機能名の一覧はもう読んだ。Plan Mode、MCP、skills、サブエージェント、hooks——名前は分かった。それで、うちの会社はどれから触ればいいのか。 そこに答えている記事が見つからない、という状態でこのページに来た方が多いはずです。

先に結論を言います。Claude Codeの機能は、覚える対象ではなく社内の統制の道具です。

この記事の要点は3つ

  1. 主要機能は「止める・広げる・覚えさせる」の3群に畳める。9つを個別に覚える必要はない
  2. Plan Modeはブレーキ、MCPはアクセル。並べて紹介されがちですが、先にブレーキを付けるのが順番
  3. 最初に入れるのは2つだけでいい。MCPは初日には要らない。むしろ入れないほうが安全に立ち上がる
型B・対比型。3群のうち「先に付ける順番」が問題になる2群を対比する(覚えさせる群は両方の下地なので図に出さない)。副題=ブレーキとアクセル、先に付けるのはどちらか。要素=左(止める側・青を強く)=Plan Mode/権限モード/作業ディレクトリの境界。右(広げる側・弱い塗り)=MCP/skills/サブエージェント。左右の間に「先に左、あとで右」の矢印。結論=機能は覚える順ではなく、止める仕組みから入れる

機能は覚える順ではなく、止める仕組みから入れます。 広げる側から先に触ると、止め方を知らないまま範囲だけが広がります。

この記事は、法人での導入を検討している方に向けて書いています。判断に必要な材料はClaude Code法人導入の検討資料をダウンロードするからまとめて確認できます。

そもそもClaude Codeが何をするツールなのかがまだ曖昧な方は、先にclaude code とは何か|できること・料金・つまずく壁をご覧ください。本記事はその次の段、機能の使い分けを扱います。

この記事でわかること

  • 主要機能9つを「止める・広げる・覚えさせる」の3群に畳む見取り図
  • Plan Modeの正確な仕様と、非エンジニアが計画のどこを読めばいいのか
  • MCPをつなぐ前に決める3つと、権限を絞らなかったときに実際に起きたこと
  • skillsとカスタムコマンドの違い——「手動と自動」で分ける説明が古くなった理由
  • 会話が長引いたときに使う /compact/clear の使い分け、そして書いても守られないときの hooks
  • 社内ルールとして機能ごとに決めるべき「誰が・どこまで・どこへ」

目次

  1. Claude Codeの主要機能とは|9つを「止める・広げる・覚えさせる」で分ける
  2. Claude CodeのPlan Modeとは|実行の前に人が割り込む場所
  3. Claude CodeのMCPとは|接続先の権限が、そのままAIの権限になる
  4. Claude Codeのskillsとは|「手動と自動」で分ける説明は、もう古い
  5. Claude Codeの/compactとは|長い作業で品質が落ちる前に畳む
  6. Claude Codeの機能で担保する3つ|誰が・どこまで・どこへ
  7. Claude Codeの主要機能に関するよくある質問
  8. Claude Codeの主要機能|総括表
  9. あわせて読みたい
  10. まとめ|主要機能は「覚える順」ではなく「入れる順」で選ぶ

Claude Codeの主要機能とは|9つを「止める・広げる・覚えさせる」で分ける

Claude Codeの主要機能を、機能名のまま覚えようとすると挫折します。名前が英語で、しかも役割が重なって見えるからです。

分け方を変えます。 機能を名詞ではなく、その機能が何をするか(動詞)で3群に畳みます。

何をするか

該当する機能

止める

実行の前に人が割り込む

Plan Mode/権限モード/作業ディレクトリの境界

広げる

触れる範囲・できることを増やす

MCP/skills/サブエージェント

覚えさせる

毎回の説明を減らす

CLAUDE.md/compact/hooks

この3群で見ると、判断が一気に楽になります。導入初期に要るのは「止める」と「覚えさせる」だけで、「広げる」は後回しでいいからです。

なお、機能の中身は入口(ターミナル・デスクトップアプリ・ブラウザなど)によって別物になるわけではありません。CLAUDE.md・設定・MCPサーバーは入口をまたいで共通に効きます(一部の権限モードのように、入口によって使えないものはあります)。

