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AI研修でリスキリングを進めるには|業務選びから定着まで4段階

AI研修でリスキリングを進めるには|業務選びから定着まで4段階

社員のリスキリングに研修を使う会社は、研修の日程より先に、研修のあとで変える業務と、その業務を担う受講者を決めておきます。AI研修でリスキリングを進める流れは、変える業務・対象者・研修・業務で使う場の4段階で、研修はその3つ目にあたります。

前の2段階が抜けると、受講者は身につけた操作を当てる業務を持たずに研修を終えます。後の1段階が抜けると、研修で動かせた操作が、翌月の業務の中で使われないまま残ります。

この記事の要点は3つ

  1. AI研修でリスキリングを進める流れは、変える業務を決める・対象者を選ぶ・研修を受ける・業務で使う場を用意する、の4段階です。4段階の分け方は本記事の整理で、厚生労働省の分類ではありません
  2. 助成金を使う場合、研修の日程は計画届の期限から逆算して決めます。事業展開等リスキリング支援コースの計画届は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に労働局へ提出し、変える業務と対象者はその中身になります
  3. 研修のあとで業務に使う場を用意するのは、研修会社ではなく会社の側です。同じコースのうち「企業内の人事及び人材育成に関する計画」に基づく訓練では、訓練終了後に予定していた職務へ受講者を就かせ、実施状況を労働局に報告することが求められます

企業規模と人数から、助成金を使った場合の実質負担の目安を先に見ておきたい方は、料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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社員にAIを使った業務のやり方を研修で教えている側から、研修の前と後に会社が決めることに絞って書きます。助成金の率・上限額・申請書類の書き方は扱いません。

制度の要件と金額は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れで扱っています。この記事は、その制度を使う場合も使わない場合も変わらない、研修の前後に置く段階の順番を扱います。

この記事でわかること

  • AI研修でリスキリングを進めるときの4段階と、研修が何番目にあたるか
  • 研修の前に決める、変える業務と対象者の選び方
  • 計画届の期限から研修の日程を逆算する方法と、対象外になりやすい研修の中身
  • 研修のあとで業務に使う場を用意するときに決める3つ
  • 助成金を使う場合に、4段階のどこでどの書類と期限が関わるか

AI研修でリスキリングを進めるとは|研修の前後まで含めた一続きの施策

AI研修でリスキリングを進めるとは、受講者が担う業務のやり方をAIを使う形に組み替え、その業務を研修のあとも続けさせるまでを、会社の施策として通すことです。研修は施策の中の1回の機会で、施策そのものではありません。

リスキリングの定義、DX研修との違い、研修そのものの中身を設計する要素は、リスキリング研修とは|DX研修と何が違うか、会社が設計する4要素で扱っています。

この記事は、研修の外側にある段階を時間の順に並べます。中心に置くのは、研修のあとの段階4と、計画届の期限から日程を逆算する段階3です。

ファクトボックス|AI研修でリスキリングを進めるときに関わる制度の基本情報

項目

内容

主に使われる制度

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

所管・窓口

厚生労働省。申請先は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局

対象訓練の基本要件

OFF-JTで、実訓練時間数が10時間以上で、事業展開・DX化GX化・人事及び人材育成に関する計画の3類型のいずれかに当てはまる

計画届の提出期間

訓練開始日の6か月前から1か月前までの間

支給申請の期限

訓練終了日の翌日から起算して2か月以内

受講回数の上限

同一の労働者について1年度で3回まで。うちeラーニングによる訓練は1回まで(2026年8月3日以降に提出された計画届に基づく受講を算入)

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf / https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf

参照日

2026年10月16日

免責

支給は審査で要件を満たした場合に決まります。要件は制度改正で変わるため、最新の内容は管轄の労働局でご確認ください

4段階のうち、研修は3つ目にあたる

段階

会社が決めること

研修との位置

1. 変える業務を決める

どの職務の、どの作業を、AIを使う形にどう変えるか

研修の前

2. 対象者を選ぶ

その作業を研修のあとで担う人は誰か

研修の前

3. AI研修を受ける

計画届の期限から逆算した日程と、業務に直結する研修の中身

研修

4. 業務で使う場を用意する

研修のあと、どの業務の中で使い、誰が結果を見るか

研修の後

4段階の分け方は、厚生労働省の事業展開等リスキリング支援コースの資料にある要件と、当社の研修の進め方をもとにした本記事の整理です。助成金を使わない場合も、同じ順番で進められます。

