AI研修に使える助成金を調べて「対象講座」を探している段階でも、人材開発支援助成金の対象講座一覧として、AI研修を講座名で引ける公式のリストはなく、対象かどうかは申請ごとの審査で判断されます。

AI研修が入る候補は事業展開等リスキリング支援コースを含む3つのコースで、どのコースでも、受講者の職務に直接つながらない内容の時間は対象から外れます。

この記事の要点は3つ

  1. 人材開発支援助成金には、AI研修を講座名で引ける対象講座の一覧はありません。対象かどうかは、受講者の職務と訓練内容の関連などから申請ごとに判断されます
  2. AI研修が入る候補は、事業展開等リスキリング支援コース・人材育成支援コース・人への投資促進コースの3つです。講座の一覧が入口になるのは、高度デジタル人材訓練や定額制サービスによる訓練など一部に限られます
  3. 対象外の表の主な項目は3コースで共通です。講座の案内から確かめられるのは時間や実施方法までで、受講者の職務との結びつきは会社の側の書類で示します

受講人数と企業規模から、助成金を使う場合の実質負担の目安を先に押さえたい方は料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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この記事は、法人向けにAI研修を提供し、講座の中身が助成の対象に入るかを問われる研修運営の側から書いています。対象は会社が研修費を払う研修で、社員が自分で払う講座の給付金には当てはまりません。

この記事でわかること

  • 人材開発支援助成金に、講座名の対象一覧が無い理由と、判定に使われる書類
  • 厚生労働省の助成金のページで、「一覧」の名がつくただ1つの支給対象訓練の資料
  • AI研修が入る候補の3つのコースと、コースごとに違う「講座の決まり方」
  • 講座の一覧が要件になる訓練と、会社が講座の一覧を出す訓練
  • AI研修が対象から外れる条件を、3つの層に分けた見方
  • 自社のAI研修が入るかを、講座の案内から4段で確かめる順番

目次

  1. 人材開発支援助成金の対象講座一覧とは|講座名では決まらない
  2. AI研修が入る候補は3コース|講座の決まり方がそれぞれ違う
  3. AI研修が対象講座から外れる条件|3つの層で起きる
  4. 自社のAI研修が入るかは4段で確かめる|講座の案内から読む
  5. DAIJOBUの場合|主に案内しているのは事業展開等リスキリング支援コース
  6. 人材開発支援助成金の対象講座一覧に関するよくある質問
  7. 人材開発支援助成金の対象講座一覧|総括表
  8. あわせて読みたい
  9. まとめ|AI研修は人材開発支援助成金の対象講座に入るのか

人材開発支援助成金の対象講座一覧とは|講座名では決まらない

人材開発支援助成金の対象講座一覧を探すと、研修会社の講座ページや、コース別・研修テーマ別に整理した解説記事が並びます。ただ、厚生労働省の資料に、AI研修を講座名で対象と定めた一覧はありません。

事業展開等リスキリング支援コースの詳細版パンフレット(令和8年8月3日版)は、対象になる訓練について「その訓練を受ける労働者の職務により対象となるかどうかが変わります」と書き、申請ごとに対象となるかを判断するとしています(p.18)。続けて、受講者の職務と訓練の内容が関連するものは、対象とならない訓練に当たらない限り基本的に対象になる、と説明しています。人材育成支援コースのご案内と人への投資促進コースの詳細版にも、同じ説明があります。

同じコースの事業主向けQ&A(令和6年10月版)も、「この訓練機関のこの訓練を受講すれば助成対象となる」と厚生労働省が認めた訓練はあるか、という問いに「そのような訓練はありません」と答えています(p.3)。答えの続きには、受講者の職務と訓練内容との関連性や、経費・賃金の支払い状況などを審査し、個々のケースごとに可否を判断する、とあります。

ファクトボックス|人材開発支援助成金の対象講座一覧の基本情報

項目

内容

講座名の公式一覧

講座名で対象を定めた公式の一覧は無い。対象かどうかは受講者の職務で変わり、申請ごとに判断される(事業展開等 詳細版 p.18)