Claude Codeのターミナルとは|機能の本体が動いている場所

Claude Codeのターミナルとは、文字で命令を打ち込む黒い画面のことで、Claude Codeが本来動いている場所です。公式ドキュメントは、ターミナル版を「機能豊富なCLI」と紹介しています(出典=Claude Code Docs 概要・2026年9月9日参照)。

ここで一度、現実の話をします。DAIJOBUが法人研修の前に取った受講予定者へのヒアリング(非エンジニア中心の1社・n=17)では、17名中16名がコマンドラインを実質使ったことがなく、うち8名は「聞いたこともない」と回答しています。全員がWindowsでした。 エンジニアは1人もいません。

つまり、この記事を読んでいる方が「ターミナルが分からない」のは例外ではなく多数派です。そして、その状態でも研修は成立しています。

Claude CodeのCLIとは|「打つ道具」ではなく「呼び出す口」

Claude CodeのCLIとは、ターミナルから claude と打って起動する本体のことです。CLIという言葉が難しく聞こえますが、やっていることはAIを呼び出す口を1つ用意するだけです。

大事なのは、CLIを使えるかどうかが機能の差にならない点です。公式は、ターミナル・デスクトップアプリ・ブラウザ・IDE拡張など複数の入口を用意したうえで、どの入口も同じエンジンにつながるので CLAUDE.md・設定・MCPサーバーはすべての入口で機能すると説明しています。入口ごとの向き不向きはclaude code とは何かで整理しました。

入口の選択は好みの問題で、統制の設計とは切り離して考えてかまいません。

Claude Codeのハーネスとは|機能名ではなく、モデルを取り巻く足場のこと

Claude Codeのハーネスとは、Claude Codeの機能の名前ではありません。 AIエージェント全般を語るときの概念です。ここは正直に線を引きます。

Anthropicのブログでは、エージェントハーネスを「モデルを取り巻くソフトウェアの足場——ループ、ツール、コンテキスト管理、ガードレールであり、生の知能を動くエージェントに変えるもの」と定義しています(出典=AnthropicブログAgent Harness Design・2026年9月9日参照)。

この定義がそのまま、本記事の3群と重なります。 ツール=広げる、ガードレール=止める、コンテキスト管理=覚えさせる。機能を個別に覚えるのではなく、足場のどの部品を触っているのかで捉えると、新しい機能が増えても位置が分かります。


Claude CodeのPlan Modeとは|実行の前に人が割り込む場所

Claude CodeのPlan Modeとは、変更を加えずに調査と提案だけを行わせるモードです。Claudeはファイルを読み、調べるためのコマンドを動かし、計画を書きますが、中身の編集はしません(出典=Claude Code Docs 権限モード・2026年9月9日参照)。

ここで先に、日本語の解説記事に多い誤りを1つ正します。Plan Modeは独立した機能ではなく、権限モードのうちの1つです。公式が挙げているモードは default(画面表示は Manual)・acceptEditsplanautodontAskbypassPermissions の6つで、Shift+Tab で切り替わるのは基本的に前の3つ、条件次第で auto などが加わります。「Normal・Auto Accept・Plan の3つを循環する」という説明はモード名も対象も不正確です。なお dontAsk は循環に現れません。

型D・フロー型。Plan Modeを挟む前と後。要素=①上段(挟まない)=指示→即実行→結果を見て気づく→戻す。②下段(挟む)=指示→計画が出る→人が範囲と不可逆性を見る→承認→実行。下段の最終ステップだけ青塗り。結論=Plan Modeは速度ではなく、やり直しの回数に効く