型D・フロー型。研修だけを実施したときに、どこで業務の変化が止まるかを、左から右への流れで示す。要素=流れの箱は「研修の前」→「研修」→「研修の後」の3つ。「研修の前」の箱の下に、抜けたときの吹き出し「当てる業務がないまま受講する」。「研修の後」の箱の下に、抜けたときの吹き出し「動かせた操作が業務で使われない」。中央の「研修」の箱だけは白地に青枠、前後の2つの箱を青で強くする。左に本文の「研修は3つ目」に合わせた番号3を置く。結論=研修だけを実施すると、前では当てる業務がなく、後では使う場面がないため、業務の変化は研修の前後で止まります。

研修だけを実施すると、前では当てる業務がなく、後では使う場面がないため、業務の変化は研修の前後で止まります。

研修から始めると、前の2段階があとから埋まらない

研修の日程から決めると、受講者は空いている人から埋まり、研修で扱う業務は研修会社の標準の題材になりやすくなります。そうなると、研修のあとで「どの業務に使うか」を受講者が自分で探すことになります。

助成金を使う場合、前の2段階は計画届の中身そのものです。変える業務は事業展開等実施計画に、対象者は対象労働者の一覧に書くため、研修の日程だけが先に決まっていると、計画届の期限までに書く中身が揃いません。

AI研修でリスキリングを進めるときは、研修の日程ではなく、研修のあとで変える業務から決めます。


段階1 変える業務を決める|「AIを学ぶ」ではなく「どの作業をどう変えるか」

段階1では、AI研修のあとで変える業務を、職務と作業の単位で決めます。「AIで生産性を上げる」「AIリテラシーを底上げする」は目的であって、変える業務ではありません。

業務は「職務・作業・変え方」の3つで書く

変える業務は、どの職務の、どの作業を、AIを使ってどう変えるかの3つで書きます。3つが揃うと、研修で扱う題材と、研修のあとで確かめる場面が同時に決まります。

厚生労働省の改正リーフレットは、生成AIを扱う訓練を、助成対象の例と助成対象外の例の両方に挙げています(厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について」p.1)。分かれ目は、特定の職務の業務にそのまま使える内容かどうかです。

2つの例の中身と判定の観点は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れで扱っています。

型C・帯構造型。変える業務を書くときの粒度を、上から3段の帯で示す。要素=1段目「職務」=例:営業担当者/2段目「作業」=例:商品提案書の作成/3段目「変え方」=例:構成案・文章・修正を生成AIで行う。入れ子の3段(職務の中に作業、作業の中に変え方)で、各段の左上にタグ。3段目の「変え方」を青で強く、1〜2段目は淡い青。帯の下に淡いグレーの注記「例は厚生労働省の改正リーフレットの助成対象の例による」。大きな番号は置かない。結論=変える業務は、職務・作業・変え方の3段まで書いたときに、研修の題材と研修後に確かめる場面が決まります。

変える業務は、職務・作業・変え方の3段まで書いたときに、研修の題材と研修後に確かめる場面が決まります。

今の職務のまま変えるか、別の職務へ移るかを決める

変える業務を決めるとき、受講者が今の職務のまま作業のやり方を変えるのか、研修のあとで別の職務へ移るのかを、あわせて決めます。事業展開等リスキリング支援コースの対象訓練は3つの類型に分かれ、どちらを選ぶかで当てはまる類型が変わります。

類型(詳細版 p.13)