判定に使われる書類

雇用契約書と訓練カリキュラムなど(同 p.28)

助成金ページの「支給対象訓練等一覧」

人への投資促進コースで海外の大学院を使う経営分野の訓練に限った1つだけ(15校)

講座の一覧が要件になる訓練

人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練(Reスキル講座・マナビDXの掲載講座など)

会社が講座の一覧を出す訓練

定額制サービスによる訓練(計画届に講座の一覧を添える)

AI研修が入る候補

事業展開等リスキリング支援コース・人材育成支援コース・人への投資促進コース

根拠資料

厚生労働省 各コースのパンフレット(令和8年8月3日版)、事業展開等リスキリング支援コース事業主向けQ&A(令和6年10月版)

出典URL

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html (各資料のURLは末尾の出典・注記に掲載)

最終確認日

2026年9月25日

免責

支給の可否は労働局の審査で決まります。要件は改正で変わるため、最新の内容は管轄の労働局でご確認ください

助成金ページの「支給対象訓練等一覧」は、海外の大学院15校の1つだけ

厚生労働省の人材開発支援助成金のページで、支給対象の訓練を「一覧」の名で示している資料は1つです。人への投資促進コースの自発的職業能力開発訓練と成長分野等人材訓練で、海外の大学院を使って経営に関する分野の訓練を行う場合の「支給対象訓練等一覧」です。

載っているのは海外の大学院15校のMBAなどのプログラムで、計画届の届出日が令和4年5月18日以降のものに適用されると書かれています。AI研修を探す人が思い浮かべる「研修会社の講座の一覧」とは、対象も規模も違います。

個人向けの教育訓練給付には、厚生労働大臣が指定した講座を調べる「教育訓練講座検索システム」があります。ただしこれは社員本人が受け取る給付金のための一覧で、会社が受ける人材開発支援助成金の一覧ではありません。

研修会社のページに並ぶ「助成金対象講座」は、提供する側が要件に合うと見立てた講座の一覧です。助成金をうたう勧誘で気をつける点は、記事「事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れ」で扱っています。

型A・全体像カード型。「人材開発支援助成金 対象講座一覧」で探したときに見つかる一覧を4枚のカードで並べ、それぞれの正体を1行で添える。要素=カード「研修会社の『助成金対象講座』」=提供する側の見立てで、判定ではない。カード「コース別・研修テーマ別の解説記事」=要件の要約で、講座名の一覧ではない。カード「厚生労働省の支給対象訓練等一覧」=海外の大学院を使う経営分野の訓練15校に限った資料。カード「教育訓練講座検索システム」=社員本人が受け取る給付金の一覧で、別の制度。4枚の中央に「AI研修の判定は申請ごと」の丸ラベル。カードに番号は振らない。結論=「対象講座一覧」として見つかる一覧のうち、人材開発支援助成金でAI研修の対象を決めているものはありません。

「対象講座一覧」として見つかる一覧のうち、人材開発支援助成金でAI研修の対象を決めているものはありません。

判定に使われるのは、カリキュラムと雇用契約書

詳細版パンフレットによると、受講する労働者の職務との関連性や、専門的な知識・技能の習得を目的としているかは、雇用契約書と訓練カリキュラムなどの書類で確かめられます(事業展開等 詳細版 p.28)。講座の案内に載るのは、このうちカリキュラムの側だけです。

同じ講座でも、受講する人の職務が違えば判定が変わる、という前提がここから出てきます。講座の一覧を見比べるだけでは、対象かどうかは決まりません。


AI研修が入る候補は3コース|講座の決まり方がそれぞれ違う

人材開発支援助成金のコースのうち、会社が社員に受けさせるAI研修が入る候補は3つです。どのコースも職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる訓練であることを前提にしていますが、講座がどう決まるかはコースと訓練メニューで違います。

コース

AI研修が入る訓練メニュー

講座の決まり方

資料のページ(令和8年8月3日版)

事業展開等リスキリング支援コース

3つの類型のうち、DX化に関連する業務の訓練

申請ごとに判定

事業展開等 詳細版 p.13

人材育成支援コース

人材育成訓練(正規雇用労働者等)

