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記事・コラム助成金・制度

DX研修の助成金は何を使う?|国と自治体の制度を選ぶ3つの基準

DX研修の助成金は何を使う?|国と自治体の制度を選ぶ3つの基準

DX研修の見積もりを前に助成金を探している会社の候補は、主に国の人材開発支援助成金と、東京都のDXリスキリング助成金のような自治体の制度で、どちらに当たるかはまず研修の長さで分かれます。

10時間以上の研修は国の制度、都内の中小企業等が受ける1研修3時間以上10時間未満の研修は東京都の制度が受け持ち、同じ研修に両方の助成は重ねられません。

この記事の要点は3つ

  1. DX研修の助成金の主な候補は、国の人材開発支援助成金と、東京都のDXリスキリング助成金のような自治体の制度です。 国は10時間以上、東京都の制度は1研修3時間以上10時間未満の研修が対象で、同じ研修に国と都の両方の助成は重ねられません
  2. 国の制度では、DX化に関連する業務に従事させるための研修なら事業展開等リスキリング支援コースが候補です。 2026年8月3日以降に提出する計画届では、DX・GX化に関する訓練でも、職務に間接的に必要なものと職業人として共通して必要なものは対象外になりました。経過措置があります
  3. 制度を選ぶ基準は、研修の長さ・研修の中身・会社の規模と所在地の3つです。 3つの分け方は本記事の整理で、どの制度でも、助成は審査で要件を満たした場合に限られます

国の助成金を当てた場合の実質負担の目安を、研修の人数と企業規模から先に出したい方は、料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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国の事業展開等リスキリング支援コースを主に案内している研修の提供側から、DX研修に当てる制度を1つに絞るところまでを書きます。各制度の様式の書き方と、申請の細かな手順は扱いません。

この記事でわかること

  • DX研修で候補になる、国の2つのコースと東京都の制度の中身
  • 研修の長さで、国と東京都の受け持ちが分かれる理由
  • 2026年8月3日の改正で、DX・GX化に関する訓練のどこが対象外になったか
  • 改正前の扱いが残る経過措置の条件
  • 会社の規模と所在地で、見る制度が変わる場面
  • 同じ研修に助成を重ねないことと、3つの基準で1つに絞る順番

DX研修の助成金とは|国の人材開発支援助成金と自治体の制度が候補

DX研修の助成金という名前の制度は、国にも東京都にもありません。国では厚生労働省の人材開発支援助成金のコース、自治体では東京都の「DXリスキリング助成金」のような制度が、DX研修の経費の一部を助成する候補になります。

ファクトボックス|DX研修で候補になる制度の基本情報

項目

内容

国の制度

人材開発支援助成金(厚生労働省)。DX研修の候補は事業展開等リスキリング支援コースと人材育成支援コース

国の制度の時間の要件

10時間以上のOFF-JT(どちらのコースも、対象外の内容などを除いた実訓練時間数で数える)

自治体の制度の例

令和8年度DXリスキリング助成金(公益財団法人東京しごと財団)

東京都の制度の時間の要件

1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満

同じ研修での併用

東京都の制度は、国又は地方公共団体から助成を受ける研修を対象にしない

国の根拠資料

厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」・「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」いずれも令和8年8月3日版

東京都の根拠資料

東京しごと財団「令和8年度DXリスキリング助成金」のページ(2026年7月8日更新)・募集要項

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf / https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R8dx-risk.html ほか(末尾の出典・注記に資料ごとに掲載)

最終確認日

2026年10月16日

免責

支給・交付には審査があります。要件は改正で変わるため、最新の内容は管轄の都道府県労働局と東京しごと財団でご確認ください

国の2つのコース|DX研修が乗る訓練と助成の割合

コース

DX研修が乗る訓練

経費助成(中小企業/大企業)

賃金助成(1人1時間)

事業展開等リスキリング支援コース

3つの類型のうち「DX・GX化」。DX化を進める場合に、関連する業務に従事させる上で必要な専門的な知識・技能の訓練

75%/60%

1,000円/500円

人材育成支援コース(人材育成訓練)