原典の書き方の要点

受講者の職務

① 事業展開

新たな分野で必要となる専門的な知識・技能。訓練開始日から3年以内に実施する予定の事業展開、または6か月前までに実施したものに限る

新たな分野の業務

② DX化・GX化

企業内のDX化・GX化に関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識・技能

今の職務のままでも当てはまる

③ 人事及び人材育成に関する計画

計画に基づき今後従事することが予定される職務に必要な知識・技能。訓練開始日から3年以内に従事が予定される職務に限る

今と異なる、今後従事する予定の職務(定額制サービスによる訓練は対象外)

(出典=厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 p.13とその注。③は、訓練開始日時点で従事している職務と異なる職務に関連する訓練である必要があります。「受講者の職務」の列は、原典の書き方を本記事で読み替えた整理です)

AI研修の多くは②に当たります。③を選ぶと、研修のあとで受講者を予定の職務に就かせることが支給の条件に入るため、段階4の中身が変わります。

助成金を使うなら、段階1は事業展開等実施計画になる

事業展開等リスキリング支援コースでは、事業展開等実施計画(様式第1-3号)を作成する事業主であることが、支給対象事業主の要件の1つです(詳細版 p.17)。段階1で書いた職務・作業・変え方は、この計画の材料になります。

変える業務を職務・作業・変え方で書けていれば、研修の題材も、計画届に書く中身も、同じ1行から決まります。


段階2 対象者を選ぶ|研修後にその作業を担う人から選ぶ

段階2では、段階1で決めた作業を、研修のあとで担う人をAI研修の対象者にします。役職や部署で一律に選ぶと、研修で扱った作業と受講者の毎日の業務がずれます。

訓練内容に沿って対象労働者を選んでいるかは、改正リーフレットが助成の判定の観点の1つに挙げている点です(同 p.1)。同じ研修でも名簿で結論が変わる例と、職務で選ぶ基準の表は、リスキリング研修とは|DX研修と何が違うか、会社が設計する4要素の対象者の章で扱っています。

段階1の選び方で、対象者の選び方も変わる

段階1で「今の職務のまま変える」を選んだ場合、対象者はその作業を今担当していて、研修のあとも担当を続ける人です。異動が決まっている人は、研修で動かせた操作を、研修のあとで当てる業務を持ちません。

段階1で「別の職務へ移る」を選び、③の類型で計画する場合は、研修のあとでその職務に就く予定の人が対象者です。

詳細版は、受講予定の労働者に計画の内容と受講の目的を説明・確認したうえで、業務命令による受講であることの承諾書を取ることを求めています(詳細版 p.16)。中小企業の場合は、計画届の前に、認定経営革新等支援機関に計画の内容の確認を受けます(詳細版 p.16・p.42)。

同じ③の類型では、生産性向上を名目とした人員削減や、労働者の意向を考慮しない人事配置など、労働者の不利益につながる計画は認められません。不利益な取扱いが確認された場合は、不支給決定または支給決定の取消しになると書かれています(詳細版 p.15)。

助成金を使う場合、対象者は「対象労働者一覧」に載せた雇用保険の被保険者で、通学制または同時双方向型の通信訓練では受講時間数が実訓練時間数の8割以上であることも要件です(詳細版 p.17)。受講者の要件の全体は、人材開発支援助成金の条件とは|AI研修で通る要件と落ちる4つの理由で扱っています。

対象者は、研修のあとでその作業を担う人の中から、職務で選びます。


段階3 AI研修を受ける|計画届の期限から日程を逆算する

段階3では、AI研修の日程と中身を決めて、研修を受けます。助成金を使う場合、日程は研修会社の空き枠からではなく、計画届の期限から逆算して決めます。

計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに出す

事業展開等リスキリング支援コースでは、訓練カリキュラムをあらかじめ作り、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、職業訓練実施計画届を労働局に提出します(詳細版 p.19)。提出期限が土・日や休日にあたる場合は、翌開庁日が期限です(詳細版 p.41)。

郵送の場合は、書類が労働局に到達した日が提出日で、消印有効ではありません(詳細版 p.41)。計画の内容が変わったときは変更届を出し、期限までに出さずに変えた部分は助成の対象から外れます(詳細版 p.19)。