Plan Modeは速度ではなく、やり直しの回数に効きます。 1回で終わる小さな作業では純粋な追加コストになります。

稟議の言葉に翻訳すると「承認プロセスをツールの中に入れる仕組み」

法人でPlan Modeを説明するとき、「AIに計画を立てさせるモード」と言っても決裁者には刺さりません。言い換えます。

Plan Modeは、これまで人と人のあいだにあった承認プロセスを、ツールの内側に持ち込む仕組みです。 実行の前に必ず案が出て、人が見て、承認するまで先に進まない。稟議・決裁と同じ形です。

しかも公式は「計画を承認するまで編集はブロックされたまま」と明記しています。仕組みとして止まっているのであって、運用の心がけで止めているのではありません。この差が、組織で使うときに効きます。

非エンジニアが計画を読むとき、見るのは3点だけ

「計画が出ても技術的な内容は判断できない」という声は、研修現場でもよく出ます。判断すべきは技術の中身ではありません。 見るのはこの3点です。

  1. 触る範囲——どのフォルダ・どのファイルに手が入るのか
  2. 戻せるかどうか——やり直せる作業か、消したら終わりの作業か
  3. 外に出るかどうか——社外のサービスへ情報が送られる手順が混じっていないか

この3点は、技術の知識がなくても読み取れます。逆に言えば、この3点が書かれていない計画は、承認する前に「範囲を書いて」と返すべきです。

なお、提示された計画は Ctrl+G でテキストエディタに開き、直接書き換えてから渡すこともできます。「全部やり直し」か「全部承認」の二択ではありません。

使うとき・使わないとき|判断は「作業の大きさ」で決める

Plan Modeを常用すべきか、という問いには、作業の大きさで分かれると答えるのが正確です。

場面

Plan Mode

理由

1ファイルの小さな修正

使わない

往復が増えるだけで回収できない

複数の手順にまたがる作業

使う

途中で方向が違うと全部やり直しになる

消す・送る・公開する作業

必ず使う

戻せない。承認の有無が事故の分かれ目

判断の軸は速度ではなくやり直し率です。そして法人で運用するときは、「戻せない作業かどうか」だけを基準にすると、非エンジニアでも迷わず判断できます。

Plan Modeだけに頼らない|承認は必ず形骸化する

不利なことも書きます。承認は形骸化します。 毎回同じ画面が出て、毎回「はい」を押していれば、3日目には読まずに押すようになります。これは能力の問題ではなく、人間の性質です。

だから、止める仕組みは二重にします。

  • 範囲で止める——Claude Codeは既定(毎回確認するManualモード)では、起動したフォルダとその下にしか書き込めません。上の階層のファイルには、明示的な許可なしには手が届きません
  • 権限で止める——外部サービスとの接続に渡す権限を、その業務に必要な最小限へ落としておく

そして、Plan Modeを使っても誤動作がなくなるわけではありません。 計画が正しくても、実行の結果は別途確認が要ります。公式も「これらの保護は risk を大きく下げるが、すべての攻撃に完全に免疫を持つシステムは存在しない」と書いています。ここを断定しないのが、導入判断を預かる側の誠実さだと考えています。


Claude CodeのMCPとは|接続先の権限が、そのままAIの権限になる

Claude CodeのMCPとは、AIを外部のツールやデータへつなぐ仕組みで、公式は「AIツール統合のためのオープンソース標準」と定義しています。使いどころとして挙げられているのは「別のツールからチャットにデータをコピーしている場面があるなら、サーバーを接続する」です(出典=Claude Code Docs MCP・2026年9月9日参照)。

便利さの説明は他の記事に任せます。この記事で先に置くのは1点だけです。

MCPでつないだ先の権限は、そのままAIの権限になります。 書き込みができるアカウントでつなげば、AIも書き込めます。削除ができるアカウントでつなげば、AIも削除できます。

型C・帯構造型。つなぐ前に決める3層。要素=①上段=権限(読み取りだけか、書き込みも渡すか)②中段=提供元(誰が作ったサーバーか、社内か第三者か)③下段=記録(誰がいつ何をつないだかが残るか)。左ラベル白抜き、右に「決めていないと起きること」を1行ずつ。結論=つなぐか否かではなく、つなぐ前に3つを決める