職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる10時間以上のOFF-JT

正規雇用労働者等は45%/30%。有期契約労働者等は70%

800円/400円

(出典=事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)令和8年8月3日版 p.13・p.38、人材育成支援コースのご案内 令和8年8月3日版 p.14。人材育成支援コースは賃金要件等を満たす場合の加算があり、どちらのコースもeラーニング・通信制による訓練は経費助成のみです)

割合の差は、中小企業の正規雇用労働者で75%と45%の30ポイントです。ただし受け取れる経費助成には1人1訓練ごとの限度額があり、実訓練時間数が10時間以上100時間未満の訓練では、中小企業で事業展開等リスキリング支援コースが30万円、人材育成訓練が15万円です(同 p.38・p.14)。割合の差がそのまま受取額の差になるとは限らないため、見積の1人あたりの経費を限度額と並べてから比べます。

自治体の制度|東京都のDXリスキリング助成金の例

東京しごと財団の令和8年度DXリスキリング助成金は、都内で事業を営み、都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等が、従業員にDX推進のための研修を受けさせたときの経費を助成します。ページによると、助成額は助成対象経費の4分の3で、上限は助成対象受講者1人1研修75,000円、1申請企業等あたり100万円です。

交付申請は研修開始予定日の1か月前までで、受付期間は令和8年3月1日から令和9年2月28日までです(2026年10月16日確認)。上限の効き方と申請の流れは、DXリスキリング助成金とは|東京都でAI研修に使う条件と申請の流れで扱っています。

東京都以外の自治体にも研修費を助成する制度はありますが、対象の会社・研修の長さ・国との関係は自治体ごとに違います。この記事では、DX研修を名前に掲げた東京都の制度を自治体の例として扱います。


基準1 研修の長さ|10時間を境に国と東京都の受け持ちが分かれる

1つ目の基準は研修の長さです。国の人材開発支援助成金は10時間以上のOFF-JTを対象にし、東京都のDXリスキリング助成金は1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満の研修を対象にしています。対象の長さが重なっていないため、研修の長さが決まると、先に見る制度が決まります。

国の側は、事業展開等リスキリング支援コースの詳細版のチェックリスト(p.3)と人材育成支援コースのご案内のチェックリスト(p.3)に、どちらも「訓練時間数が10時間以上の訓練であること」と書かれています。東京都の側は、DXリスキリング助成金のページに「1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満であること」と書かれています。

型C・帯構造型。研修の長さで、先に見る制度を上から3段の帯で示す。要素=1段目「10時間以上」=国の人材開発支援助成金。対象外の内容などを除いた時間で数える/2段目「3時間以上10時間未満」=東京都のDXリスキリング助成金。都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等が対象/3段目「3時間未満」=国と東京都のどちらの時間要件にも入らない。各段の左に時間の白抜きラベル、右に制度名の説明枠。1段目と2段目を青、3段目は淡いグレー。大きな番号は置かない。結論=研修の長さが10時間以上なら国の制度、3時間以上10時間未満なら東京都の制度を先に見ます。

研修の長さが10時間以上なら国の制度、3時間以上10時間未満なら東京都の制度を先に見ます。

同じ10時間でも、国と東京都では数え方が違う

国の事業展開等リスキリング支援コースは、昼食などの休憩・移動時間・助成の対象にならない内容の時間を除いた「実訓練時間数」で10時間を数えます。東京都は、賃金が発生しない休憩を除いた「総研修時間数」で数えます。

この違いから、10時間の前後で組んだ研修は、どちらの時間要件からも外れることがあります。仮の数字を使った計算例と、時間の数え方の違いは、スキルアップ助成金は国と都道府県のどちら?|AI研修で使える制度の分け方で扱っています。

国と東京都のどちらに当てるかは10時間の線で分かれるため、DX研修は2つの数え方で時間を出してから決めます。


基準2 研修の中身|国のどのコースに乗るかは、変える業務で決まる

2つ目の基準は研修の中身です。10時間以上のDX研修で国の制度を見る場合、事業展開等リスキリング支援コースと人材育成支援コースのどちらに乗るか、そもそも対象になるかが、研修の中身と受講者で決まります。