訓練開始日の1か月前は、計画届が労働局に届いていなければならない日です。計画届には段階1で決めた業務と段階2で決めた対象者を書くため、書類の準備と送付の日数を見込んで、段階1と段階2の締め切りはそこからさらに前に置きます。

提出の目安をどこに置くかは、人材開発支援助成金はいつまでに申請?|計画届と支給申請の2つの期限で扱っています。

型D・フロー型。研修の開始日から逆算して、4段階をいつまでに終えるかを、左から右への時間軸で示す。要素=時間軸の左から順に「段階1・段階2を終える」→「計画届の提出期間(訓練開始日の6か月前から1か月前まで)」→「訓練開始日」→「研修」→「訓練終了日」→「支給申請(訓練終了日の翌日から2か月以内)」。時間軸の下に、段階4の帯「業務で使う場を用意する」を訓練終了日の右側へ伸ばす。計画届の提出期間の区間を青で強くする。大きな番号は置かない。結論=研修の日程は計画届の期限から逆算し、段階1と段階2は訓練開始日の1か月前より前に終えます。

研修の日程は計画届の期限から逆算し、段階1と段階2は訓練開始日の1か月前より前に終えます。

研修の中身は、段階1の作業に直結させる

このコースの対象になる訓練は、OFF-JTで実施され、実訓練時間数が10時間以上で、3つの類型のいずれかに当てはまるものです(詳細版 p.13)。

2026年8月3日の改正リーフレットは、このコースのDX化・GX化に関する訓練について、職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のものと、職業、または職務の種類を問わず職業人として共通して必要となるものを、助成対象外となる実施目的に挙げています(同 p.1)。この2つは以前から対象外の項目で、DX化・GX化の訓練にもこの除外がかかることが示されました。

改正リーフレットは、判定の観点の2つ目に「マナー、リテラシー、概念理解にとどまっていないか」を置いています。対象外の例の1つは、DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練です(厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について」p.1)。

AI研修の冒頭に置かれがちな「AIとは何か」の時間がこれに近く、段階1の作業に当てる演習の時間を厚くするほど、制度の観点にも沿います。

対象外の内容が混ざったときの時間の数え方と、10時間の下限の確かめ方は、事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れの対象にならない訓練の章で扱っています。

改正には経過措置があります。教育訓練機関との契約の締結または申込が2026年8月2日以前に行われている場合などは、改正前の支給要領が適用されます(詳細版 p.39)。条件の表は同じ記事の改正の章で扱っています。

同じ人の受講は、1年度で3回まで

助成の対象になる受講回数は、同一の労働者について1つの年度で3回までです。このうちeラーニングによる訓練は、複数の実施方法を組み合わせた訓練も含めて、1つの年度で1回までです(厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について」p.1)。

eラーニングの回数に数えるのは、2026年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練の受講だけです。ここでいう年度は、支給申請日を基準にした4月1日から翌年3月31日までを指します(同 p.1 の注)。

1回のAI研修で終えず、段階4のあとにもう1つの業務で同じ4段階を回すなら、同じ受講者の回数がこの上限に入る点を、年度の初めに数えておきます。


段階4 業務で使う場を用意する|研修後の配置と最初の3か月

段階4では、研修のあとで、受講者が段階1の作業をAIを使うやり方で続ける場を、会社が用意します。研修で操作を動かせた受講者も、業務の予定と確認の手順が昔のままなら、元のやり方に戻ります。

研修のあとで会社が決める3つ

研修のあとで会社が決めることは、主に次の3つです。3つの分け方は本記事の整理です。

1つ目は、使う場面です。段階1で決めた作業を、研修の翌月の業務の予定のどこで、AIを使うやり方で行うかを決めます。「使ってよい」と伝えるだけでは、締め切りの近い業務ほど慣れたやり方が選ばれます。

2つ目は、結果を見る人です。AIを使って作った成果物を、誰が確かめて次の工程へ渡すかを決めます。確かめる人がいないと、受講者は自分の判断だけで社外へ出すか、使うのをやめるかのどちらかになります。