判断は「つなぐか、つながないか」ではありません。つなぐ前に、権限・提供元・記録の3つを決めます。

実際に起きたこと|権限を絞らないまま接続したときの2件

DAIJOBUの社内で、外部ツールとの接続の権限を絞る前に起きたことを2件、そのまま書きます。

  • タスク管理のタスクが、知らないうちに「完了」になっていた。 メンバーがClaude Code経由で操作した際に誤ってステータスを変えており、そのタスクを担当者が見落としていた
  • 共有ドライブの文書が消えていた。 これも意図した操作ではありませんでした

どちらも、悪意ではなく権限が渡っていたから起きた事故です。対策は単純でした。接続の設定を個人に作らせず、配る側で決め切る。 誰がどの権限でつなぐかを1箇所で持てば、事故は設定の設計ミスとして事前に潰せます。

「気をつける」で解決しようとしないことが、この2件の教訓です。

最初は入れない|MCP無しで始めるのが正しい順序

「MCPを入れないと使い物にならないのでは」という不安に、はっきり答えます。なりません。

Claude Codeは、手元のファイルを読んで書く時点で十分に業務に効きます。MCPは、手作業のコピー&ペーストが実際に面倒になってから足す機能です。公式の使いどころの説明も、まさにその順序で書かれています。

法人の相談では、逆の状態が問題になっています。メンバーが自由にskillやMCPサーバーを追加できる状態で、出所の分からないコードが業務端末で動いている。 目視のレビューは追いつきません。これは実際に挙がっている課題の型です。

増やすほど弱くなる3つ

MCPは、つなぐ数を増やすほど強くなる機能ではありません。増やすほど3つの面で弱くなります。

増えるもの

何が起きるか

攻撃の入口

外部の内容を取り込むサーバーは、指示の乗っ取りの経路になりうる

消費

接続先の説明そのものが会話の容量を食い、本題に使える余地が減る

誤作動

似た機能のサーバーが並ぶと、意図しないほうが呼ばれる

公式も「接続する前に、各サーバーを信頼できることを確認してください」と明記し、外部コンテンツを取得するサーバーについては指示の乗っ取りのリスクに触れています。あわせて、Anthropicは掲載基準に照らしたレビューは行うものの、個々のMCPサーバーのセキュリティ監査や管理は行わないとも明記しています(出典=Claude Code Docs セキュリティ・2026年9月9日参照)。

「漏れません」とは書けません。 書けるのは、どこが危なく、どの設定でその危険がどこまで下がるかだけです。外部接続そのもののリスクの構造はAIエージェント特有のセキュリティ|プロンプトインジェクションと権限管理の実務で詳しく扱っています。

法人でどこまで絞るかの判断材料は、サービス資料(無料・PDF)のダウンロードにまとめてあります。


Claude Codeのskillsとは|「手動と自動」で分ける説明は、もう古い

Claude Codeのskillsとは、繰り返す仕事の手順を1つのフォルダにまとめ、名前を付けて呼び出せるようにしたものです。中心にあるのは SKILL.md という指示書1枚で、公式は「Claudeができることを拡張するもの」と説明しています(出典=Claude Code Docs Skills・2026年9月9日参照)。

skillsを調べると、必ずカスタムコマンドとの比較が出てきます。そして多くの記事が「コマンドは手動で呼ぶもの、スキルはAIが自動で使うもの」と説明しています。

この説明は、もう実態に合っていません。 現在はどちらも /名前 で呼べて、どちらもAIが説明文を見て自分から使えます。入口はほぼ共通化されました。 公式ドキュメントも、旧来のカスタムコマンドはスキルに統合済みで、どちらの書き方でも同じコマンドができると明記しています。

