支払いを就業規則・労働協約・労働契約等に規定したうえで、訓練終了日の翌日から1年以内(eラーニングなどは起算日が別に定められています)に全ての対象労働者に実際に手当を払い、毎月決まって支払われる賃金を3%以上増やすことです。手当を合格者だけに払う設計では、不合格の受講者が1人でもいると、全ての対象労働者に払う要件に届きません。

資格等手当とは「職務に関連した資格、知識または技能を有している者に対して毎月決まって支払われる手当」をいいます。人材育成支援コースでは、この要件か、賃金を5%以上上げる賃金要件のどちらかを満たすと、割増し分を別途申請できます。個別の通知は無く、申請は会社から行います。

事業展開等リスキリング支援コースでは、資格等手当要件は、設備投資加算の要件のうち賃金要件と並ぶ選択肢の1つです。コースごとの助成率と割増しの有無は、人材開発支援助成金でAI研修|対象の3コースと申請の流れで並べています。

型B・対比型。合格後の段で、個人の給付金の上乗せと会社の助成金の割増しが出る条件を左右に並べる。要素=左(個人の給付金)=①特定一般・専門実践の講座であること②講座が目標とする資格を取ること③修了後1年以内に雇用されるか、在職したまま受講していること④一般教育訓練には上乗せが無い。右(会社の助成金・人材育成支援コース)=①資格等手当を就業規則などに規定すること②訓練終了日の翌日から1年以内に、全ての受講者に手当を払うこと③毎月の賃金を3%以上増やすこと④合格しただけでは割増しにならない。2列の上に「土台の支給は合否で変わらない」の横帯。右側を青で強く。結論=資格試験の合格で上乗せが出るのは個人の給付金で、会社の割増しは全ての受講者への資格等手当か賃金の増額で決まります。

資格試験の合格で上乗せが出るのは個人の給付金で、会社の割増しは全ての受講者への資格等手当か賃金の増額で決まります。


AI・ITの資格で見る|G検定・E資格・基本情報技術者試験

AI・ITの資格で3段を当てると、同じ分野の資格でも、制度の上での位置がそれぞれ違います。ここでは、性格の違う3つの資格を例にします。

資格

資格の性格

個人の給付金での位置

受験料の類型(事業展開等)

G検定(日本ディープラーニング協会)

受験資格の制限なし(主催者のページ)

一般教育訓練の分野・資格コード表(令和8年10月版)に載っている。特定一般の表には見当たらない

1つ目(主催者はITSSレベル2と説明)と3つ目(一般のコード表)

E資格(同協会)

JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが受験資格(主催者のページ)

コード表に名前は無い。主催者は、認定プログラムの一部が専門実践教育訓練の対象で、受験料は給付に含まれないとしている

主催者はITSSレベル3に該当と説明。1つ目に入りうるほか、レベル3・4に限る高度デジタル人材訓練の受験料にも入りうる

基本情報技術者試験

ITSSレベル2の資格(厚生労働省の一覧)

一般・特定一般のコード表に載っている。ITSSレベル2の資格取得を目指す講座として、特定一般・一般の例にも挙がっている

1つ目(ITSSレベル2)と3つ目(一般・特定一般のコード表)

G検定は、講習を受けなくても受けられる試験です。会社が受験の申し込みだけを手配する形は、会社の助成金の対象外の訓練に挙がる「単独で受験して資格を得られるもの」に当たりやすい形です。

事業展開等リスキリング支援コースで受験料を含める余地があるのは、G検定を目標にした訓練が、このコースの対象になる訓練(事業展開やDX化などに伴う訓練)として計画届に載り、カリキュラムで取得目標にしたうえで、訓練終了日の翌日から6か月以内に受けた場合です。受験料は訓練経費と合わせて申請し、支給されるかは審査で決まります。