申請ごとに判定

人材育成支援コースのご案内 p.14

人への投資促進コース

高度デジタル人材訓練

外部の認定講座の一覧など

人への投資促進 詳細版 p.10

人への投資促進コース

定額制訓練

会社が計画届に添える一覧

同 p.19〜20

表の4つの訓練メニューの経費助成の割合は、上乗せ前の中小企業の率で45%から75%までの幅があります。人材育成訓練と定額制訓練には賃金要件などによる上乗せがあり、どのメニューも受け取れる額には別に上限があります(事業展開等 詳細版 p.38、人材育成支援コースのご案内 p.14、人への投資促進 詳細版 p.11・p.19〜20)。率の比較と3コースの選び分け、申請の流れは人材開発支援助成金でAI研修|対象の3コースと申請の流れにまとめています。

① 事業展開等のコース|DX化に関連する業務の訓練として入る

事業展開等リスキリング支援コースの対象は、OFF-JTで実訓練時間数が10時間以上あり、「事業展開」「DX化・GX化」「人事及び人材育成に関する計画」の3つの類型のいずれかに当てはまる訓練です(詳細版 p.13)。AI研修で主に候補になるのはDX化の類型で、詳細版は「企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合にこれに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能」の訓練と定めています。

このコースでは、事業主の要件として、事業展開等実施計画(様式第1-3号)を作成することが求められます(p.17)。講座の一覧から入るのではなく、会社のDX化の計画と、その業務に就く受講者から入るコースです。

事業展開等リスキリング支援コースは、厚生労働省の資料で「令和4年~8年度の期間限定の助成金」とされています(詳細版の表紙)。2026年8月の改正で変わった対象外の範囲と申請の期限は、記事「事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れ」で確かめてください。

② 人材育成支援コース|職務に関連する10時間以上の訓練として入る

人材育成支援コースの人材育成訓練は、「職務に関連した知識・技能を習得させるための10時間以上の訓練(OFF-JT)」です(人材育成支援コースのご案内 p.14)。事業展開等実施計画の作成は要件になく、いまの職務の中でAIを使う訓練を考えるときの候補になります。

経費助成の割合は事業展開等リスキリング支援コースより低い一方で、入口の要件は少なくなります。講座の決まり方は同じで、受講者の職務と訓練内容の関連から申請のたびに判断されます(同 p.31)。

③ 人への投資促進コース|講座の一覧が要件になる訓練がある

人への投資促進コースには、講座の一覧が入口になる訓練メニューが2つあります。1つ目の高度デジタル人材訓練は、訓練が次のどれかに当たることが要件です(人への投資促進コース 詳細版 p.10)。

  • ITスキル標準(ITSS)・DX推進スキル標準(DSS-P)のレベル4または3の資格取得を目標とする課程
  • 経済産業省が認定する第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)
  • 経済産業省とIPAが運営するマナビDXの掲載講座のうち、レベル4または3に区分される講座
  • 大学の正規課程などのうち、情報科学・情報工学に関連する分野の訓練

経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座一覧」は2026年4月1日現在で467講座(IT分野461・IT利活用分野6)を載せ、AI・データサイエンスはIT分野の「データサイエンティスト」に含まれると注記しています。同じ一覧の認定期間の列では、467講座のうち47講座が2026年9月までで、うち21講座は、2026年7月31日の第18回で認定された75講座を載せた別の「第18回認定講座一覧」にも載っています。ただし一覧に載ることは訓練の要件の1つにすぎず、事業主の側にも、情報通信業であることやDX認定を受けていることなど5つのうちいずれかの要件があります(同 p.9)。それでも、講座がこの一覧に載っているかを先に見れば、当てる訓練メニューの候補が1つ決まります。

2つ目の定額制訓練は、定額で複数の講座を受けられるサブスクリプション型の研修サービスを使う訓練です(同 p.19)。この訓練では、会社が計画届に「講座の一覧」と講座ごとの標準学習時間などが分かる書類を添えます(同 p.48)。