型A・全体像カード型。カードと道具箱を2枚のカードで並置する。要素=①カード(カスタムコマンド)=紙1枚・お願い文だけ・呼んだ瞬間に全文が会話へ流れ込む ②道具箱(skills)=フォルダ・手順の周りに道具や資料も入る・ふだんはラベルだけ見えていて開くのは使うとき。2枚の上に「呼び出し方はどちらも `/名前`」の帯を渡す。結論=違いは呼び方ではなく、中身に道具を入れられるかどうか

違いは呼び方ではなく、中身に道具を入れられるかどうかです。

残った本当の違いは2つ

比較すべき点は、実は2つに減っています。

  1. 同梱できるか——skillsはフォルダなので、手順の周りにスクリプトや型紙を一緒に置き、その場で使わせられる
  2. 読み込まれ方——skillsは普段はラベルだけが見えていて、本体は使うときに開かれる。公式も「スキルの本体は使用されるときにのみ読み込まれる」と説明しています

2つ目が効くのは、重い手順書を置いても、普段の会話の容量を圧迫しないからです。常時読まれる CLAUDE.md に長い手順を書き足していくと、この逆になります。

使い分けの目安と、共有の単位

DAIJOBUでは、新しく /なんとか を作りたくなったとき、この一問で分けています。

道具・資料・多段の手順が要るか。要らなければカード(コマンド)へ、要るなら道具箱(skill)へ。

実際の内訳は、2026年8月時点でカードが30枚、道具箱が11箱です。数が示しているのは、大半の業務は指示文1枚で足りるという事実です。最初から道具箱を作ろうとしないでください。

置き場所も分けています。チームで共有するものはリポジトリに、個人の実験は手元に。 育ってから共有へ昇格させます。

ここでも不利なことを1つ書きます。外部で公開されているskillをそのまま入れる運用は取っていません。 中身を自社用に作り替えてから配布しています。出所の分からない手順書が業務端末で動く状態を避けるためで、これは前章の野良MCPと同じ問題です。


Claude Codeの/compactとは|長い作業で品質が落ちる前に畳む

Claude Codeの /compact とは、それまでの会話をいったん要約して、容量を空けるコマンドです。公式は「会話をここまで要約してコンテキストを解放する」と説明しています(出典=Claude Code Docs コマンド・2026年9月9日参照)。

長く作業を続けると、会話の容量が埋まっていきます。埋まってくると、前半で決めたことが薄れ、指示の通りが悪くなります。「だんだん言うことを聞かなくなった」と感じたら、たいていこれです。

型D・フロー型。会話が重くなったときの分かれ道を4段で示す。要素=①指示の通りが悪くなったと感じる ②同じ作業を続けるか ③はい=`/compact`(要約して容量を空け、会話は続く)④いいえ=`/clear`(空の状態で新しい会話を始める)。最終段の2択のうち `/compact` 側だけ青塗り。結論=同じ件を続けるなら畳む、別件へ移るなら切る

同じ件を続けるなら畳み、別件へ移るなら切ります。 重くなったまま押し切ると、前半で決めたことから順に抜け落ちていきます。

/compact/clear の違い

似たコマンドに /clear があります。違いは、会話を続けるかどうかです。

コマンド

何が起きるか

使う場面

/compact

要約して容量を空ける。会話は続く

同じ作業の途中で重くなってきたとき

/clear

空の状態で新しい会話を始める

別の作業に移るとき

公式も「同じ会話を続けながらコンテキストを解放するには /compact を使う」と切り分けています。別件に移るなら /clear、同じ件を続けるなら /compact と覚えれば足ります。

なお、要約したあともプロジェクトの CLAUDE.md は読み直されて残ります。会社のルールを書いた側は消えないので、長時間の作業でも前提が飛びません。

書いても守られないときは、hooksで固定する

CLAUDE.md に書いたのに守られなかった、という相談はよく出ます。ここは仕様の話で、公式は CLAUDE.md を「コンテキストであって強制的な設定ではない」と位置づけています。厳密に守られる保証はありません。