E資格は、受験資格に認定プログラムの修了が入っていて、訓練と資格が最初から一体になっています。主催者は「認定プログラムでは、厚生労働省の教育訓練給付制度や人材開発支援助成金の対象になっているものがあります」としており、どのプログラムかは講座ごとに確かめます。

基本情報技術者試験は、個人では特定一般の指定を受けた講座で受ければ、目標の資格を取ったときに上乗せの段まで届きえます。会社では、事業展開等リスキリング支援コースの受験料の1つ目と3つ目の類型に入りえますが、レベル3か4に限る人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練の受験料には入りません。

E資格は主催者の説明でレベル3に当たるため、高度デジタル人材訓練の受験料の範囲に入りうる点が、基本情報技術者試験と分かれます。どの類型に入るかは、ISVマップの最新版と労働局の審査で決まります。

同じAI・ITの資格でも、受験の形と、ISVマップやコード表への載り方で、個人の給付金と会社の助成金の扱いが変わります。


社員の資格取得を会社が支えるとき|先に決める3つ

社員の資格取得を会社の助成金で支えるときは、研修会社を決める前に、資格が絡むときだけ増える決めごとを3つ済ませておきます。

型C・帯構造型。社員の資格取得を会社の助成金で支えるときに先に決める3つを、上から3段の帯で示す。要素=上段「目標資格|訓練カリキュラムに取得目標の資格を書くか」。中段「受験の時期|訓練終了日の翌日から6か月以内に受験を置けるか」。下段「手当|資格等手当を就業規則などに規定するか」。各段の左に白抜きのラベル、右に説明枠。上段を青で強く。結論=会社が社員の資格取得を助成金で支えるなら、目標資格・受験の時期・手当の3つを研修会社を決める前に決めておきます。

会社が社員の資格取得を助成金で支えるなら、目標資格・受験の時期・手当の3つを研修会社を決める前に決めておきます。

① 目標資格|訓練カリキュラムに取得目標の資格を書くか

受験料が会社の助成金の対象経費に入るのは、「訓練カリキュラム等において、取得目標とされている資格・試験」を受ける場合です。研修会社に、取得目標の資格をカリキュラムに書けるかを契約の前に確かめてください。

書かない研修なら、受験料は会社の助成金の外に出ます。その場合に受験料を会社が持つのか本人が持つのかも、このときに決めておきます。

② 受験の時期|訓練終了日の翌日から6か月以内に置けるか

受験料を含めて申請するなら、受験はこの6か月の中に置き、支給申請は受験日の翌日から2か月以内に行います。受験料を入れると、支給申請の時期は研修の終わりではなく受験日で決まります。

事業展開等リスキリング支援コースは、厚生労働省の資料で令和4年度から8年度の期間限定と書かれた助成金です。受験日から逆算した申請の時期が制度の期限にかかるかは、リスキリング助成金はいつまで使える?|期限の正体と申請を逆算する順番で確かめてから日程を置いてください。

③ 手当|資格等手当を就業規則などに規定するか

人材育成支援コースで割増しを申請するなら、資格等手当の定めを就業規則・労働協約・労働契約等に置き、訓練終了日の翌日から1年以内に全ての対象労働者へ払う必要があります。パンフレットは、合理的な理由なく手当の支払いをやめる場合や、合理的な理由なくほかの手当を下げて資格等手当を払う場合を、手当を払っているものとは認めないとしています。

割増しのためだけに手当を入れるのではなく、取った資格を職務にどう使うかと合わせて決めてください。

就業規則などに定めた制度に基づいて、社員が自分で選んだ資格の講座に会社が費用を出す場合は、本人の給付金と同じ費用を二重に数えない線引きが先に要ります。この形で使う人への投資促進コースの自発的職業能力開発訓練は、資格・試験の受験料を対象にしていません(詳細版 p.24)。資格取得を含めた人材育成の費用を補助金の名前で探している場合は、資格試験の受験料を対象経費に入れる自治体の補助金の例も載せた補助金で人材育成はできる?|助成金との違いと会社が先に使う制度で、補助金と助成金の違いを先に確かめてください。