事業展開等リスキリング支援コースで定額制サービスによる訓練を使う場合も、同じ書類を添えます(事業展開等 詳細版 p.42)。定額制サービスの講座の一覧は、会社が計画届に添えて出す書類です。

事業主向けQ&A(人への投資促進コース・令和6年10月版)は、講座が入れ替わったときは、支給申請書の提出日までに変更届と新しい講座の一覧を出すよう求め、その一覧に無い講座は原則として助成対象外になる、と答えています(A7)。サービス側の自動更新で、受けた講座が一覧に載っていない場合は、助成対象と認められる可能性があるとして、労働局への相談を案内しています。

型B・対比型。人材開発支援助成金でAI研修が入る訓練を、講座の決まり方で左右に分ける。要素=左「講座の一覧が入口になる訓練」=高度デジタル人材訓練(外部の認定講座の一覧などに当たる講座)、定額制サービスによる訓練(会社が計画届に添える講座の一覧に載る講座)。右「申請ごとに判定される訓練」=通学制・同時双方向型・eラーニング・通信制で受ける、事業展開等リスキリング支援コースのDX化の類型の訓練と、人材育成支援コースの人材育成訓練/判定に使うもの=受講者の職務との関連、訓練カリキュラム、雇用契約書。右側を青で強く、左側を淡青に。結論=講座の一覧が入口になるのは一部の訓練メニューで、AI研修の多くは受講者の職務との関連で判定されます。

講座の一覧が入口になるのは一部の訓練メニューで、AI研修の多くは受講者の職務との関連で判定されます。

どのコースを使う場合でも、企業規模と人数から実質負担の目安を出すなら料金試算(助成金対応)が使えます。

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AI研修が対象講座から外れる条件|3つの層で起きる

AI研修が対象外の訓練として外れる理由は、3つの層に分けると読み分けやすくなります。3コースに共通する対象外の項目、コースごとの定義、訓練メニューと実施方法ごとの要件です。この3層は当社が各コースのパンフレットの記載を読み分けるために置いた整理で、判定そのものは労働局の審査で行われます。

共通の層|対象外の表の主な項目は3コースで同じ

3コースのパンフレットには、助成の対象にならないOFF-JTを実施目的と実施方法に分けた表があります(事業展開等 p.28〜29、人材育成支援 p.38〜39、人への投資促進 p.41〜42)。項目の数はコースで少し違いますが、職務に間接的な内容や講演会・交流会といった主な項目は3コースに共通です。カリキュラムの一部が当てはまる場合は、その時間を除いて実訓練時間数を数えます。

AI研修で当たりやすいのは、次の4つです。

  • 職務に間接的に必要な内容と、職種を問わず職業人として共通に必要な内容。事業展開等リスキリング支援コースでは、令和8年8月3日以降に出す計画ではDX・GX化に関する訓練でも対象外と明記されました(事業展開等 p.28)
  • 自社の業務で使う機器・端末の操作説明のように、通常の事業活動として行うもの。事業主向けQ&Aは、業務マニュアルなどを題材に実際の事業活動で使うツールを作る場合は対象外となる可能性があり、訓練用に別に用意した環境で作り方を学び、自社独自のツール開発を目的としない訓練は対象となり得る、としています(事業展開等Q&A A12)
  • 講演会・研究会・座談会・ビジネス交流会・オンラインサロンのように、職業能力開発に直接関連しないもの
  • 専らビデオのみを視聴して行う講座。eラーニングと通信制は別の区分として扱われます

表の全体と、生成AIの訓練が例に挙がった2026年8月の改正の中身は、記事「事業展開等リスキリング支援コースとは|AI研修で使う条件と流れ」で扱っています。

コースの定義の層|類型や職務関連に当てはまらない

表に当たらなくても、コースの定義に当てはまらなければ外れます。事業展開等リスキリング支援コースでは3つの類型のどれにも当たらない訓練は対象にならず、AI研修なら、DX化に関連する業務に受講者を従事させるための訓練として説明できるかが問われます。