3つ目は、続いているかを見る指標です。

③の類型の計画では、訓練効果を測ることができる生産性向上やスキル習得などの指標を設定することが、計画の要件に入っています(詳細版 p.15)。②の類型で進める場合も、同じ考え方で、段階1の作業にかかった時間や回数のような指標を1つ決めておきます。

型A・全体像カード型。研修のあとで会社が決める3つを、上段に横並びの3枚のカード、下段に幅いっぱいの破線の帯で示す。要素=上段1枚目「使う場面」=研修の翌月の業務の予定に、段階1の作業を入れる/上段2枚目「結果を見る人」=AIで作った成果物を確かめて次の工程へ渡す人/上段3枚目「続いているかを見る指標」=段階1の作業の時間や回数など1つ/下段の破線の帯「③の類型で計画した場合」=予定していた職務に就かせ、実施状況を労働局へ報告する。「使う場面」の枠を青で強く、ほかは淡い青。左に本文の「段階4」に合わせた番号4を置く。結論=研修のあとで会社が決めるのは、使う場面・結果を見る人・続いているかを見る指標の3つで、③の類型ではそこに職務への配置と報告が加わります。

研修のあとで会社が決めるのは、使う場面・結果を見る人・続いているかを見る指標の3つで、③の類型ではそこに職務への配置と報告が加わります。

③の類型では、研修のあとの配置まで支給の条件に入る

③の「企業内の人事及び人材育成に関する計画」に基づく訓練では、訓練終了後、すべての支給対象労働者を、計画で今後従事することを予定していた職務に従事させたうえで、計画の実施状況を労働局に報告します(詳細版 p.16)。

報告には、その職務に従事したことと、従事することになった日が分かる雇用契約書や労働条件通知書の写しなどを付けます。

合理的な理由がなく予定の職務に従事させていない場合や、その前後で賃金・手当が合理的な理由なく引き下げられている場合は、不支給決定または支給決定の取消しになります(詳細版 p.16)。段階4の配置が、助成金の側でも確かめられる構造です。

実施状況報告の期間は、訓練開始日から起算して3年を経過する日の翌日から2か月以内です。すべての支給対象労働者が予定の職務に従事した場合は、全員が従事することになった日の翌日から報告書を提出できます(詳細版 p.49)。

当社の研修では、最終回に3か月分の推進計画を下書きする

当社のClaude Code研修では、最終回の組織活用編のグループワークで、受講者が自社向けの推進ロードマップを3か月分ドラフトします。研修の中で段階4の下書きまでを作り、研修のあとでそれを会社の業務の予定に入れる、という分担です。

ドラフトを書くのは受講者ですが、どの業務の予定に入れ、誰が結果を見るかを決めるのは会社です。研修会社が研修のあとの配置を決めることはできないため、段階4の持ち主は最初から会社の側に置きます。

研修のあとで業務に使う場を用意するのは研修会社ではなく会社で、研修の中で作った下書きは、会社が業務の予定に入れたときに初めて使われます。


助成金を使う場合の4段階|段階ごとに関わる書類

AI研修のリスキリングに事業展開等リスキリング支援コースを使う場合、4段階のそれぞれに、計画届・支給申請・実施状況報告のどれかの書類が対応します。段階ごとに主に関わる書類は、末尾の総括表にまとめました。

段階1の事業展開等実施計画と段階2の対象労働者一覧は、段階3の職業訓練実施計画届と一緒に出します(詳細版 p.42)。段階4で書類が要るのは、③の類型で計画した場合の実施状況報告だけです(詳細版 p.49)。

計画届と支給申請の期限の数え方は、人材開発支援助成金はいつまでに申請?|計画届と支給申請の2つの期限で扱っています。

計画届を出しても、支給が決まるわけではない

詳細版は、令和7年度以降、支給・不支給の決定に係る審査を支給申請後に一括して行うことになったと書いています。そのうえで、計画届を提出したことをもって、助成金が確実に支給されるものではないと明記しています(詳細版 p.40)。