そこで出てくるのが hooks です。hooksとは、決めた場面で必ず実行されるように仕込んでおく処理のことで、公式は「モデルが実行を選ぶことに依存せず、特定のアクションが常に発生することを保証する決定論的な制御」と説明しています(出典=Claude Code Docs hooks・2026年9月9日参照)。

お願いで足りるなら CLAUDE.md、必ず起きてほしいなら hooks。 公式も「特定の時点で必ず実行する必要がある指示は CLAUDE.md ではなく hook として書く」と切り分けています。ただし hooks は設定を書く作業なので、導入初期に触る機能ではありません。 ルールを書いても守られなかった、という実害が出てからで間に合います。

Claude CodeのCoworkとは|同じ機能の別モードではなく、別のプロダクト

Claude CodeのCoworkとは何か、という質問をよく受けますが、Coworkは Claude Code の中のモードではありません。別のプロダクトです。

Anthropicは Cowork を独立した製品ページで案内しており、目標を渡すとファイルやツールをまたいで作業を仕上げるアシスタントとして位置づけています。デスクトップアプリ・ウェブ・モバイル(ベータ)で提供され、有料プランで利用できます(内蔵ブラウザ機能は Pro/Max/Team・Enterprise は管理者設定で有効化)(出典=Cowork 製品ページ・2026年9月9日参照)。

「Claude Code の Cowork モード」という機能は、公式には確認できませんでした。 社内の説明資料でそう書かれていたら、出どころを確かめてください。本記事で扱う主要機能は、すべて Claude Code 側のものです。


Claude Codeの機能で担保する3つ|誰が・どこまで・どこへ

Claude Codeを社内で使うときに決めることは3つです。この3つだけで足ります。 決めていない項目が、そのまま事故の形になります。

決めること

どの機能で担保するか

該当しない例

誰が承認するか

Plan Mode。承認するまで編集が止まる

1人で完結し、成果物が社外に出ない業務

どこまで触れるか

権限モードと、起動フォルダより下という書き込みの境界

検証用の環境だけで動かす場合

どこへつなぐか

MCPのスコープと、接続先に渡す権限の設計

外部サービスに一切つながない運用

決めた内容を人の記憶に置かず、機能の側に持たせられるかどうかが分かれ目です。

3つとも「機能の設定」ではなく「会社の判断」です。 ツールを入れれば決まるものではありません。逆に、ここが決まっていれば、機能の細部は現場で選べます。

経営に説明するときは、この一言で足ります。ブレーキを先に付けて、アクセルは後で踏む。 Plan Modeと権限がブレーキ、MCPとskillsがアクセルです。

配ったあと使われないまま止まる構造については、生成AIの社内導入を定着させる方法|配ったのに使われない会社が最初に直す場所に、直す順番をまとめています。


Claude Codeの主要機能に関するよくある質問

Q. MCPを使うと、社内の情報が外部に漏れませんか

A. 「漏れません」とは言えません。 言えるのは、漏れうる経路が3つに絞られることです。①接続先に渡した権限が広すぎる ②提供元の分からないサーバーをつないでいる ③誰がいつ何をつないだかの記録がない。公式も、接続前に各サーバーを信頼できるか確認するよう明記し、外部の内容を取り込むサーバーには指示の乗っ取りのリスクがあると書いています。最初は接続の権限を読み取り専用に寄せてください。

Q. Plan Modeは必ず使うべきですか。作業が遅くなりませんか

A. 小さな作業では実際に遅くなります。 使うかどうかは、作業の大きさで決めてください。判断の基準は「戻せない作業かどうか」の1点です。消す・送る・公開する作業では必ず使い、1ファイルの修正では使わない。この線の引き方なら、技術の知識がなくても運用できます。