事業展開等リスキリング支援コースのDX・GX類型|関連する業務に従事させるための訓練

事業展開等リスキリング支援コースの対象は、OFF-JTで行う3つの類型の訓練です。DX研修が乗るのは2つ目の類型で、詳細版は「事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合にこれに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練」と定めています(詳細版 p.13)。

同じ詳細版はDXを、ビジネス環境の激しい変化に対応し、デジタル技術を活用して、業務の効率化を図ることや、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、と説明しています(p.14)。この類型で問われるのは、DXを学ぶことではなく、DX化に関連する業務に従事させるために必要な訓練かどうかです。

2026年8月3日の改正で対象外になった範囲|DX・GX化に関する訓練の2項目

2026年8月3日の改正で、事業展開等リスキリング支援コースのDX・GX化に関する訓練について、対象とならない訓練の範囲が変わりました。厚生労働省の改正リーフレットは、本コースのDX化・GX化に関する訓練について、次の実施目的の訓練は助成対象外になると書いています(リーフレット「令和8年8月3日からの変更点について」p.1)。

  • 職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの
  • 職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの

詳細版の「対象とならないOFF-JT」の表でも、この2項目にだけ「令和8年8月3日以降に提出する計画では、DX・GX化に関する訓練であっても対象外となります」という注が付いています(詳細版 p.28 表1の①②)。趣味教養・通常の事業活動など、表の3項目め以降には同じ注はありません。

対象とならない訓練について、改正で変わったのは、事業展開等リスキリング支援コースのDX・GX化に関する訓練について、職務に間接的なものと職業人に共通するものの2項目を対象外とした範囲です。

改正前の支給要領は、この2項目にDX・GX化の除外を置いていました。令和6年10月1日版の支給要領は、表1の1と2のそれぞれに「なお、企業内においてデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める上で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練等である場合は除く」と書いています(事業展開等リスキリング支援コース 支給要領 令和6年10月1日版 p.8 0305 表1)。その後の版を含め、改正前の個別の扱いは管轄の労働局にご確認ください。

改正リーフレットは、判定の観点を、特定の職務に必要な知識・技能か、マナー・リテラシー・概念理解にとどまっていないか、訓練内容に沿って対象労働者を選んでいるか、の3つの問いで示しています。生成AIの訓練を使った対象例と対象外例は、事業展開等リスキリング支援コースとはの改正の章で扱っています。3つ目の問いに当たる、研修のあとにその業務を担う人から受講者を選ぶ手順は、AI研修でリスキリングを進めるには|業務選びから定着まで4段階で扱っています。

経過措置|2026年8月2日以前の契約・申込なら、対象外の例は改正前の要領

改正には経過措置があります。支給要領(令和8年8月3日版)の1402は、まず計画届の提出日が8月3日より前のものに従前の支給要領を当て、次にロで、提出日が8月3日以降でも改正前の扱いが残る場合を定めています(支給要領 p.38 1402 ロ)。

ロが改正前の要領を当てるのは、「0305 の支給の対象としない訓練等の例」の扱いに限られます。当てる要領は、令和8年5月14日付けで改正された事業展開等リスキリング支援コースの支給要領です。

事業外訓練か事業内訓練かは、講師が社外の人かどうかでは決まりません。支給要領は、部外講師を使う訓練や社外の場所で行う訓練でも、事業主が企画し主催したものは事業内訓練としています(支給要領 p.3 0200 ナ)。