DAIJOBUの場合|当社の研修は、入口の段で判断される

DAIJOBUのClaude Code法人研修は、法人が申し込んで費用を払う研修で、この記事の区分では会社の助成金の側に入ります。研修の各回のゴールに、資格の取得は入っていません。

当社の研修の第1回のゴールは、全体像を実際に触って体感し、基本操作を自力で行えることです。

この記事の3段で見ると、当社の研修に受験料の段は関わらず、助成金を使うかどうかの判断は入口の段が中心になります。受講者の職務との関係や訓練の要件で決まり、支給の可否は労働局の審査で決まるため、当社が受給を保証することはできません。

この記事で解けないこと|講座の判定・会社負担・地域の補助

この記事は、一次資料で確かめられる制度の線引きに範囲を絞っています。次の3つには答えを出していません。

  • 特定の講座や試験の判定:受ける講座が指定講座か、特定の試験の受験料が審査で認められるかは、ハローワークと労働局が決めます。資格の表で示した類型は、支給の見込みを示すものではありません
  • 会社が一部を負担したときの給付の計算:本人の名義で払った分だけが教育訓練経費になります(3つの手引とも同じ)。会社との分担を決めたあとの給付の金額は、ハローワークで確かめてください
  • 市区町村や業界団体の資格取得の補助:地域や業界ごとの資格取得の補助は網羅していません。使う場合は、受付の終了告知と対象の形を先に確かめてください

助成金と資格取得に関するよくある質問

Q. 資格試験に落ちたら、教育訓練給付金は受け取れませんか

A. 一般教育訓練の給付は、資格試験の合否ではなく講座の修了で決まります。 特定一般・専門実践にも資格試験の合否に関係なく出る土台の給付があり、合否が関わるのは目標の資格を取ったときの上乗せ分です。

Q. 会社が受験料だけを負担しても、助成金の対象になりますか

A. 受験料だけを単独で申請することはできません。 事業展開等リスキリング支援コースなどで受験料を含める余地があるのは、訓練の経費と合わせて申請し、訓練カリキュラムで取得目標にした資格を訓練終了日の翌日から6か月以内に受ける場合で、支給は審査で決まります。就業規則などに定めた制度に基づいて社員が選んだ講座に会社が費用を出す、人への投資促進コースの自発的職業能力開発訓練では、資格・試験の受験料は対象になりません。

Q. G検定の講座は、教育訓練給付の対象ですか

A. G検定は一般教育訓練の分野・資格コード表に載っていますが、講座ごとの指定を別に確かめる必要があります。 教育訓練講座検索システムで、受ける講座が指定期間の中かを確かめてください。

Q. 社員が自分で取った資格に手当を出すと、助成金は増えますか

A. 社員が自分で取った資格に手当を出すだけでは、助成金は増えません。 資格等手当要件は助成金を使った訓練の受講者について見る要件で、その訓練が無ければ、手当を出しても割増しを申請する先がありません。人材育成支援コースでは、訓練終了日の翌日から1年以内に全ての対象労働者へ手当を払い、賃金を3%以上増やした場合に、割増し分を別途申請できます。

Q. 資格の取得を目標にしない研修でも、会社の助成金は使えますか

A. 資格の取得は、会社の助成金の要件に入っていません。 対象の類型に入るかは、受講者の職務との関係、訓練時間、計画届などの要件で決まり、支給は審査を経て決まります。AI研修で使うときの要件は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れにまとめています。


助成金で資格取得|総括表

論点

押さえるところ

支給の単位

資格ではなく訓練。個人は指定講座の修了、会社は職務関連訓練の実施

資格試験だけの受験

どちらの制度にも入らない。会社の助成金では対象外の訓練に挙がっている

3つの段

入口・受験料・合格後。受験料と合格後の段で、個人と会社の扱いが分かれる

受験料(個人)