Q. MCPは最初から入れる必要がありますか

A. 要りません。 手元のファイルを読んで書く時点で業務には効きます。足す合図は「他のツールからデータをコピー&ペーストしている場面が、実際に面倒になったとき」。公式が示している使いどころも、まさにその形です。

Q. 機能はいくつ覚えれば、業務で使えますか

A. DAIJOBUの研修では2つから始めます。 Plan Modeと CLAUDE.md です。前者で実行の前に止められるようになり、後者で毎回同じ説明をしなくて済むようになります。残りは、詰まった症状が出てから足してください。会話が重くなったら /compact、同じ手順を何度も貼っているなら skills、という順で自然に必要が生まれます。

Q. Plan Modeを使えば、AIの誤動作は防げますか

A. 防げません。 Plan Modeが保証しているのは「承認するまで編集されない」ことだけです。計画が正しくても、実行の結果は別途確認が要ります。そして承認は必ず形骸化するので、範囲の制限と権限の制限で二重にしてください。

Q. MCPの設定は誰がするのですか。情シスが必要ですか

A. 個人任せにしないでください。 人数が多い組織ほど、設定ファイルを先に配ってしまう運用が現実的です。専任の情報システム部門が要るかどうかは規模によりますが、「誰が設定を決めるか」を1人決めるところは規模を問わず必要です。


Claude Codeの主要機能|総括表

機能

何をするか

いつ使うか

Plan Mode

実行の前に計画を出させ、承認するまで編集を止める

戻せない作業のとき。初日から

権限モード

どこまで自動で進ませるかの既定を決める

全社に配るとき。設定を先に配る

CLAUDE.md

毎回読ませる会社のルールを1枚に置く

同じ説明を2回した日

/compact

会話を要約して容量を空ける(会話は続く)

長い作業の途中で通りが悪くなったとき

/clear

空の状態で新しい会話を始める

別の作業へ移るとき

skills

繰り返す手順を、道具ごとまとめて呼べるようにする

同じ手順を何度も貼っていると気づいたとき

サブエージェント

調べものを別の場所でやらせ、要約だけ返させる

調査でメインの会話を汚したくないとき

MCP

外部のツール・データにつなぐ

コピー&ペーストが実際に面倒になってから

hooks

決めた場面で必ず処理を走らせる

ルールを書いても守られなかったとき


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まとめ|主要機能は「覚える順」ではなく「入れる順」で選ぶ

  • 主要機能は3群に畳める。止める(Plan Mode・権限モード・範囲の境界)/広げる(MCP・skills・サブエージェント)/覚えさせる(CLAUDE.md/compact・hooks)
  • Plan Modeは権限モードの1つで、承認するまで編集が止まる。非エンジニアが計画で見るのは触る範囲・戻せるか・外に出るかの3点
  • MCPは、接続先の権限がそのままAIの権限になる。つなぐ前に権限・提供元・記録の3つを決める。最初は入れないのが正しい順序
  • skillsとコマンドを「手動と自動」で分ける説明は古い。残った違いは、道具を同梱できるかと、使うときだけ開かれるかの2点
  • /compact は会話を続けたまま容量を空け、/clear は会話を切る。別件へ移るときだけ /clear
  • 社内で決めるのは3つだけ。誰が承認するか・どこまで触れるか・どこへつなぐか

機能の数は今後も増えます。それでも判断の形は変わりません。新しい機能が出たら、止める側か、広げる側か、覚えさせる側かを見る。 そして止める側から先に入れる。それだけで、機能の増加に振り回されなくなります。