  • (イ) 事業外訓練の場合:訓練等に係る教育訓練機関との契約の締結又は申込が令和8年8月2日以前に行われている場合。契約締結日又は申込日がわかる書類で確認されます。定額制サービスによる訓練には別の条件があります
  • (ロ) 事業内訓練の場合:訓練の経費に係る契約、申込、発注その他これらに準ずる行為のうち、当該訓練の実施に関連するものであるいずれか一つ以上が令和8年8月2日以前に行われている場合。契約書・申込書・発注書等を計画届の提出時に出して確認されます
型D・フロー型。経過措置で、対象外の例にどの支給要領が当たるかを上から下へ分岐で示す。要素=最上段の問い「計画届の提出日は2026年8月3日以降か」→「いいえ」は右の箱「従前の支給要領」/「はい」は下へ→問い「教育訓練機関が企画・主催する事業外訓練か、自社が企画・主催する事業内訓練か」→左の枝「事業外訓練」=教育訓練機関との契約の締結又は申込が2026年8月2日以前か/右の枝「事業内訓練」=訓練の実施に関連する経費の契約・申込・発注等のいずれか1つ以上が2026年8月2日以前か→それぞれの枝で「はい」なら箱「対象外の例は、令和8年5月14日に改正された支給要領」、「いいえ」は箱「令和8年8月3日の支給要領」。最下段の2つの箱のうち、結論が指す「令和8年5月14日に改正された支給要領」を青で強く。大きな番号は置かない。結論=計画届の提出日が2026年8月3日以降でも、8月2日以前の契約や申込があれば、対象外の例には令和8年5月14日に改正された支給要領が当たります。

計画届の提出日が2026年8月3日以降でも、8月2日以前の契約や申込があれば、対象外の例には令和8年5月14日に改正された支給要領が当たります。

計画届が8月3日以降のとき、分かれ目になるのは契約や申込の日付です。eラーニングの受講回数の制限(1人の労働者につき1年度で1回まで)を数えない扱いは、事業外訓練の(イ)に当たる場合だけに置かれています(支給要領 p.38 1402 ハ)。

人材育成支援コースの表にも同じ①②がある|②には半分未満の特例

事業展開等リスキリング支援コースで対象外になりそうなDX研修を、人材育成支援コースで出し直せないか、と考える方もいます。人材育成支援コースのご案内の「対象とならないOFF-JT」の表にも、職務に間接的に必要となるものと、職業人として共通して必要となるものが、同じ文言で載っています(人材育成支援コースのご案内 p.38 表1の①②)。

ただし人材育成支援コースには、②の職業人として共通して必要となるものについて特例があります。その訓練がOFF-JTの実訓練時間数に占める時間数が半分未満である場合と、認定職業訓練である場合は、支給対象の訓練として扱われます(人材育成支援コース 支給要領 令和8年8月3日版 p.17 06016、ご案内 p.38 表1の注)。

DXの概念だけを学ぶ研修が①と②のどちらに当たるかは、労働局の判断です。コースを替える前に、研修の中身を受講者の職務に結びつけられるかを確かめ、個別の可否は管轄の労働局にご確認ください。

東京都の制度は「DX推進の目的」で中身を見る

東京都のDXリスキリング助成金は、研修の要件を「申請企業等のDX推進のために必要な知識・技能の習得・向上を目的とする研修又は専門的な資格を取得するための研修」としています(募集要項 p.6)。実施要領は、対象外の研修の1つ目に「DX推進の目的に合致しないもの(通常業務のスキルアップに関するもの)」を挙げています(実施要領 第6条(1))。

型B・対比型。国と東京都が研修の中身を見る言葉を左右に並べる。要素=左「国|事業展開等リスキリング支援コース(DX・GX類型)」=特定の職務に必要な知識・技能か/マナー・リテラシー・概念理解にとどまっていないか/訓練内容に沿って対象労働者を選んでいるか。右「東京都|DXリスキリング助成金」=DX推進のために必要な知識・技能の習得・向上が目的か/通常業務のスキルアップに当たらないか。左右とも同じ濃さの青い枠で、上下の段をそろえない。中央の区切りや分かれ目のラベルは置かない。大きな番号は置かない。結論=国は職務との結びつきと受講者の選び方を、東京都はDX推進の目的に合うかを見ていて、研修の中身を見る言葉が制度ごとに違います。

国は職務との結びつきと受講者の選び方を、東京都はDX推進の目的に合うかを見ていて、研修の中身を見る言葉が制度ごとに違います。

国の制度でDX研修を組む前提で、受講者の人数と企業規模から実質負担の目安を出すなら料金試算(助成金対応)が使えます。

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基準3 会社の規模と所在地|大企業と都外の会社は国の制度から見る

3つ目の基準は、会社の規模と所在地です。東京都のDXリスキリング助成金は対象を都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等に限っていて、大企業の子会社のようなみなし大企業も外れます。国の人材開発支援助成金は、中小企業以外の事業主にも助成の割合を設けています。