教育訓練経費に入らない(一般・特定一般・専門実践の手引)

受験料(会社)

事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースの一部で条件つきで対象経費。取得目標の資格を訓練終了日の翌日から6か月以内に受ける・1計画届1回・単独申請不可・受験日の翌日から2か月以内に申請。人材育成支援コースは資格・試験の受験料の項目が無く、技能検定などの職業能力検定の経費が入る

合格後(個人)

特定一般・専門実践の上乗せ。一般は修了で決まる

合格後(会社)

人材育成支援コースで、全ての受講者に資格等手当を払い賃金を3%以上増やすと割増しを別途申請できる

AI・ITの資格

G検定=単独で受験でき、主催者の説明はITSSレベル2、一般のコード表に掲載/E資格=認定プログラムの修了が受験資格で、主催者の説明はITSSレベル3/基本情報技術者試験=ITSSレベル2で、一般・特定一般のコード表に掲載

会社が先に決める3つ

目標資格・受験の時期・手当


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まとめ|助成金で資格取得はできる?

資格取得の費用は、資格に向けて学ぶ講座や訓練を通してなら公的な制度で軽くできますが、試験を受けるだけでは制度の外に残ります。どこまで軽くなるかは、個人の給付金と会社の助成金のどちらを使うかと、費用が講座の前・試験・合格のあとのどこにかかるかで決まります。

今週やることは3つです。どれも1行ずつ書き出せば足ります。

  1. 今日のうちに、支えたい資格を1つ決め、費用を会社と本人のどちらの名義で払うかを1行で書き出す
  2. 今週中に、本人が払うなら教育訓練講座検索システムで講座の指定と指定期間を、会社が払うなら研修会社に取得目標の資格をカリキュラムに書けるかを確かめる
  3. 今週中に、就業規則に資格等手当の定めがあるかを人事で確かめる

最後に、社内で1つだけ確かめてください。御社が支えたいのは、社員が資格試験を受けることですか、それとも資格に向けた講座で学ぶことですか。

保存用に、この記事の要点を3つに戻します。

  • 助成金や給付金が出るのは、資格そのものではなく、資格を目標にした訓練です。 個人は指定講座の修了で、会社は職務に関連した訓練の実施と審査で支給が決まり、資格試験だけを受けても、どちらの制度にも入りません
  • 資格が効く場所は、入口・受験料・合格後の3段です。 受験料は個人の給付金には入らず、会社の助成金では事業展開等リスキリング支援コースなど一部のコースで、条件つきで対象経費に入ります
  • 資格試験の合格で上乗せが出るのは、個人の給付金の特定一般と専門実践です。 会社の助成金の割増しは合格ではなく、全ての受講者への資格等手当か賃金の増額で決まり、土台の支給はどちらも合否で変わりません