支給は、支給申請のあとの審査で要件を満たした場合に決まります。そのため、助成金が通った場合に実質負担が下がる、という順番で予算を考えます。訓練経費は、支給申請日までに会社が全額を負担しておく必要があります(詳細版 p.3)。

助成金を使う場合も、4段階の順番は変わらず、段階1と段階2の中身がそのまま計画届の書類になります。

対象者の人数と企業規模から、助成金を使った場合の実質負担の目安を出すなら、料金試算(助成金対応)が使えます。

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企業規模や制度の選び方で変わる点

助成の率と上限は、中小企業か大企業かで変わります。大企業が使う場合の率と上限、中小企業との違いは、人材開発支援助成金は大企業も使える?|中小企業との違いで扱っています。

事業展開等リスキリング支援コースのほかに、自治体の制度を含めてどれを使うかを決めたい場合は、DX研修の助成金は何を使う?|国と自治体の制度を選ぶ3つの基準が先に読む記事です。


4段階で解けないこと|研修の外に残る判断

4段階を順に進めても、AI研修だけでは決まらないことが残ります。会社の判断として、4段階の外で扱います。

助成金が支給されるかどうか

4段階を制度の要件に沿って進めても、支給されるかどうかは労働局の審査で決まります。詳細版は、受講すれば必ず助成金が受給できるなどと、厚生労働省や労働局・ハローワークが保証することもないと書いています(詳細版 p.55)。研修会社も、支給を約束することはできません。

業務の手順と承認の流れの組み替え

段階4で使う場面を用意しても、成果物を確かめて承認する手順が昔のままなら、AIで速くなった作業の分だけ、確認の待ち時間が目立つことがあります。確認の手順と承認の流れをどう組み替えるかは、業務の持ち主である部署の判断で、研修の中では決められません。

処遇と人事評価の設計

③の類型で別の職務に移す場合は、賃金や手当を合理的な理由なく下げないことが支給の条件に入ります(詳細版 p.16)。そのうえで、新しい職務での評価や処遇をどう設計するかは、人事制度の判断であり、この記事では扱いません。


AI研修のリスキリングに関するよくある質問

Q. AI研修でリスキリングを進めるとき、最初の1回は何人から始めればよいですか

A. 人数ではなく、段階1で決めた業務を担う人の数から決めます。 1つの業務を担う人が3人なら、最初の受講者はその3人から考えます。研修会社によっては、開催できる人数に条件がある場合があります。

Q. 研修のあとで受講者を異動させないと、リスキリングになりませんか

A. 今の職務のまま作業のやり方を変える場合も、リスキリングに含まれます。 事業展開等リスキリング支援コースの②の類型は、DX化・GX化に関連する業務に従事させる上で必要な訓練と書かれていて、③のように今後従事する予定の職務を前提にした書き方ではありません。研修のあとの職務への配置が支給の条件に入るのは、③の類型で計画した場合です。

Q. 研修の日程を先に決めてしまった場合は、どうすればよいですか

A. 今日から研修の開始日まで1か月以上あるなら、日程はそのままで段階1と段階2を先に埋めます。 計画届は開始日の1か月前までに労働局へ届いている必要があるため、書類の準備と送付の日数を引いて間に合うかを確かめます。間に合わない場合、助成金を使うなら日程をずらし、ずらせないなら助成金を使わずに進めるかを決めます。

Q. 研修のあとの定着は、研修会社に任せられますか

A. 研修会社に任せられるのは、研修の中で作る下書きと、研修のあとの相談までです。 どの業務の予定に入れ、誰が結果を見るかは会社の業務の決めごとのため、会社の側で決めます。


AI研修でリスキリングを進める4段階|総括表

段階

会社が決めること

助成金を使う場合に主に関わる書類

1. 変える業務を決める

職務・作業・変え方の3つで、変える業務を書く

事業展開等実施計画(様式第1-3号)

2. 対象者を選ぶ

研修のあとでその作業を担う人を、職務で選ぶ

対象労働者一覧(様式第3-1号。定額制サービスによる訓練は様式第3-2号)