国の2つのコースでは、大企業は中小企業より割合が下がります。事業展開等リスキリング支援コースの経費助成は中小企業75%に対して大企業60%、人材育成訓練の正規雇用労働者等は45%に対して30%です(詳細版 p.38、人材育成支援コースのご案内 p.14)。大企業かどうかの判定と、コースごとの限度額の違いは、人材開発支援助成金は大企業も使える?|中小企業との違いで扱っています。

所在地は、本社だけでなく受講者の勤務地まで見ます。東京都の制度の受講者は、都内の事業所に常時勤務する従業員です。都外の支社の社員を同じ研修に入れた場合、その社員は東京都の助成の対象に数えません。

型A・全体像カード型。会社の規模と所在地の組み合わせで先に見る制度を、2行2列の4枚のカードで示す。要素=カード「中小企業等・都内に本社又は主たる事業所」=研修の長さで国か東京都かを選ぶ/カード「中小企業・都内に本社・主たる事業所が無い」=国の制度と、所在地の自治体の制度を見る/カード「大企業・都内」=国の制度を見る。割合は中小企業より下がる/カード「大企業・都内に本社・主たる事業所が無い」=国の制度を見る。「中小企業等・都内に本社又は主たる事業所」のカードを青で強く、ほかの3枚は淡い青。大きな番号は置かない。結論=東京都のDXリスキリング助成金を候補にできるのは都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等で、大企業は国の制度から見ます。

東京都のDXリスキリング助成金を候補にできるのは都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等で、大企業は国の制度から見ます。


同じ研修に国と自治体の助成は重ねない|3つの基準で1つに絞る順番

3つの基準で候補が2つ残っても、同じ研修に国と東京都の両方の助成を当てる前提では組めません。東京都のDXリスキリング助成金は、研修の要件の1つに「助成を受けようとする研修について国又は地方公共団体から助成を受けておらず、今後受ける予定もないこと」を置いています(募集要項 p.6)。

国の詳細版も、助成額の表の上に「同一の事由(同一の訓練受講、経費、賃金等)に係る助成制度を複数利用する場合、併給できない場合があります」と書いています(詳細版 p.38)。国の書き方は「場合があります」で、個別の扱いは制度を所管する窓口への問い合わせを案内しています。

DX研修の助成金は、3つの基準で候補を絞ったあと、1つの研修に1つの制度を当てる前提で計算します。

3つの基準を当てる順番

3つの基準は、次の順に当てると候補が早く絞れます。順番は本記事の整理です。

  1. 会社の規模と所在地:大企業か、都内に本社も事業所も無い会社かを先に見る。当てはまれば東京都の制度は外れる
  2. 研修の長さ:10時間以上なら国、3時間以上10時間未満なら東京都、3時間未満ならどちらの時間要件にも入らない
  3. 研修の中身:国なら、DX化に関連する業務に従事させる訓練として事業展開等リスキリング支援コースに乗るかを見る。東京都なら、DX推進の目的に合うかを見る

会社の条件を最初に置くのは、研修の長さや中身を詰める前に、使えない制度を外せるからです。長い研修を分けて国と東京都の両方に出す形の注意点は、スキルアップ助成金は国と都道府県のどちら?|AI研修で使える制度の分け方で扱っています。


この記事で解けないこと|個別の判定・他の自治体・令和9年度以降

この記事は、DX研修に当てる制度を絞るところまでを扱います。次の3つは、この記事では答えが出ません。

① 自社のDX研修が対象になるかの判定

対象になるかは、国は労働局、東京都は東京しごと財団の審査で、計画届や交付申請の内容をもとに判断されます。この記事にも研修会社にも、その判定を先に出す立場はありません。

② 東京都以外の自治体の制度

自治体の研修費の助成は、対象の会社・研修の長さ・国との関係が自治体ごとに違い、時間の下限を置かない制度もあります。都外の会社は、所在地の都道府県と市区町村のページで確かめてください。

③ 令和9年度以降の扱い

事業展開等リスキリング支援コースは、厚生労働省の資料で令和4年度から8年度の期間限定の助成金として創設されたと書かれています。令和8年度は2026年度で、それ以降の扱いは公表される情報でご確認ください。