同じ詳細版の13ページには、「単にデジタル機器を使用して文章・数値の入力や、書式・レイアウトの変更程度の初歩的な操作を行う内容のみの訓練は対象になりません」という注記があります。単に既存のアプリやシステムを購入してその操作方法を習得する場合も、対象にならないと書かれています。

人材育成支援コースと人への投資促進コースでも、職務に関連した訓練であることが定義の前提です。受講者の職務と結びつかない訓練は、講座の中身が同じでも外れます。

訓練メニューと実施方法の層|事業主・講座数・掲載の要件

高度デジタル人材訓練は、講座がReスキル講座・マナビDXなどの外部の一覧に載らず、ほかの訓練の要件にも当たらない場合や、事業主が5つの要件のどれにも当たらない場合には使えません(人への投資促進 p.9〜10)。そのときは、同じ講座が別のコースの要件に当てはまるかを改めて確かめることになります。

定額制訓練では、サービスに含まれる講座のうち支給対象の講座が5割以上あることと、修了した講座の標準学習時間が支給申請時に合計10時間以上あることが求められます(人への投資促進 p.19)。事業展開等リスキリング支援コースのQ&Aは、初歩的な操作の講座が概ね5割以上を占める定額制サービスは、使う理由が明確でない限り対象外になる、としています(A11)。

民間の教育訓練機関がeラーニング・通信制・定額制で提供する講座は、計画届の提出日時点で、その講座の情報を自社のホームページに載せて広く受講者を募っていることも要件です(事業展開等 p.20)。特定の会社だけに提供するつもりで用意したeラーニングなどは、この要件で外れます。

型C・帯構造型。AI研修が対象から外れる理由を3段の帯で重ねる。要素=上段「共通の層」=3コースで主な項目が共通する対象外の表(実施目的・実施方法)。中段「コースの定義の層」=類型に当たらない・職務に関連しない・初歩的な操作だけ。下段「訓練メニューと実施方法の層」=事業主の要件・講座数の5割要件・修了時間の合計・ホームページでの募集。各段の左に白抜きラベル、右に説明枠。中段を青で強く。結論=AI研修が対象から外れる理由は、コースに共通する対象外の項目・コースの定義・訓練メニューと実施方法ごとの要件の3つの層にあります。

AI研修が対象から外れる理由は、コースに共通する対象外の項目・コースの定義・訓練メニューと実施方法ごとの要件の3つの層にあります。


自社のAI研修が入るかは4段で確かめる|講座の案内から読む

講座名の一覧で決まらない以上、自社のAI研修が入るかは、講座の側から会社の側へ順に確かめていきます。次の4段は当社の整理です。どのコースで申請できるかの最終的な判断は、労働局の審査で決まります。

型D・フロー型。自社のAI研修が人材開発支援助成金の対象に入るかを確かめる4段を左から右へ並べる。要素=①講座の案内で、実施方法と時間を読む→②当てる訓練メニューを1つ決める→③受講者の職務と訓練内容を1行でつなぐ→④計画届を出す前に、労働局へ相談する。淡青のフィールドに白ボックスを4つ並べ、③を青で塗る。番号は本文の見出し①〜④と対応させる。結論=自社のAI研修が入るかは、講座の案内、訓練メニュー、受講者の職務、労働局への相談の順に確かめます。

自社のAI研修が入るかは、講座の案内、訓練メニュー、受講者の職務、労働局への相談の順に確かめます。

① 講座の案内で、実施方法と時間を読む

講座の案内から確かめられるのは、次の4つの欄です。

案内の欄

見るところ

根拠

実施方法

通学制・同時双方向型の通信訓練か、eラーニング・通信制・定額制サービスか

事業展開等 詳細版 p.18

時間

通学制・同時双方向型は実訓練時間数が10時間以上か。eラーニング・通信制は標準学習時間が10時間以上か、標準学習期間が1か月以上か

同 p.13・p.19

提供者

民間の教育訓練機関なら、定款などに教育訓練事業が記載された日本国内の法人か。eラーニングなどはホームページで広く募集しているか

同 p.20

外部の認定

Reスキル講座や、マナビDXでレベル3・4に区分された講座などに当たるか

人への投資促進 詳細版 p.10

案内に書かれた時間が、そのまま実訓練時間数になるとは限りません。対象外の内容や食事を伴う休憩の時間を除いたあとで10時間以上あるかは、カリキュラムの時間割で確かめます。