会社の研修として進める場合の実質負担の目安は、料金試算(助成金対応)で確かめられます。

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出典・注記

  • 厚生労働省「教育訓練給付金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html (2026年9月25日参照)。制度の説明の引用
  • ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html (2026年9月25日参照)。特定一般・専門実践の給付率と上限、目標の資格取得などによる上乗せの条件、追加分の申請期限、令和6年10月1日以降の受講開始の扱い
  • 厚生労働省「教育訓練給付金制度(一般教育訓練)関係手引(教育訓練施設用)令和8年4月版」 https://www.mhlw.go.jp/content/001310625.pdf (2026年9月25日参照)。制度の概要はp.1、教育訓練経費の範囲と受験料の扱いはp.12〜13、修了認定基準はp.22
  • 厚生労働省「教育訓練給付金制度(特定一般教育訓練)関係手引(教育訓練施設用)令和8年4月版」 https://www.mhlw.go.jp/content/001310624.pdf 、同「教育訓練給付金制度(専門実践教育訓練)関係手引(教育訓練施設用)令和8年4月版」 https://www.mhlw.go.jp/content/001310623.pdf (いずれも2026年9月25日参照)。受験料を教育訓練経費に入れない扱いは特定一般p.15・専門実践p.17、会社が費用を出すときの扱いは特定一般p.16・専門実践p.19
  • 厚生労働省「教育訓練給付金の講座指定の対象となる主な資格・試験など」 https://www.mhlw.go.jp/content/001473921.pdf (2026年9月25日参照)。ITSSレベル2の資格取得を目指す講座(基本情報技術者試験等)の区分
  • 厚生労働省「一般教育訓練給付指定講座 分野・資格コード表(令和8年10月版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001017252.pdf 、同「特定一般教育訓練」の分野・資格コード表(令和8年10月版) https://www.mhlw.go.jp/content/000763256.pdf 、同「専門実践教育訓練」の分野・資格コード表(令和8年10月版) https://www.mhlw.go.jp/content/001585690.pdf (いずれも2026年9月25日参照)。G検定・E資格・基本情報技術者試験の掲載の有無は、同日に表の全文を検索して確かめたものです
  • 厚生労働省「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」 https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/ (2026年9月25日参照)
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf (2026年9月25日参照)。職務関連訓練の例はp.18、対象にならない訓練はp.28、受験料の3類型と条件、1つ目の類型をISVマップに載っている資格に限る注はp.32、受験料を含む支給申請の期限はp.44、資格等手当要件と設備投資加算はp.34、期間限定の記載は表紙
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年9月25日参照・令和8年8月3日以降に提出された計画届に適用)。資格等手当要件と割増しの申請はp.25〜26、対象にならない訓練はp.38、その他対象となる経費はp.43
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731974.pdf (2026年9月25日参照)。受験料が対象になる訓練はp.5、資格・試験の取扱いはp.11、自発的職業能力開発訓練で受験料が対象にならない点はp.24
  • 一般社団法人日本ディープラーニング協会「E資格」 https://www.jdla.org/certificate/engineer/ 、同「G検定」 https://www.jdla.org/certificate/general/ (いずれも2026年9月25日参照)。受験資格と、認定プログラムの制度上の扱いについての主催者の記載
  • 一般社団法人日本ディープラーニング協会「経済産業省やIPAが策定しているスキル標準について」 https://www.jdla.org/certificate/skill_standard/ 、同「E資格認定プログラム 助成金について(個人向け)」 https://www.jdla.org/certificate/engineer/subsidy01/ 、同「E資格認定プログラム 助成金について(法人向け)」 https://www.jdla.org/certificate/engineer/subsidy02/ (いずれも2026年9月25日参照)。G検定・E資格のITSSレベル、E資格認定プログラムと専門実践教育訓練・人材開発支援助成金の関係、受験料が給付に含まれない点についての主催者の記載
  • NPO法人スキル標準ユーザー協会「公開ドキュメント」 https://www.ssug.jp/docs/ (2026年9月25日参照)。事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレットp.32が1つ目の類型の判定先に挙げるISVマップの公開先
  • 資格取得を講座の前・試験・合格のあとの3つの段に分ける見方は、一次資料の記載を資格取得の時系列で並べ直した当社の整理です。支給の可否を判定するものではありません
  • 研修の第1回のゴールは、当社の自社情報です。個々の企業名・人名は記載していません
  • 本記事は、いずれの制度についても受給を保証するものではありません。支給の可否は各制度の審査と確認で決まり、要件は改正で変わります。実際に使う前に、所管の最新資料と窓口でご確認ください

この記事について

DAIJOBUは、ソフトウェアテスト・品質保証と脆弱性診断を本業としながら、法人向けにClaude Code研修を提供している会社です。本記事は、資格が制度のどの段で効くかを軸に、所管省庁と主催者の一次資料で確かめられる内容と、当社の研修の位置づけを分けて書いたものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月1日

最終更新日

2026年10月1日