DAIJOBUの場合|12時間の研修で国の制度に合わせている

DAIJOBUは法人向けにClaude Codeの研修を提供しており、研修費の相談では、国の事業展開等リスキリング支援コースを主な制度として案内しています。訓練名目は「生成AIによるDX推進・業務再構築実装研修」で、本編は12時間です。

12時間で組んでいるのは、国の側の時間の要件に入る長さにするためで、東京都のDXリスキリング助成金の1研修3時間以上10時間未満には入りません。東京都の制度は、短い研修を組む場合に次に検討する制度として扱い、同じ研修に国の制度と重ねる前提では案内していません。

そのうえで、助成の対象かどうかを最後に判断するのは審査で、研修会社ではありません。 申請するのは受講する会社です。私たちができるのは、要件に沿ったカリキュラムを出すことと、対象外になりやすい内容の時間を事前に共有することまでです。


DX研修の助成金に関するよくある質問

Q. DXの概念を学ぶ研修でも、助成金は使えますか

A. 国の事業展開等リスキリング支援コースでは、2026年8月3日以降に提出する計画届の場合、DXの概念やデジタル技術の概要を学ぶだけの訓練は対象外の例に挙がっています。 改正リーフレットが、DX化を進める上での共通知識の習得にとどまるものを助成対象外の例にしているためです。経過措置に当たる場合は、改正前の要領が当たります。

Q. 2026年7月に研修会社へ申し込んだDX研修は、改正前の扱いになりますか

A. 教育訓練機関が企画・主催する事業外訓練で、教育訓練機関との契約の締結又は申込が2026年8月2日以前なら、対象外の例には改正前の要領が当たります。 申込日がわかる書類を計画届のときに出して確認されます。計画届の期限は別にかかるため、訓練開始の1か月前までに出す必要があります。

Q. 東京都内の中小企業は、国と都のどちらを先に見ればよいですか

A. 国と都のどちらを先に見るかは、研修の長さで決めます。 10時間以上なら国の人材開発支援助成金、1研修3時間以上10時間未満なら東京都のDXリスキリング助成金が候補で、同じ研修に両方の助成は重ねられません。

Q. 自社で企画して外部の講師を招くDX研修は、経過措置でどちらの訓練に当たりますか

A. 事業主が企画し主催した訓練は、部外講師を使っても事業内訓練です(支給要領 p.3 0200 ナ)。 事業内訓練の経過措置は、訓練の実施に関連する経費の契約・申込・発注等のいずれか1つ以上が2026年8月2日以前に行われているかで見ます。契約書・申込書・発注書等を計画届のときに出して確認されます。


DX研修の助成金を選ぶ3つの基準|総括表

基準

国の人材開発支援助成金

東京都のDXリスキリング助成金

先に確かめること

1. 研修の長さ

10時間以上のOFF-JT

1研修3時間以上10時間未満

国と都の両方の数え方で時間を出す

2. 研修の中身

DX・GX類型は、関連する業務に従事させるための訓練か。2026年8月3日以降の計画届は、職務に間接的なもの・職業人に共通するものが対象外

DX推進の目的に合うか。通常業務のスキルアップは対象外

変える業務と受講者の職務を1行で書けるか

3. 会社の規模と所在地

大企業も申請できる。割合は企業規模で変わる

都内に本社又は主たる事業所がある中小企業等

大企業か、都内に本社や事業所があるか

併用

同一の事由で併給できない場合がある

国又は地方公共団体から助成を受ける研修は対象外

1つの研修に1つの制度を当てる

3つの分け方と当てる順番は本記事の整理で、厚生労働省と東京しごと財団が定めた区分ではありません。



まとめ|DX研修の助成金は何を使うか

DX研修の助成金は、10時間以上の研修なら国の人材開発支援助成金、都内の中小企業等が受ける3時間以上10時間未満の研修なら東京都のDXリスキリング助成金が主な候補です。国の制度では、研修の中身と受講者で、事業展開等リスキリング支援コースに乗るかが決まります。