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出典・注記

  • Plan Mode・権限モードの仕様(モードの一覧、Plan Modeが編集しないこと、承認するまで編集がブロックされること、提示された計画を編集できること)は Anthropic「Claude Code Docs 権限モード」https://code.claude.com/docs/ja/permission-modes (2026年9月9日参照)にもとづきます。モードの名称と挙動は改定されるため、運用の前に公式ページで最新をご確認ください。
  • MCPの定義・使いどころ・接続前の信頼確認の注意は Anthropic「Claude Code Docs MCP」https://code.claude.com/docs/ja/mcp (2026年9月9日参照)に、Anthropicが個々のMCPサーバーのセキュリティ監査・管理を行わない旨は同「Claude Code Docs セキュリティ」https://code.claude.com/docs/en/security (同日参照・MCP security 節)にもとづきます。
  • skillsの定義、本体が使用時にのみ読み込まれること、旧来のカスタムコマンドがスキルに統合済みであることは Anthropic「Claude Code Docs Skills」https://code.claude.com/docs/ja/skills (2026年9月9日参照)にもとづきます。
  • /compact/clear の定義および両者の切り分けは Anthropic「Claude Code Docs コマンド」https://code.claude.com/docs/ja/commands (2026年9月9日参照)、要約後も CLAUDE.md が読み直される点と、CLAUDE.md が「コンテキストであって強制的な設定ではない」点・必ず実行したい指示は hook として書く旨は同「メモリ」https://code.claude.com/docs/ja/memory (同日参照)にもとづきます。hooks の定義は同「hooks」https://code.claude.com/docs/ja/hooks-guide (同日参照)にもとづきます。
  • ターミナル版が「機能豊富なCLI」と紹介されている点、および入口をまたいで CLAUDE.md・設定・MCPサーバーが機能する点は Anthropic「Claude Code Docs 概要」https://code.claude.com/docs/ja/overview (2026年9月9日参照)にもとづきます。
  • 「すべての攻撃に完全に免疫を持つシステムは存在しない」および書き込み範囲が起動フォルダとその配下に限られる点(既定のManualモードでの挙動)は Anthropic「Claude Code Docs セキュリティ」https://code.claude.com/docs/en/security (2026年9月9日参照)にもとづきます。
  • エージェントハーネスの定義は Anthropic ブログ「Agent Harness Design: 3 Patterns for Harnessing Claude's Intelligence」https://claude.com/blog/harnessing-claudes-intelligence (2026年9月9日参照)にもとづきます。「ハーネス」は Claude Code の機能名ではありません。
  • Cowork の位置づけ・提供形態・利用できるプランは Anthropic「Cowork」製品ページ https://claude.com/product/cowork (2026年9月9日参照)にもとづきます。「Claude Code の Cowork モード」という機能は本記事の調査時点で公式に確認できませんでした。
  • 「17名中16名がコマンドラインを実質未経験・うち8名は聞いたこともない・全員Windows」は、DAIJOBUが法人研修の受講前に実施したヒアリング(非エンジニア中心の企業1社・n=17)にもとづきます。特定の受講企業を名指しするものではなく、単一回のヒアリングにもとづく傾向であり、非エンジニア全体の統計ではありません。
  • 「タスク管理のタスクが誤って完了になっていた」「共有ドライブの文書が消えていた」は、DAIJOBU社内で実際に起きた事象です。外部の顧客企業の事例ではありません。
  • 「カード30枚・道具箱11箱」は2026年8月時点のDAIJOBU社内の実数です。現在も増減します。
  • 本記事は機能の使い分けの考え方を扱っており、具体的な設定内容は扱っていません。設定の中身は研修の受講者向けにお渡ししています。
  • ※本記事は2026年9月9日時点の情報にもとづきます。Claude Code の機能・コマンド名は改定されるため、実際の運用前に公式ドキュメントでご確認ください。

この記事について

DAIJOBUは、ソフトウェアテスト・品質保証と脆弱性診断を本業としながら、営業・採用・バックオフィスまで含めて全社でClaude Codeを日常運用している会社です。本記事は、自社で毎日使い、かつ法人研修で非エンジニアに教えている立場から、「どの機能を、どの順で入れるか」を軸に主要機能を整理しています。

著者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修部 コンテンツ担当 佐藤 雅俊

編集責任者

DAIJOBU株式会社 Claude Code法人研修 事業責任者 石井 雄大

監修

DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中 裕貴

公開日

2026年9月10日

最終更新日

2026年9月10日