② 当てる訓練メニューを1つ決める

講座が外部の認定に当たり、会社が事業主の要件を満たすなら、人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練が候補です。サブスク型のサービスなら、人への投資促進コースの定額制訓練のほか、事業展開等リスキリング支援コースでも人事及び人材育成に関する計画の類型を除いて定額制サービスによる訓練が対象になり得ます(事業展開等 p.13)。

通学制・同時双方向型・eラーニング・通信制の研修なら、事業展開等リスキリング支援コースのDX化の類型か、人材育成支援コースの人材育成訓練が候補です。事業主向けQ&Aは、定額制サービスによる訓練を通学制などの訓練と組み合わせて実施することはできないとしています(事業展開等Q&A A2)。

③ 受講者の職務と訓練内容を1行でつなぐ

判定に使われるのは雇用契約書と訓練カリキュラムでした。受講者ごとに「どの職務の、どの作業に、研修のどの内容を使うか」を1行で書き出します。事業展開等リスキリング支援コースを使うなら、その1行が事業展開等実施計画に書くDX化の業務と重なっているかも見ます。

同じ講座でも、この1行が書けない受講者は、判定で外れる側に入りやすくなります。

④ 計画届を出す前に、労働局へ相談する

計画届は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に労働局へ出します(事業展開等 詳細版 p.19)。複数の講座を1つの訓練として組む場合について、事業主向けQ&Aは、受講者の職務と訓練との関係などを総合的に判断するため計画届の提出前に余裕を持って労働局かハローワークへ相談するよう書き、「事業内の教育訓練体系図などをお示しいただけると職務と訓練との関係性を判断する助けとなります」と添えています(A2)。

③で書いた1行と講座のカリキュラム、受講者の一覧を持っていけば、相談の場で職務との関係を具体的に説明できます。


DAIJOBUの場合|主に案内しているのは事業展開等リスキリング支援コース

DAIJOBUは法人向けにClaude Codeの研修を提供しており、助成金の相談を受けたときに主に案内しているのは事業展開等リスキリング支援コースです。

ただし、このコースを案内していても、研修がDX化の類型に当たると決まるわけではありません。この記事で見てきたとおり、判定は受講する人の職務と訓練内容の関連で、申請のたびに行われます。

支給の可否は労働局の審査で決まり、DAIJOBUが受給を保証することはできません。申請するのは研修を受ける企業で、計画届は研修開始の1か月前までに必要なため、日程は2〜3か月前にご相談いただくようお勧めしています。

この記事で解けないこと

この記事で扱えるのは、講座が対象に入るかを確かめる順番までです。次の3つは、この記事だけでは答えが出ません。

1つ目は、個別の講座が対象になるかどうかです。判定は申請ごとの審査で行われ、研修会社にも当社にも決める立場はありません。

2つ目は、都道府県の制度で対象になる研修です。国の制度とは対象になる研修の形も手続きも別で、東京都の例はDXリスキリング助成金とは|東京都でAI研修に使う条件と申請の流れで扱っています。

3つ目は、社員が自分で費用を払って受ける講座の給付金です。個人向けの指定講座と、会社が受ける助成金の違いはスキルアップ補助金は会社でも使える?|個人の給付金と企業の助成金の違いにまとめています。

受講人数と企業規模を入れて、助成金を使う場合の実質負担の目安を出すなら料金試算(助成金対応)をご利用ください。

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人材開発支援助成金の対象講座一覧に関するよくある質問

Q. 研修会社が「助成金対象講座」と書いている講座なら、助成を受けられますか

A. その表示だけでは、助成を受けられるかは決まりません。 厚生労働省の各コースのパンフレットは、受講する人の職務によって対象かどうかが変わるため、申請ごとに判断すると書いています。講座の案内で分かる時間や実施方法に加えて、受講者の職務との関連と審査の結果で決まります。