制度を選ぶ前に、次の3つから始められます。

  1. 今日:自社が大企業か、都内に本社や事業所があるかを確かめ、候補から外れる制度を選び出す
  2. 今週中:検討中のDX研修の時間を、国の実訓練時間数と東京都の総研修時間数の両方で出す
  3. 今週中:研修会社との契約や申込の日付を確かめ、2026年8月2日以前のものがあるかを書き出す

最後に、社内で自分に問える1問を置きます。御社のDX研修は、研修のあとにどの部署の誰が、どの作業を変えるための研修かを、1行で書けますか。

  • DX研修の助成金の主な候補は、国の人材開発支援助成金と、東京都のDXリスキリング助成金のような自治体の制度です。 国は10時間以上、東京都の制度は1研修3時間以上10時間未満の研修が対象で、同じ研修に国と都の両方の助成は重ねられません
  • 国の制度では、DX化に関連する業務に従事させるための研修なら事業展開等リスキリング支援コースが候補です。 2026年8月3日以降に提出する計画届では、DX・GX化に関する訓練でも、職務に間接的に必要なものと職業人として共通して必要なものは対象外になりました。経過措置があります
  • 制度を選ぶ基準は、研修の長さ・研修の中身・会社の規模と所在地の3つです。 3つの分け方は本記事の整理で、どの制度でも、助成は審査で要件を満たした場合に限られます

国の助成金を当てた場合の実質負担の目安は、研修の人数と企業規模から料金試算(助成金対応)で出せます。

料金を試算する(助成金対応) ▶

研修の中身と進め方をまとめた研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読むもご利用いただけます。

研修を検討する前に、助成金の確認ポイントを読む


出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf (2026年10月16日参照)。チェックリストの時間要件(p.3)、3つの類型(p.13)、DXの説明(p.14)、対象とならないOFF-JTの表と改正の注(p.28)、助成率・限度額・併給の注(p.38)、経過措置(p.39)による
  • 厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf (2026年10月16日参照)。DX化・GX化に関する訓練の対象外の範囲と、判定の3つの観点(p.1)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース 支給要領」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731981.pdf (2026年10月16日参照)。事業内訓練の定義(p.3 0200 ナ)、1402 経過措置のロ(イ)(ロ)とハ(p.38)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース 支給要領」令和6年10月1日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001310488.pdf (2026年10月16日参照)。改正前の表1の1・2に置かれていたDX・GX化の除外(p.8 0305)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf (2026年10月16日参照)。チェックリストの時間要件(p.3)、人材育成訓練の助成率・限度額(p.14)、対象とならないOFF-JTの表と②の注(p.38)による
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金 人材育成支援コース 支給要領」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001732734.pdf (2026年10月16日参照)。支給の対象としない訓練等の特例的取扱い(p.17 06016)による
  • 公益財団法人東京しごと財団「令和8年度DXリスキリング助成金」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-R8dx-risk.html (2026年7月8日更新・2026年10月16日参照)。対象の会社、時間の要件、助成率と上限、申請期限、受付期間による
  • 同「令和8年度DXリスキリング助成金 募集要項」・「DXリスキリング助成金実施要領」令和7年2月17日改正版(同ページから掲載・2026年10月16日参照)。研修の要件と国・自治体の助成との関係(募集要項 p.6)、対象外の研修(実施要領 第6条(1))、受講者の勤務地による
  • 同「スキルアップ支援事業 よくあるお問い合わせ」 https://www.koyokankyo.shigotozaidan.or.jp/jigyo/skillup/skill-faq.html (2026年7月14日更新・2026年10月16日参照)。Q21(本社が都外の場合)による
  • 3つの基準と、基準を当てる順番は、本記事の整理です
  • 研修費の相談で事業展開等リスキリング支援コースを主な制度として案内していること、訓練名目、本編12時間は、当社の自社情報です
  • 助成率・上限額・要件は改正で変わります。本記事は2026年10月16日時点で確認した内容で、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局と東京しごと財団でご確認ください

この記事について

本記事は、法人向けにClaude Codeの研修を提供するDAIJOBUが、DX研修に当てる助成金の選び方を、厚生労働省と東京しごと財団の一次資料に沿って整理したものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月20日

最終更新日

2026年10月20日

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