3. AI研修を受ける

計画届の期限から日程を逆算し、段階1の作業に直結する中身にする

職業訓練実施計画届(様式第1-1号)。訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出し、支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内

4. 業務で使う場を用意する

使う場面・結果を見る人・続いているかを見る指標

③の類型の場合のみ、実施状況報告書と雇用契約書などの写し

書類の欄は主な書類の抜粋で、期限と様式は2026年8月3日版の詳細版によります(p.10・p.19・p.42・p.49)。



まとめ|AI研修でリスキリングを進めるには

AI研修でリスキリングを進めるには、研修の前に変える業務と対象者を決め、研修のあとで業務に使う場を用意するまでを、4段階の一続きとして進めます。研修は3つ目の段階で、前後の段階を持つのは会社の側です。

社内でAI研修を使ったリスキリングを検討しているなら、次の3つから始められます。

  1. 今日:AI研修のあとで進める業務を1つ選び、研修の翌月の予定表に、その作業を行う枠を入れる
  2. 今週中:その作業でAIを使って作った成果物を確かめる人を、1人決める
  3. 今週中:研修の開始日の1か月前に計画届が労働局へ届くよう、書類の準備日を逆算して、段階1と段階2の締め切りを置く

最後に、社内で自分に問える1問を置きます。御社でAI研修を受けた社員がAIで作った成果物を、研修の翌月に誰が確かめるか、名前で挙げられますか。

  • AI研修でリスキリングを進める流れは、変える業務を決める・対象者を選ぶ・研修を受ける・業務で使う場を用意する、の4段階です。4段階の分け方は本記事の整理で、厚生労働省の分類ではありません
  • 助成金を使う場合、研修の日程は計画届の期限から逆算して決めます。事業展開等リスキリング支援コースの計画届は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に労働局へ提出し、変える業務と対象者はその中身になります
  • 研修のあとで業務に使う場を用意するのは、研修会社ではなく会社の側です。同じコースのうち「企業内の人事及び人材育成に関する計画」に基づく訓練では、訓練終了後に予定していた職務へ受講者を就かせ、実施状況を労働局に報告することが求められます

対象者の人数と企業規模から、助成金を使った場合の実質負担の目安を出すなら、料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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AI研修の中身と進め方をまとめた研修内容と導入事例を、まとめて確認するもご利用いただけます。

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出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf (2026年10月16日参照)。訓練経費の全額負担 p.3、支給申請の期限 p.10、対象訓練の3類型と10時間・③の職務と定額制の注 p.13、③の計画の定義と不利益な取扱い p.15、承諾書・認定経営革新等支援機関の確認・訓練終了後の職務への従事と実施状況報告 p.16、支給対象事業主・対象労働者・8割受講 p.17、計画届の提出期間と変更届 p.19、経過措置 p.39、審査の時期と計画届の位置づけ p.40、提出期限の休日・郵送の到達日 p.41、計画届時に必要な書類と中小企業の確認 p.42、実施状況報告の期間 p.49、保証しない旨 p.55 による。ページ番号は資料の印刷ページ
  • 厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf (2026年10月16日参照)。DX化・GX化に関する訓練の対象外の範囲、判定の3つの観点と生成AI・CO₂排出量算定の例、受講回数の上限と注 p.1 による
  • 4段階の分け方、研修のあとで決める3つ、類型の表の「受講者の職務」の列は、本記事の整理です
  • 研修の最終回で推進ロードマップを3か月分ドラフトする進め方は、当社の自社情報です
  • 助成の要件・期限・様式は制度改正で変わります。本記事は2026年10月16日時点で確認した内容で、受給を保証するものではありません。個別の可否は管轄の都道府県労働局でご確認ください

この記事について

本記事は、法人向けにClaude Codeの研修を提供するDAIJOBUが、AI研修でリスキリングを進めるときに研修の前後で会社が決めることを、厚生労働省の一次資料と当社の研修の進め方に沿って整理したものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年10月20日

最終更新日

2026年10月20日

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