Q. 厚生労働省が公表している対象講座の一覧はありますか

A. 講座名で対象を定めた一覧は、公表されていません。 人材開発支援助成金のページで「一覧」の名がつく支給対象訓練の資料は、人への投資促進コースで海外の大学院を使う経営分野の訓練に限った15校の一覧だけです。

Q. 経済産業省のReスキル講座に載っているAI講座なら、対象になりますか

A. 一覧に載っていることは、高度デジタル人材訓練の要件の1つにとどまります。 会社の側にも、情報通信業であることやDX認定など5つのうちいずれかの要件があり、支給の可否は審査で決まります。事業展開等リスキリング支援コースでは、この一覧に載っていることは要件になっていません。

Q. 教育訓練給付の指定講座なら、会社の助成金でも対象になりますか

A. 指定講座かどうかでは決まらず、受講者の職務との関連で審査されます。 人材開発支援助成金では、指定講座を行う訓練機関は「特定の訓練機関」として扱われ、8割受講の要件に特例があります。社員個人の給付金と会社の助成金の違いは、スキルアップ補助金は会社でも使える?|個人の給付金と企業の助成金の違いで扱っています。

Q. 以前に助成金を使った講座を、別の社員に受けさせても対象になりますか

A. 事業展開等リスキリング支援コースでは、同じ内容の講座でも対象となり得ます。 事業展開等リスキリング支援コースのQ&Aは、過去に人材開発支援助成金を使って実施した訓練と同じ内容でも、事業展開やDX化などにつながる訓練は対象となり得ると答えています(A4)。判定は、受講する人の職務との関連で行われます。


人材開発支援助成金の対象講座一覧|総括表

論点

押さえるところ

講座名の公式一覧

講座名で対象を定めた公式の一覧は無い。受講者の職務で対象かどうかが変わり、可否は個々の審査で決まる

判定に使われる書類

雇用契約書と訓練カリキュラムなど。講座の案内に載るのはカリキュラムの側だけ

助成金ページの「支給対象訓練等一覧」

海外の大学院を使う経営分野の訓練に限った15校の1つだけ(人への投資促進コース)

AI研修が入る候補の3コース

事業展開等リスキリング支援コース(DX化の類型)/人材育成支援コース(人材育成訓練)/人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練・定額制訓練)

講座の一覧が入口になる訓練

高度デジタル人材訓練は外部の認定講座などが要件。定額制サービスによる訓練は会社が計画届に講座の一覧を添える

外れる条件の3つの層

コースに共通する対象外の項目/コースの定義/訓練メニューと実施方法ごとの要件

確かめる4段

講座の案内を読む → 訓練メニューを決める → 受講者の職務とつなぐ → 計画届の前に労働局へ相談する


あわせて読みたい

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まとめ|AI研修は人材開発支援助成金の対象講座に入るのか

AI研修が入るかどうかは、講座名の一覧に載っているかでは決まりません。決めるのは3つのコースのどれかの要件と、受講する人の職務との結びつきで、審査は申請のたびに行われます。

講座を見比べる前に、次の3つを進めてください。

  • 今日:検討中の講座の案内で、実施方法と時間の欄を確かめる
  • 今週:受講予定の人の雇用契約書にある職務の内容と、研修のカリキュラムを並べて見る
  • 計画届の期限より前:職務と研修内容をつないだメモとカリキュラムを持って、管轄の労働局に相談する

最後に、社内でこう問いかけてみてください。研修を受ける人それぞれについて、研修のどの内容を職務のどの作業に使うかを1行で書けますか。 書けない人がいれば、4段の③に戻ると、外れる側に入る理由が先に見つかります。

この記事の要点

  • 人材開発支援助成金には、AI研修を講座名で引ける対象講座の一覧はありません。対象かどうかは、受講者の職務と訓練内容の関連などから申請ごとに判断されます
  • AI研修が入る候補は、事業展開等リスキリング支援コース・人材育成支援コース・人への投資促進コースの3つです。講座の一覧が入口になるのは、高度デジタル人材訓練や定額制サービスによる訓練など一部に限られます
  • 対象外の表の主な項目は3コースで共通です。講座の案内から確かめられるのは時間や実施方法までで、受講者の職務との結びつきは会社の側の書類で示します
  • 講座の一覧が効くのは、高度デジタル人材訓練の外部の認定と、定額制サービスによる訓練で会社が出す講座の一覧の2か所です
  • 外れる条件は、コースに共通する対象外の項目・コースの定義・訓練メニューと実施方法ごとの要件の3つの層に分けて見ます
  • 確かめる順番は、講座の案内、訓練メニュー、受講者の職務、労働局への相談の4段です

企業規模と人数から、助成金を使う場合の実質負担の目安を出せる料金試算(助成金対応)を用意しています。

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研修の中身と進め方をまとめたサービス資料のダウンロードもご利用いただけます。

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出典・注記

  • 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html (2026年9月25日参照)。「支給対象訓練等一覧」の掲載と、各コースの資料の版の確認に使用
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf 。3つの類型と初歩的な操作の注記はp.13、事業主の要件はp.17、職務関連訓練と申請ごとの判断はp.18、訓練時間と計画届の期間はp.19、教育訓練機関の要件はp.20、対象とならないOFF-JTと判定に使う書類はp.28〜29、助成率はp.38
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731967.pdf 。訓練メニューと助成率はp.14、申請ごとの判断はp.31、対象とならない訓練はp.38〜39
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金(人への投資促進コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731974.pdf 。高度デジタル人材訓練の事業主の要件はp.9、訓練の要件はp.10、助成率はp.11、定額制訓練はp.19〜20、計画届に添える書類はp.48、対象とならない訓練はp.41〜42
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金事業主様向けQ&A(事業展開等リスキリング支援コース)」令和6年10月版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001312799.pdf 。A1・A2はp.3、A4はp.4、A11はp.7〜8、A12はp.8。令和8年8月3日の改正より前の版です。 改正で変わった対象外の範囲は、令和8年8月3日版の詳細版に従って書いています
  • 厚生労働省「人材開発支援助成金事業主様向けQ&A(人への投資促進コース)」令和6年10月版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001312790.pdf 。A7はp.13〜14
  • 厚生労働省「海外の大学院を活用して経営に関する分野の訓練等を実施する場合における人材開発支援助成金(人への投資促進コース(自発的職業能力開発訓練・成長分野等人材訓練))の支給対象訓練等一覧」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001174557.pdf (2026年9月25日参照)
  • 経済産業省「リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座)認定制度」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskillprograms/index.html 、同「第四次産業革命スキル習得講座一覧」2026年4月1日現在 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskillprograms/kouzaichiran.pdf 、同「第18回認定講座一覧」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskillprograms/kouzaichiran_dai18kai.pdf (いずれも2026年9月25日参照)。講座数は一覧の各分野の見出しに記載された数。認定期間が2026年9月までの講座数は、一覧の認定期間の列を当社が数えた数
  • 経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構「マナビDX」 https://manabi-dx.ipa.go.jp/ (2026年9月25日参照)
  • 本記事は、会社が社員に受けさせるAI研修で候補になる3コースと、その中の4つの訓練メニューを扱っています。人への投資促進コースの情報技術分野認定実習併用職業訓練・自発的職業能力開発訓練など、この記事で扱っていない訓練メニューやコースがあります
  • 主に案内しているコース、相談の時期のお勧めは、当社の自社情報です
  • 本記事は、いずれの講座・研修についても受給を保証するものではありません。支給の可否は労働局の審査で決まり、要件は改正で変わります。実際に使う前に、所管の最新資料と管轄の労働局でご確認ください

この記事について

DAIJOBUは、ソフトウェアテスト・品質保証と脆弱性診断を本業としながら、法人向けにClaude Code研修を提供している会社です。本記事は、「対象講座一覧」を探す方に向けて、厚生労働省と経済産業省の一次資料で確認できる講座の決まり方と、当社の運用を分けて書いたものです。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年9月30日

最終更新日

2026年9月30日